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マリンは目覚めた時、目の前に、見たことのない服装の人間がいて驚いた。その男は水を持ってきてくれた。悪い人間ではないようだ。私は彼のステータスを覗いてみたい。
HP 100
STR 100
MP 100
DEF 100
AGI 100
(まあ、平均的な一般人か。……?、MAXて何?)
(MAX HP 10000)
(MAX STR 10000)
(MAX MP 10000)
(MAX DEF 10000)
(MAX AGI 10000)
(口に含んだ水を吹いてしまった。何これ、神に匹敵する能力値じゃないの。この人何者。あれ、まだある)
EXT.SKILL 『神殺し』
ひいーっ、恐怖でこの人から遠ざかろうとして壁に頭をぶつけたようだ。意識が遠のいた。
再び目覚めた。そういえばここ何処だろう。建物の中のようだが、こんなところ見たことがない。ベットもふかふかで気持ちいい。起き上がり出口らしい方へ歩いていく。テーブルで食事をしている彼を見つけた。そういえば昼をとうに過ぎているが、何も食べていない。彼を見て空腹感を覚えた。
彼が食べるかと言うので軽く頷き席に着いた。
俺の言葉が通じたようだ。彼女は素直に頷き俺の反対側に座った。俺は立ち上がり、俺が食べているものと同じ物、ハムエッグトーストとサラダ、コーヒーを出した。
食べたことがないのか様子を見るようにしてから、恐る恐る手を出し、一口食べた。そのあとは気に入ったようで一気に食べた。
食べ終わり満足したところで、俺から自己紹介した。
「俺は神谷晴人、君の名前は」
「私はマリン」
彼女は恥ずかしそうに下を向きながら呟いた。声は流暢な日本語に聞こえるが、気のせいか唇と言葉がずれているように感じた。それにしてもマリンって、名前?、芸名?、その辺は後で聞くことにしよう。それよりこれからどうしたらいいか尋ねた。
「マリンさん。何処へ行けばいいかな」
「ここを真っ直ぐに行って下さい」
彼女はガラス越しに周りの風景を確認しながらそう言った。
俺は運転席に座り、マリンさんを助手席に座らせてから、発進した。彼女は初めて車に乗ったかのように驚いた。俺はそれを見て苦笑いしながら、教えられた通り真っ直ぐ走った。
走ること20分、城壁のような建造物が見えてきた。マリンはそこへ入るように指示し、中へ入ったら、城壁に沿って右へ走り車を止めさせた。
マリンはどこかへ出掛けるようだ。
さて、俺はどうしようかね。しばし考えてから、車の外でビールをいっぱいやることにした。幸い俺が止めたところは人通りが少ないので、人目を気にせず飲める。ビールを飲みながら、焼き鳥を焼いて食べる。夏はこれだよね。ほろ酔い状態で気分最高。
その時、身長が2mはゆうにありそうな大男が、目の前に現れた。