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社畜OLは、打倒邪神を目指す!  作者: もっけさん
ミスト領
163/295

160.学術都市ルテゥ完成

 街が完成しました!!

 昼夜問わず交代で作業したので、1ヵ月も掛からずに復興したよ。

 人の力って凄いと思う。

 人手は多いに越したことがないので、来る人はガンガン雇って現場に投入した。

 その間に、プレハブの家の建て方を覚えた人がチラホラ居たので雇用契約を結んだ。

 勿論、神社に連れて行って問題ないのも確認済みである。

「結構大所帯になったなー」

 集まった総勢が約1万人。

 噂を聞きつけてやってくるであろう人も考えれば、後2万人くらいは余裕で受け入れられる。

 この街の特産は『人材』である。

 まあ、これから作り上げて行かなければならないんだが。

 仕事をしながら勉強もして貰うので、大人はそれなりに大変だろう。

 子供は、強制的に朝8時から15時まで寺子屋に通ってもらう。

 寺子屋な場所を東西南北に5ヵ所ほど作ったので、そこを卒業したら専門知識を身に着けたいものだけが、中央の学校に通うことが出来る。

 貴重な働き手を奪われるので、親としては収入が下がるのは痛手だろう。

 なので、給食を導入した。

 勿論、お昼だけだが。

 給食費は1ヵ月銀貨3枚である。

 成績優秀者は、奨学生として学校に行くことが出来る。

 この街だけでも識字率100%にしたいのが、今の目標かな。

「しかし、リオンが作成した戸籍一覧は役に立つな」

 同姓同名や年月日まで同じだったりで間違えたりしそうなものだが、身体的特徴までしっかり記載している。何より顔写真付きである。

 留美生(るみな)が、以前リオンにスマートフォンを渡したとは聞いていたが、しっかり使いこなしているようだ。

「彼は機械の操作に関しては、1度教えれば直ぐに使いこなしますからね。どうも、イスパハンがパソコンやプリンターなども使えるように教え込んだみたいですよ」

 アンナの報告に、私は頭を抱えた。

 スマートフォンでさえオーバーテクノロジーになるのに、他の電子機器を易々と教えるのはどうかと思う。

 私の悶絶する様子を見たアンナが、

「言いたい事は分かります。イスパハンが、サイエスでも同じ物が作れないか模索しているようです。作れれば、書類仕事も捗り数字の管理などが容易になるため仕事効率も上がると判断し、許可を出しました」

と宣った。

 この女、金儲けの事しか考えてねぇ!!

「いや、そこは自重しようよ!!」

「商機を逃すなど以ての外ですよ。この街を発展させるのであれば、それくらいの気概はあっても宜しいかと思います。それに、この世界の物を代用して作るのですから試行錯誤の連続でしょう。技術進歩させて、人材を育ててCrema(クリマ)が刈るのですから問題ないのでは?」

 平然と優良物件の青田刈り宣言するアンナに、私は顔が引きつった。

 私も青田刈りする気満々だったけど、ここまでは予想していなかったわ。

「便利グッズから開発するのでも良いと思うけど……」

「そちらは、既に着手済みです。手押し車やキャリーバッグなど、色々と試作して貰いました。今、生産ギルドに特許を申請中です。特許が取れ次第、商業ギルドへ品を下ろす予定です」

「……私、要らなくね?」

「は? 何言っているんですか。働かない人に給与は出ませんよ。折角高速演算と並列思考のスキルがあるんですから、是非、Crema(クリマ)のために存分に活用して下さい」

 無慈悲なお言葉を頂戴しました。

 段々アンナが慇懃無礼になっている気がするのは何故だろう。

「分かってるよ。取敢えず、住居希望者を神社で判定してからやな」

 留美生(るみな)が作ったアナスタシアとアベル像に参拝させて、ステータスなどのチェックをする。

 犯罪者や間者、アーラマンユ狂信者は天罰食らって追い出される算段である。

 アナスタシアの像を作る時にブローチを加工して。装飾としてあしらったからアベルよりもアナスタシアの方が若干豪華である。

 アベルも再現されたアナスタシア像を見て甚く感動していた。

 アナスタシアもアベルと再会出来て涙を浮かべ喜んでいたが、その空気は桃色だったとだけ記そう。

 アベルだけ祀る予定が、急遽アナスタシアも祀ることになり、夫婦円満・家内安全の神も兼任してもらうことにした。

 後、アベルには精霊魔法の適正がある者が居たら、精霊の紹介をして貰うようにも頼んでおいた。

 精霊に好かれる人は稀らしく、精霊魔法自体メジャーではないとの事。

 精霊魔法の使い手であるシュバルツに、精霊と契約が出来た者が今後現れた場合、指南してくれる人を紹介して貰おう。

「アベル様に選定して貰い、その後住居の貸与、仕事の斡旋となります。選定の方は、神社の巫女達が行います。住居の貸与については、誓約魔法が掛った誓約書を作成してありますので問題ありません。レン様は、仕事の斡旋を担当して頂きます」

 1番神経を使う仕事を振り分けてくるとか鬼だろう。

 渋い顔をする私に対し、

「これも仕事です。書類仕事ではなく、ちゃんと現場の仕事を用意しましたよ」

 私が書類仕事は嫌だと駄々を捏ねた意趣返しをされた。

「……確かに言ったけど、1番重要度高いやん」

 責任重大だし、雇用契約するまでが大変なんだが、そこを丸っと振る無茶ぶりに私は脱力した。

「自分で望まれたことですから、しっかりお仕事なさって下さいね」

 逃げたら減俸すんぞと笑顔で脅され、面接会場へとドナドナされたのだった。

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