49.起業&ディゼニーの旅
自宅へ戻ってきました。
ディゼニーに行く前にやる事がある。
それは、起業だ!
化粧品の販売ですね。
通販のみの販売で受注販売オンリーです。
留美生は、直ぐにディゼニーへ行きたかったみたいだけど止めた。
私が行けなくなるもん。
私だってディゼニーへ行きたい!
起業するにあたり、手続きが面倒臭かった。
丸投げすれば簡単なんだけど、そんなお金はないからね。
WEBサイトをフル活用して起業の仕方を学びました。
で、無事に『株式会社Crema』を設立。
勤務地は自宅です。
実際に作っている場所とかは、拡張空間ホーム内だけどね。
書類揃えたりするのに、なんやかんや時間がかかりました。
その間、留美生にはアクセサリーと化粧品水などを入れるボトル作りをさせました。
ヒーヒー言ってたけど知らね。
そして、漸く念願のディゼニーへ行くことが出来た! 長かったよ。
「ミッキーだ!!ちょっとサインして貰って来る!!」
早速ミッキー達と戯れたいとサインペンとスケッチブックを持ってミッキーに突撃している留美生。
いい年したおばさんが、キャーキャー言いながらミッキーにチューした写真とかないわぁ。
蛇ちゃんズをペットショップに預ける予定だったのに、二匹の強固な抵抗にあい、仕方なく蛇ちゃんズは私のショルダーバッグの中に入ってます。
持ち物チェックの時はポーチの裏に蛇ちゃんズは隠れてたので見つからなかった。
本当、生きた心地がしなかったよ!
因みにサクラと赤白は、留美生のフードの中に入っている。
サクラ達酔わないと良いんだけど。大丈夫かな?
「キモイなお前……」
「何やってぇ!? 遅刻したくせに! 遅刻したくせに! 遅刻しやがってぇ!! 時間返せ!!」
まだ根に持っているのかよ。高々3時間程度遅れただけなのに、ギャーギャー文句言いすぎ。
ウザイなコイツと思ったが、それを本人に言うと面倒臭い事になるので適当に謝罪しておく。
「分かった、ごめん。だから私の金で此処に連れてきたじゃん。」
「当たり前だよ。でも何で急に此処に??」
おいぃ、自分で言っておいてそれ? 発言に責任持てよ。
「アンタが行きたいって言ったやん。文句あるん? 帰るか?」
別に私は帰っても良い。家でゴロゴロしたいし、ディゼニーは好きだけど主に買い物しかしない。後、不味い飯を食ってスーベニアを手に入れるくらいかな。
来たいって言った本人が不服なら、このまま直行で買えれば良いだけだしね。
「イヤー帰らへんからね! ディゼニーシーも行くからね! グッフィちゃんとかにも会いたいもん。スーベニア集めしたいねん!!」
帰ろうとした私の腕を掴んで引き摺るように夢の国ディゼニーランドをへ突撃したのだった。
流石夢の国ディゼニーランド! 人がゴミのように沢山いるね。
姉ちゃん、早速人酔いしたわ。座りたい。
ボソッと念話で紅白ちゃんが
<わいは酒が飲めるディゼニーシーの方に先に行きたかったわぁ>
と突っ込み、
<サクラは美味しいデザートぉ食べた~ぃ>
サクラが留美生のフードの中で高速フルフルしてる。
赤白ちゃんは、
<でもパンプで見たスーベニアランチが食いたいわ>
と言いたい放題。君、一番パンプレットをを見てたもんね。
契約チーム元気過ぎる。五月蠅すぎるので一喝したら反撃された。
<こら! 念話しないの! 各自大人しくする!>
<遅刻魔!>
<遅刻まぁ~>
<遅刻魔やん>
一斉に攻撃を開始した契約チーム。白朱までフードから顔を覗かせている。
出て来ようとした白朱を留美生が手でフードの奥へ押しやっている。
グッジョブ! でも、遅刻魔は否定してくれないのね。
ちょっとくらい庇ってくれても良いんじゃね?
