表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キャンピングカーで異世界へGO  作者: ぽぷねこ
29/42

7-3

 ♢♢♢7-3

 晴人ははにかみながら取り乱したことを詫び、知っていることをライナスリークに話した。

「ライナスリークよ、よく聞け。俺は知っている。全てを知っている。なぜだか知らないが全て知っているから、これからその真実をすべて話そう」

 晴人は正面に座るライナスリークを見つめ話し始めた。


 サイレンの国王は、ひとり娘を人質にとられ、どうしようもなかったんだ。その首謀者は、ジャンロレーの長兄イモータルだ。

「そんな馬鹿な。その場には、父のジャンロレーだけでなく、兄弟もいたはずだ」

 ライナスリークは興奮して立ち上がりながら反論した。

「それが狙いだ。3人の抹殺。そして、自分が魔王になる。そう言う筋書きだ。そして、その卑劣な作戦がまんまと成功したわけだ」

 彼の火がついた野望はそれだけでは止まらなかった。世界を、魔族の世界を、自分の手にしたいと思うようになった。ヘルフォード王の跡を継いだジュラルに焚きつけ、人族との戦争に持ちかけたり、あなたの奥さんを、人族を使って殺害させしたのも、みんなイモータルが裏で糸を引いていたことなんだ。

 そこまで話すと、ライナスリークはテーブルに置いた両手を、握りこぶしにして、ドンとひとつテーブルを叩いた。それを見て魔王の側近の二人も、その腕に手を添え「魔王様」と、言って、沈黙する。心の中では、仇を打とうとでも言っているようだ。

 俺は続けた。

「ライナスリーク。君の娘はサイレンの王の娘とともに、魔王城に時が止まった状態でいる」

 それを聞いて、ライナスリークは視線を向ける。

「それは本当か」

「俺の中の記憶が正しければ、玉座の間に。水晶のようなものの中に閉じ込められている」

「もう死んだと思っていた。諦めていたんだ。それが本当で、また再びこの手で、我が娘を抱くことができるなら……」

 ライナスリークはテーブルに頭が付かんとばかりに下げ

「晴人殿、どうか私に手を貸してくれ。もし、我が娘を再び抱くことができたら、私の全てをあなたに捧げよう。どうか助けて欲しい」

 側近の二人も頭を下げ、ライナスリークの言葉に同意した。


 マクラ・ヘルフォードはカマレロの王宮前にいた。不思議と守衛がいなかったので、通用門を素通りして中へ入って行った。

 マクラは今になって、神殺しがどんな奴か、聞いてくるのを忘れていた事に気がついた。。心の中で、まずいどうしよう。神殺しは誰か、と直接聞いても教えてくれないだろうし、しつこく聞くと怪しまれるかもしれない。どうしたものかと思案していたら、前方に一人の女性が歩いていた。

 マクラはビビッと直感して、駆け寄り声をかけた。

「おい、そこのお前」

 ミルクちゃんは、自分に声をかけられたのかと、その方へ視線を向けると、同じ歳くらいの、ピンク色の髪をした女の子がいた。

「僕にようかな」

 同じ歳くらいなのに偉そうにしていたので、こちらも偉そうな態度をとった。

「わしはマクラだ。君の名前は」

「僕、ミルクだよ」

 むむ、こやつだな。この容姿といい、まず間違いなかろう。これなら、神殺しも、メロメロになるかもしれん。

「ミルク。チュウしたか。チュウ」

 何この人。いきなりそうくる。偉そうにしているので、

「当然よ。チュウなら、何回もしたわ」

 やはりそうか。こいつが神殺しから力を受け取ったんだな。

「そいつは誰だ」

 マクラはミルクちゃんに詰め寄った。

「誰と、言われても……」

「うむ、話せぬと言うのか」

 ひつこく詰め寄られ、焦るミルクちゃんが周りに助けを求めようとした時、ちょうど、兄のハクウンが通った。それをいい事に、指をさし、

「あの人よ。いつもチュウしてるんだから」と、ない胸を張りながら、得意げに言った。

「そうか。やつか」

 マクラはその人のところへ走って行って、声をかける。

「おい、そこの」

 ハクウンは声が後ろから聞こえなので振り向くと、そこに、小さな女の子が立っていた。何だろうと見ていると、

「おい、君。わしにチュウしろ」と、理解不能なことを言ってきた。

 あわてて、後方よりミルクちゃんが走ってくる。

「だめ、お兄ちゃんは僕のだよ。あんたにはチュウさせない」

 両手を広げ、兄のハクウンの前に回り守ろうとする。

 マクラは、こいつなんて卑怯なんだ、神殺しの力を独り占めにしようとしているな。ならばこれならばどうだと、セクシーなポーズをとった。

 それは、マクラにとっては精一杯のセクシーポーズなのだが、ハクウンには何をしているのかさっぱりわからなかった。そして、最近の子供の遊びは分からん、と首を振り去っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