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まだ夜も開けていないのに、ラドルとその側近4名が叩き起こされ、兵士に連れられ、階段を下りて行く。ラドルは、ただならぬことには起こされたときから感じていたが、階段を一歩一歩下りるごとに不安が増していった。
階段を下りきったところは、広い空間になっていて、床はなく自然にできた地面のようだ。
奥の方を見ると、何人かいて、その中央にいるのは教皇メルドラード様のようだ。
ラドルたちはそこへ連れられて行った。ラドルは近づくと、メルドラードに「これはどう言うことでしか」と、詰め寄った。
「見たまえ。かつてこの地は、我らイハウスト教団の聖地とされた場所だ。今は湖になってしまったが、ここはこのままに残っている。素晴らしいではないか」
メルドラードは恍惚となった表情でこの地の歴史を語った。
「2000年の遥か昔、この地には亜人どもが沢山いてね、我々人類は脅威にさらされていた。その亜人どもを駆除しようと、教祖様がここで儀式を行って、破壊神を呼び出し、亜人どもを駆除したそうだ。その結果、ここに湖だ出来たそうだ。そして、この地だけが、選ばれし我らだけが住む地となった。どうだね、ラドル君、素晴らしいではないか」
異常とも思えるギラついた目をラドルに向ける。ラドルはひるみながらも、けおされ、賛同の声を漏らした。
「そ、そうですね」
「うむ、よろしい。そこでだ、君たちにも協力してもらいたいのだ。どうだろう」
メルドラードはいつになくフレンドリーな仕草で、ラドルの手を取り、尋ねる。ラドルはメルドラードの異常さに怯え、同意を述べた。
「はい、私たちに出来る事なら何なりと」
「そうか。やってくれるか」
メルドラードは嬉々として、皆に彼らをたたえ、兵士に命令した。
「殺れ」
それはいつものメルドラードの顔であり声であった。
地面に漆黒の闇の空洞が出来、そこに吸い込まれていった。その吸引力は強く、俺はもがこうにも、徐々に吸い込まれていく。俺は焦り叫ぶ。マリンが、6枚の翼を持ったマリンが手を伸ばす。俺は手を必死で伸ばすが届かない。焦るが、体はゆうことがきなないばかりか、力までもが弱まっていって、力が出せない。必死に手を伸ばすマリン。
荒い息、激しい鼓動、汗びっしょりの体、で俺は跳ね起きた。今のは何だんだろうか。あまりにもリアルすぎる夢に胸騒ぎを感じた。予知夢……、それはないか。俺はそっと起き、シャワールームへと向かった。
天界でにも一人、胸騒ぎを覚え騒いでいる人がいた。それはもちろんゼウスで、ゼウスはゼウスなりに何だかわからないが、嫌な予感がしていた。それで大騒ぎしていたのだが、周りの人は、また始まったと言って取り合わない。ゼウスといえは、天界で最高位の存在。誰でもが、尊敬してやまない人だが、最近のゼウスの言動には眉をしかめる天使たちもいて、評価がガタ落ちだ。
今日も今日とてまた始まったとため息つく天使が急増中である。




