169.戦力増加を図ろうと思います
リオンを連れて冒険者ギルドにやってきました。
童顔だけあって、子供のお使いに見られるのが屈辱だ。
これが、合法ロリというやつか!!!
ハルモニア王国から出国した時に魔物から奪った魔石などは、拡張空間ホームの新しいフォルダーに入っている。
Cremaフォルダーの中身を勝手に使うわけにはいかないので、現金に換えられるものは変えておくことにした。
肩掛けのショルダーに手を突っ込んだら、クインテットが入っていた。
「……何でおまいらが、ここにいる。留美生のところに居たんじゃなかったんか?」
<討伐クエスト受けるんやろう? 面白そうやと思って>
テヘペロと可愛く舌をチロチロ出す赤白に、私はハァと溜息を吐いた。
「討伐受ける予定やけど、実際に行動するんは明日やで。まあ、ええわ。白朱の登録してへんし、ついでにするわ」
<何や、つまらん>
私の答えに多少の文句はあったが、日本へ強制送還させるぞと脅したら大人しくなった。
一足先にリオンがクエストが張り出されている場所に立っている。
選ぶ目が真剣だ。
私もザッとクエストの内容に目を通すが、これと言って良い物は無い。
ふと、1番古い紙を見つけた。
詳細を確認すると、ロッソ山の山頂付近にワイバーンと地竜が住み着いているので、その討伐の依頼のようだ。
討伐金額もかなり高い。
私たちのパーティーなら討伐は可能と判断出来るが、出来れば契約して有効活用したい。
これから戦争に行くなら、戦力は強化したい。
予想される戦闘方法は、騎馬兵・歩兵・弓兵・魔法兵だろう。
ワイバーンを契約出来たら、航空権を獲得して戦争も優位に進められるのではなかろうか。
地竜は、出方次第で始末するか契約するか決めよう。
クエストを剥がして、そのまま受付に持って行く。
「本日は、どのようなご用件でしょうか?」
安定の勘違いありがとう。
「このクエストなんですが、ワイバーンと地竜を討伐せず契約した場合はどうなりますか?」
受付嬢困惑ww
いつもの事だが、見た目おこちゃまがSランクの討伐クエストを持ってきたら驚くわな。
「Sランクのパーティーでも難しいクエストです。貴女が、テイマーでも難しいと思います」
「私、Sランクですよ」
ギルドカードを提示すると、受付嬢に2度見されてしまった。
「た、確かに確認しました。しかし、ワイバーンと契約するのは難しいかと……」
「出来なければ討伐しますから。仮に契約した場合も、クエストは達成されるのか確認したいのですが」
「確認してきます」
根城にしているロッソ山頂から引き離せば、ある意味目的は達成したことになるのではないだろうか。
契約中は、私の命令に従うことになるわけだし。
まあ、クインテットは元がフリーダムで言う事聞かないことが多々あるけど。
10分弱席を離れた受付嬢が戻ってきた。
「契約出来た場合も、クエスト達成と見なすと回答がありました」
「じゃあ、これ受けるわ。リオンも良いか?」
「ああ」
「では、受領します。クエストを放棄した場合は、違約金が発生するのでご注意下さい」
「了解。後、この子もカードに登録してくれへん。最近、契約したばかりやねん」
ショルダーバッグの中に居た白朱を取出して見せると、受付嬢の顔が引きつった。
人によっては、爬虫類は敬遠されるもんな。
こんなにキュルルンとして可愛いのに……。
白朱を手渡し、魔法具の上に乗せてカードに上書きしている。
カードと共に白朱を返された。
受付嬢は涙目だ。
これも仕事だ、ガンバレ!!
「こちらのクエストは、特に期間は定められていませんが契約もしくは討伐が出来るまでは、別のクエストを受けることが出来ませんのでご注意ください」
そういう重要事項は先に言って欲しかった。
「分かりました。明日から取り掛かろうと思います」
私は、リオンを連れて宿へと戻った。




