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社畜OLは、打倒邪神を目指す!  作者: もっけさん
ジェリダン共和国
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183.迷宮攻略の報告

 ゲルドの成長が、思っていた以上に良い出来に仕上がった。

 初期予定はレベル50程度だったんだけどなぁ。

 30階を単独で倒させたからか、レベル129までいった。

 このレベルなら不意打ちくらっても死にはしないだろう。

 4日も迷宮に籠っていたので、久々の太陽は気持ちいい。

 体内時計も狂っていたから、治すのに時間が掛りそうだ。

「ギルドに報告せなならんから、リオンらは先に帰ってええで」

「お言葉に甘えてそうします」

 やっと解放される嬉しさに満面の笑みを浮かべるゲルド。

「分かった」

とリオン。

「それは良いが、休暇はあんのか?」

と休暇要求をするイスパハン。

 本当、皆性格が現れているよ。

「取敢えず、休暇は3日間な。買ってきたばかりの奴隷ちゃん達の教育の進捗によって方針考える予定や。後、ゲルドさんも軍師候補をさっさと選出してや。留美生(るみな)に知略で負ける奴は要らんから」

「そこまで言うなら、あいつが軍師すれば良いんじゃないか?」

「リオン、無理言うな。戦略ゲームは大好物やけど、それはあくまでもゲームの話や。実践となれば多分その力を発揮出来るとは思えん」

 もし、腹を括ってやるとなれば相手は地獄を見るだろう。

 えげつない戦略を立てて嫌がらせすると断言できる。

「どこの国だって軍隊くらい持ってるやろう。そこの参謀で良い奴を引き込むとかしてきてや」

「……」

 私の言葉に、ゲルドが黙った。

 見込みがないんだな。

 保険掛けておいて良かったわ。

「じゃあ、私は冒険者ギルドに迷宮の報告してくるわ」

 リオン達と別れて、冒険者ギルドへ向かった。

 ギルドカードと共に迷宮攻略の件でアルバートに報告があると受付嬢に伝えたら、飛んできた。

「迷宮を攻略したって本当か?」

「うちの妹が勝手に攻略してまして。一応、私も攻略してきました」

と言っても、実際に殆ど戦っていたのはゲルドだが。

「迷宮の内部のことを詳しく聞かせてくれ」

 アルバートの執務室に通され、14階から30階までの地図を出した。

「これは……迷宮内の地図か?」

「はい。30階からなる迷宮だったので、初心者には丁度良いんじゃないですか? 地図と併せて各階に出没した魔物(モンスター)と攻撃パターン・弱点を記載してます」

 罠の場所や宝箱、隠し部屋などもきっちり書き記している。

 ドロップ品は、正直書くだけで1日で終わりそうにないのでカットした。

「そうそう、10階にゴールドゴーレムが現れましたよ。ミノタウロスじゃなかったので、もしかしたら守護者ボスが変わっているかもしれません。10階毎に守護者ボスが配置されているようです。20階がセイレーンで、30階がケロベロスでした」

「どれもB~Aランクの魔物(モンスター)だ。ケロベロスはA++ランクだぞ」

「Aランクの次はSランクでは?」

「Sランクほどの脅威ではないが、Aランクでは収まらない魔物(モンスター)を指すんだ」

 初めて聞いた。

 A++なんてランクがあるのか。

「初心者は、精々3階層くらいまでだ。中堅で5~8階層、上級でも精々20階層いければ良いところだろう。しかも、階層が上がるごとに魔物(モンスター)がえげつない事になっているぞ。しかし、この資料を見る限りドロップ品も期待出来そうだな」

「まあ、それなりに期待できると思いますよ」

 魔石や心臓(コア)は山賊の手でドロップに変わる前に回収しているし、ドロップ品もピンキリある。

「ドロップ品はどんなのがあるんだ?」

「色々あり過ぎて整理しきれてません。4日も籠ってましたから」

 籠りっぱなしで太陽が恋しくなったよとぼやけば、目を点にしたアルバートがいた。

「……4日で攻略したのか?」

「私達のパーティーはですけど、妹や私の部下は1日で攻略してましたよ」

 しっかりマッピングもして貰ったし、そのお蔭で移動が楽になった。

 そう返したら、頭を抱えられた。

「一体どんな手品を使ったんだ。迷宮とはいえ、これだけ精密な地図を見れば相当広いと推測できるぞ」

「いや、見たほど広くなかったですけど。1階なんて3時間で5周以上はしてますから」

「あり得ない……」

 人外認定されてしまった。

 解せぬ。

「ドロップ品の詳細はないのか?」

「正直纏めるのが面倒なくらい沢山あったので、まだ整理してません。出来次第、お持ちします」

「頼む。後、ダンジョン産の魔石や宝石があれば買い取り額も上がるから卸してくれるとありがたい」

「魔石は、うちの武器担当と応相談ですね。宝石は要らないんで卸しますよ」

「宝石だけでも助かる」

「じゃあ、後日改めて持ってきます」

 そう言い残し、私の仕事は漸くひと段落ついたのだった。

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