エピローグ
エピローグ
トンネルを抜けると、松とかナラの原生林は無く、開けた草原地帯になっていた。見上げると空は青一色で、開放感が半端ない。
一直線に伸びる道を、道なりに走っていると、空に何かが光ったように感じた。気のせいか、俺はスピードを緩め、上空を注意して走っていると、また、光った。今度は、間違いなく確かに光った。晴天の霹靂?そう思って見ていると、前方に何かが落下した。
俺はその近くに行くと、車を止め、見に行った。
落下したところへ近づくと、焦げ臭い匂いが風に乗り漂ってきた。その落下地点に着くと、周りが黒く焼けくすぶっていて、その中心に一人の女性が倒れていた。俺は慌てて駆け寄り確認すると、ただ気絶しているだけのようだった。俺は彼女をお姫様抱っこして、キャンピングカーのところへ行き、ベットルームに行って寝かせた。
そして改めて見ると、彼女の長い髪は薄い水色で、染めているというより自然なように感じた。顔の色も黄色人のそれではなく、白人といった感じだし、顔の作りも小顔で鼻が高い。服装も天女?、乙姫様?、と、いった感じの服装で、このへんでコスプレの大会があって、外国からきたのではないかと想像した。
俺が見ていると、彼女がうめき声を一つ上げ、目を開いた。俺はキッチンからコップに水を入れ持ってきて彼女に渡すと、彼女は「ありがとう」と、流暢な日本語で言って一口飲んだ。
落ち着いたところで、名前を尋ねると、少し考えるような仕草をして、マリンとひとこと。
マリンは今着ている服が気になるようで、シャワーを浴びたいと、シャワールームへと消えた。
(あれ?、俺、シャワールーム教えてないよね。この手の車、詳しいのかな)疑問に思いつつも、俺はキッチンへ行き、遅めの朝食を二人分作った。出来上がった頃、彼女もこちらに来るが、着ていた服が違っていた。あれ、どこにそんな服があったのだろうかと疑問に思ったことを口にすると、
「ロッカーに入れておいたの」と、当たり前のことのように言う。さらに疑問が深まり、問いただそうとすると、
「わあー、私、ハムエッグトースト大好きなの」と、キラキラお目目になる。ここはひとまずおいといて 、食事にすることにした。マリンは本当に大好きなようで、ニコニコしながら嬉しそうに食べる。サラダも食べ、コーヒー飲みながら、一息入れたところで、
「マリンさん。何であそこにいたの」
「さあ」
「どこか行くところある」
「さあ」
「何か分かることある」
「ないよ」
あっけらかんとしている。こっちが逆に心配だ。それに何故だか分からないが、彼女と一緒にいるのが当たり前のような気がする。俺は気になったのでそのことを聞いて見た、
「俺たちって、どこかで会ったことあったっけ」
「そうそう、私もそう思ったの。不思議だよね。これって運命の糸ってやつかな」
マリンは記憶喪失のようだが、意外にあっけらかんとしている。俺も、なんだか、「はい、さようなら」はしたくなかったので、
「このままキャンピングカーで旅行一緒にしませんか」
と、持ちかけた。返事がなかったので、マリンの方へ視線を向けると、目からボタボタと音がしそうなほど涙を流していた。
「あれー、どうしたのかな。なんだかとても嬉しくって、涙が止まらないの」
マリンは慌てて手で涙を拭っているが、すぐに溢れてきて、涙が止まることはなかった。
完




