195.簡易社で治癒院始めました
ログハウスが完成しました!!
二階建てだと思っていたら、三階建てを作ってた。
だから、大量の木材が必要だったのね。
「おお! 拠点(仮)が出来たな」
内容を見ると1階は、キッチン・集会場・風呂場になっていた。
2階と3階は住居区間になっている。
完全個室の一人部屋である。
新しい鍵を渡され、ウハウハである。
「神社の方は、どうなってんの?」
「社務所は出来たが、本殿はまだだな」
「簡易の社でも作って、本殿が出来たら移す方法もあるけど。どうする?」
「それで良えんちゃう? 薬師と治癒師がおらんしな」
「OK。じゃあ、私がやるわ。どっちも本職やしな」
鑑定しながら良さげな人物がおったら根こそぎスカウトしよう。
危険人物には、マークを付けておけば良いだろう。
紅唐白を引っ提げて、まだ建設途中のお社に突撃した。
「レン様、どうされたんですか?」
「本殿が出来るまでの間、社務所を簡易社にして治癒院として働くことにしてん」
「はぁ……」
「怪我や病気したら、社務所においで。見たるから」
「お金がないのですが……」
「金が無い奴から金を取るほど非道やないで。ある程度安定した収入が入ったらお金取るけど、今はタダでやったるわ」
「え? タダですか?」
ポッカーンとする村人に、私は首を傾げた。
「金より今は労働力が欲しいしな!」
そう宣言すると、拝まれた。
拝むなら神様でも拝んでくれたまえ。
留美生が作った折り畳み神社を横に置いて、紅唐白を膝の上に乗せながら人を待った。
「あの…タダで治療して貰えると聞いたんですが」
「なんや怪我したんか?」
早速お客さんが来た。
腕が赤黒く腫れている。
「どうして、こんな傷を負ったん?」
「立てていた木材が崩れて頭を腕で庇ったら、こうなってしまって……」
木材の置き方も要チェックが必要だな。
「ほい、heel」
パァッと男の身体を包み込み一瞬で怪我を治した。
「木材は地面に置くように。立てて置いたら今みたいな怪我に繋がるからな。命あっての物種。瀕死の状態やと私でも治しきれるか分からんから、十分注意して仕事に励むように」
「はい。でも、本当にお金は要らないんですか?」
疑り深いなぁ。
「アーラマンユみたいに、後から高額な金を請求するとかせんわ。タダが不満なら、労力で返してや。本殿が完成せんと、雨ごいも出来んねんからな。分かったら持ち場へ戻り」
シッシッと犬を追い払うような仕草をする私に、お礼を言って持ち場に戻っていた男。
それから、ちょくちょく人が社務所に集まるようになった。
肉調達部隊に混じって戦闘訓練もしてるよ。
長時間座っていると、肩がこるしね!
久しぶりにやりたい放題していた気がする。




