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社畜OLは、打倒邪神を目指す!  作者: もっけさん
ハルモニア王国王都
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121.情勢の整理をしましょう

 鑑定道具を制作したいから紅唐白(べにとうきよ)の素材をクレクレされた。

「姉ぇ、紅唐白(べにとうきよ)ちゃんの素材くれ! 絶対に生かすから!」

「天照大御神様の神使見習いやねんで!! あきまへん。お断りや!」

 なんて罰当たりなことを言い出すんだ。

「お前、紅唐白(べにとうきよ)ちゃんのお母ちゃんやん。息子に頼んでやー。看破までは行かへんけどそれなりの鑑定は出来るようにしたいねん!! 打倒マーライオン!」

 確かに楽白の看破までいかなくとも、それに近いものはあっても良いかもしれない。

 確実にアーラマンユ教をじわじわと窮地に追いやれる。

「マーライオンちゃう。アーラマンユやで…はぁ……しゃーない、お願いしてダメやったら諦めや!」

「素材貰ったらアトリエに届けてな!」

 紅唐白(べにとうきよ)が、素材提供を許してくれるかだな。

 契約(テイム)カルテットと白朱、イスパハンを連れてアトリエに籠った留美生(るみな)を尻目に、紅唐白(べにとうきよ)を見やる。

「キヨちゃんの鱗を数枚欲しいんやけど、良いか?」

 じーっと目を見つめていたら、ぷいっと顔を反らされた。

 そう簡単には貰えないだろうなぁ……。

「今日一日オフやし、抱っこしてあげんで?」

 仕事の時は、お家にお留守番だからね。

 寂しい思いもしているだろう。

 王家のパーティーに行くときでさえ、嫌々と駄々を捏ねてたもんなぁ。

「一緒にお昼寝したり出来るのにな~」

 本当? と目で訴えてくる紅唐白(べにとうきよ)の身体をゆっくり撫でる。

 すると、前足で尻尾辺りの鱗をそぎ落としてくれた。

 鱗が5枚とは太っ腹だね。

「ありがとうな。今日はずーっと一緒やからな」

 抱っこ紐で紅唐白(べにとうきよ)を抱えながら、留美生(るみな)のアトリエに向かった。

留美生(るみな)、キヨちゃんが鱗提供してくれたで。大切に使いや」

「おお、流石姉! 紅唐白(べにとうきよ)ちゃんの母ちゃんやな」

 鱗を受け取ったら、契約(テイム)カルテットたちと何やら相談し始めた。

 変な物を作らないと良いが、こればかりは私の手に負えるものじゃないし、任せるしかないかと留美生(るみな)のアトリエを出た。

 紅唐白(べにとうきよ)を抱っこしながら、ワウルからパーティーで収取した情報を聞き出していた。

「――てな感じっすね。後、ダリエラは失脚して、レオンハルトが新たにセブールのギルマスに就任したっす。はじまりの町は、冒険者ギルド本部から新たにギルドマスターが送られたみたいっすよ」

 報告を聞きながら、情報を整理していく。

 貴族の中でもアーラマンユ教に対する反発はあるみたいだ。

 成人前に祝福と称して大金を出させ、ステータスを確認する行事があるとの事。

 祝福とは別にお布施もクレクレされている為、下級貴族では将来有望そうな者だけにしか祝福を受けさせないのだとか。

 庶民は、基本縁がなく冒険者はギルドカードで大まかなステータスが確認出来るようになっているから生活に支障はないらしい。

 冷夏で秋の収穫が落ち込んでいる地域もあり、年を越すのも厳しい領もあるのだとか。

 そういう所は、国に借金するか農耕が盛んな領に頼るかし冬を越すが、返済の目途が立たなければ没落する一方だと。

 ハルモニア王国は比較的平和な国ではあるが、北に軍事国家アトラマント帝国、西に技術大国ジェリダン共和国、東に海軍随一の東方海連合、南に魔法武装国家ナリス国と囲まれている。

 南北の国境付近では小競り合いが多く、ジェリダン共和国と東方海連邦とは交易をしているようだ。

 国ではないが、自由自治区のアーラマンユ総本山のマルクトが加わる。

 アーラマンユ教は、各国に強力な発言力を持っているとの事。

 一国分の軍事力を保有しているとか。

 維持費は、祝福のお布施や癒しの魔法で大金を巻き上げて賄っているという。

 アーラマンユ神以外の神は認めないとのことで、人至上主義を掲げている。

 獣人やエルフなどは、全て魔族と分類し差別している。

 特にエルフは貴重らしく、見目麗しいので性奴隷として狩られることが多い。

 奴隷にエルフがいるだけでも、裕福と見られ一種のステータスらしい。

 私が産まれた地球も世界全体で見れば糞ばかりだが、この世界もあまり変わらないらしい。

 奴隷制度がある時点で、糞決定だけどな。

「報告お疲れさん。3日休暇やるから、羽伸ばしてき」

 ひらひらと手を振ったら、ワウルは肩を竦めて談話室から出て行った。

 机をペンでトントン叩きながら、今後の方針を考える。

 アーラマンユに対抗する勢力になる必要がある。

 この国は、その足掛かりにさせて貰おう。

 陛下が、留美生(るみな)のバングルの買取を行ったのは軍備強化したい思惑もあるのだろう。

 軍事国家のアトラマント帝国や魔法武装国家ナリス国に落ちていたら、もっと酷い扱いを受けていたかもしれない。

 獣人たちと交流を取り良好な関係を結びたいものだが、いかせん彼らがどこにいるか分からない。

 奴隷ではなく、集落単位で仲良くしたい。

 彼らの地位向上も必要になってくるだろう。

 人以外の存在が生きにくいのは、何百年も先を見据えればマイナス要素だ。

「うし、今後の方針はアーラマンユの勢力をそぎ落とすに決まりやな!」

 今後の方針が決まったところで、留美生(るみな)が天照大御神のご神体を持ってきた。

 鑑定してみると、『神罰も落とすでマルっとお見通し天照大御神様の像』と出てきた。

「ウギャーーーー留美生(るみな)、あんた何てもん作ってんねん!」

「や、盗難防止も含まれてるさかい一応な。色々と便利な機能満載やで」

 良え仕事したわ、とキラっとした笑顔を見せられ、イラと来たのでハリセンでド突ついた。

 痛いと喚いているが無視したら、パンジーにお菓子を集りに行った。

 私は、アンナにご神体の相談をし白熱な討論が繰り返された。

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