ここは誰がご主人様か知らしめる意味でもビシッと言ってやった、
<飲み食いさせへんよ!!>
<はいはい、契約チームは静かにする。姉は会話に乱入すんな。傍から見てバッグにメンチ切ってる変態さんに思われるよ。今日はパレードとご飯を満喫して買い物して帰るんだからね!>
うげっ! パレードなんか見たくないでござる。
あんな人いっぱいで立ち見とかありえんわー。
夜のショーなんて勿論パス。
パレードやショーが見所なんだと主張する人いるけど、私からしたらどうでも良い。
グッズさえ購入出来れば満足です。乗り物も待ち時間ながいから乗りたくないし、食べ物も値段が高い割に不味いので好きじゃない。
単純にスーベニア集めしたいから食べる。唯一マシなのは飲み物くらいだよ。
<あと先に買い物済ませてからご飯だからね! 穴場スポットあるからそこでなら皆でご飯食べれるよ>
元年パス所持者だった留美生の言葉に、へーと関心していた。
ディゼニーは好きだけど、年に5回通う程度。
留美生みたいに月に数回パークに新幹線を使って通うオタクではない!!
穴場やフォト所など色々と知っているみたいなのでお任せしよう。
<分かったわ。まずは買い物しよか。>
ディゼニーパークの入り口付近のショップにて大人買いを数回繰り返し、買い物して持ちきれなくなっては発送し、また買い物して発送するを繰り返した。
散財って本当に楽しいね! その時しか買えない限定グッズを見るとつい購入しちゃうんだよね。
数年眠っているなんてことは、よくあるけど。
その後にパーク内にあるスーベニアを回わって、留美生オススメの穴場へと向かった。
「あれだけの人が此処だと全くおらんねぇ!?」
「せやろ、此処はまだ知られてへん穴場やしな! おーいサクラちゃん、白朱ちゃん、出てきて良えよ。」
留美生は、そう言いながら二匹をフードの中から出した。
留美生の声を合図に、赤白ちゃんと紅白ちゃんも姉のカバンからスルスルと出てきた。
「ちょっ出したらあかんやろ!」
と焦る私。蛇連れてきたなんてディゼニー側に知られたら大問題だ。
「バレへんよ。だって此処幽霊が出るって噂の場所やし誰も来ないから!」
人が居ない理由に脱力した。幽霊とか居るんだろうけど、実害がなければどうでも良い。
留美生的に、ここは有名な幽霊スポットで呪われているらしい。
「幽霊ねぇ、胡散臭せ」
「異世界行き来してるうちらは存在自体が胡散臭いって! まぁ、溶ける物もあんねんし食べよ」
マズ飯に覚悟を決めて、
「「頂きます」」
ハンバーガーに齧り付いた。
<<<頂きまーす>>>
食事開始になったら争奪戦になった。蛇ちゃんズは、身体に似合わずにドンドンとご飯を採るようにないる。
サクラと白朱は、モンスターなので元々沢山食べる。
最近では際限無く食べるので、食事管理し強制的にストップさせている。
が、どうも留美生がオヤツとかあげちゃっているみたいなんだよね。
食事事情は、死活問題だ。思った以上にお金が掛かっている。
収入も増えたけど出費も増えたので、+-0と云ったところだろうか。
「そういえば、姉よ。うちが買い物してた時、何してたん?」
「ん? 大抵の買い物はアンタがしてるから私は店内をビデオに撮ってたんよ」
アホ面をさらす妹に、姉ちゃん頭大丈夫かなぁと心配になったよ。
「ちゃんと留美生が作るサンプルは買ったから安心して!」
「いやいや、何で私が???」
タダで飲み食い&お土産買わせるわけないでしょう。あれらは、全部サンプルです。
サイエスでコピー品を売り捌くためのサンプルなんですよ!
どこぞのC国と同じことしてるけど、気にしない。
サイエスにディゼニーはないもん。
地球の著作権とか関係ないもん。
「あっちは可愛いのないやん。お洒落度も低いし、安価で手に入る可愛いデザインを真似たいと思うんよ。で、小物とか装飾品、装備品とかは留美生が担当なんだから! その技術を惜しみなく使って貰おうと思ってv」
「幾らスキル取得してるといっても出来るかまでは分からへんよ? 私だって裁縫が得意って訳じゃないし。それに手縫いとか無理。今のミシンでも向こうでは使えないよ」
家庭用ミシンでモンスターの革を縫えないと抵抗する妹に、私はキランと良い笑顔で答えた。。
「大丈夫、業務用の本格的なミシン買ってあげるから!」
「一台安くて30万円からするミシンで一番良いの買ってくれるんやったら良えで」
「別に良えで。どんなミシンでも買ったる。だから作ってな!」
お断りなんて許しません。私に作るつもりがなかった化粧品やら何やらの恨みがあるので、キッチリ作って貰います。
「ウィッス」
ビビりながら一応納得してくれた模様。
後に、高性能で一番高いミシン(100万円相当)を強請られて、「限度を知れ!」とキレたのだった。




