127.免許取得できませんでした
端的に言おう。
運転免許の試験に落ちました!
筆記は問題なかったが、実習がダメでした。
キヨちゃんが居ても、試験の神様は居なかった。
原付で公道を走るのでさえ30キロ出せない人間が、車で30キロ以上出せるわけがない!
試験官に逆に危険と判断されて落とされた。
ちくせう。
試験に受かれなかったので、合宿費用は自腹になりました。
というか、自腹にされました。
落ちて帰って来た私に対する第一声が、
「合宿までして試験落ちるってどんだけやねんww」
と留美生は語尾に草生やしpgrしてくれた。
「人には得手・不得手があるんや! 私が免許取れんでも他の人が取れれば問題あらへんもん」
「負け惜しみワロス。落ちてんから、合宿代は自腹な」
「ぐぐぐっ……」
受かるのが前提条件なので、自腹切るのは仕方がない。
仕方がないのは頭では理解しているのだが、留美生の言い方が一々癪に障る。
「それで、留守の間問題行動起こしてへんやろうな?」
「小さい諍いはあったけど、特に問題になることはないで」
「不届き者は自衛団から警邏隊へ引き渡してますので、今のところ目立って大きな問題はありませんでした」
留美生とアンナ2人から報告を受け、問題がなければ良しと満足していたら、アンナから人の名前が載ったリスト一覧を渡された。
「何や、これ?」
「レン様がいらっしゃらない時に、神社に訪れた人達で使えそうな人物をスカウトしておきました。2枚目は、指導の日程になります」
ざっと目を通しただけで100人以上はいる。
2枚目を見ると、みっちりと1日のスケジュールが記載されていた。
「ちょっ、これは無理やろう」
就寝以外殆どが実務・戦闘訓練になっている。
10時間の睡眠が8時間まで削られている。
私が決済しなければならない書類整理などが、それとは別に追加されるのだ。
どこのブラック企業だよ!! と泣き叫びたくなった。
「眠気はリポピタンDで取って、体力回復はHPポーションでドーピングして下さい。レン様なら出来ます」
うふふと笑みを浮かべているが、目が全然笑ってない。
ガチで本気で言っている。
周囲を見渡すが、誰一人目を合わしてくれる者がいなかった。
「……アンナに人生相談を任せるからやん。自業自得や」
「Noooooo!!」
断じてそんなつもりで任せたわけじゃないのに!
何で裏目に出ちゃうんだ。
「もう、仮採用の通達出してますので明日から頑張って下さいね」
決定事項ですと言わんばかりに言い切られてしまった。
勝手に仕事を取ってくるって、本当私の秘書は有能だ。
有能過ぎて涙が出てくるよ!!
「そんじゃ、花令は頑張りや。私らは、合宿に行ってくるわ」
留美生は、合宿という名のバカンスに旅立った。
その後姿が、滅茶苦茶眩しかったと記しておこう。
留美生が戻る間、アンナが組んだブートキャンプの予定を粛々とこなす日々を過ごした。
紅唐白を引っ提げて、肩こりと腰痛に悩まされながらスパルタモードで行った。
この時、参加した面々は後にCremaの中枢に配属されることとなる。




