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キャンピングカーで異世界へGO  作者: ぽぷねこ
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第7章 魔王の追憶

 第7章 魔王の追憶

 晴人は目覚めた時、何で裸なのか、何でキャンピングカーで寝ているのか、さっぱり分からなかった。

 頭が痛い、体がだるい。俺は体を引きずるようにして、シャワールームへ入り、冷たい水を頭からかぶった。少しは良くなったので、体を拭きながら、記憶をたどっていた。そこで、光剣さんが矢に倒れたのを思い出し、慌てて王宮へと向かった。

 王宮で出会った人に尋ねると、自室にいると教えられた。

 ドアをノックすると、光剣さんの意外にも元気そうな返事が帰ってきた。俺が中へ入ると、光剣さんはベットで上半身起こした状態でいて、こちらを見てニコニコしている。俺も、ホッとしたせいか涙腺が緩む。それを見て光剣さんが「死んだとでも思った」と、茶化してきた。それにはちょっと頭にきたので、こちらも「君は弟子失格だ。今後、師匠と呼ぶのは許さん」と、言ったら、急に泣き出して、ごめんなさいを連呼した……。後で聞いた話だと、光剣さんは自分の不甲斐なさに、心を痛めていて、師匠に合わせる顔がないとかなり落ち込んでいたようだ。それで、ああいった言い方をしたのだと思うと、俺も大人気なかったと、深く反省した。

 俺は機嫌を直してもらいたくて、スマホで多くのケーキを取り寄せ、横でこちらの様子を見ているメイドさんと、一緒に食べるようにと渡した。

 これには光剣さんは、泣いたカラスがもう笑ったで、横にいたメイドさんもおめめがキラキラで興味津々だ。

 俺はこの機に退室して、魔王の所へ行くことにした。魔王は王宮の奥の方に軟禁されていると、メイドさんが教えてくれた。その部屋の前には兵士が2人立っているから分かるとも教えてくれた。教えてくれるのはいいのだが、ケーキを口いっぱいに頬張り、もぐもぐしながら教えるのはどうかなと苦笑いしながら、メイドさんもスイーツ女子なんだと微笑ましく思った。


 俺が近づくと、前にいた二人の兵士は、まるで国王にでも対するような丁重さで応対してくれた。気のせいだと思うが、怯えているようにも見えた。

 俺が中に入ると、テーブルを挟んで正面が魔王一人座っていて、背中を二人が見せていた。

 振り向き俺だとわかると、二人は魔王の左右の椅子に座り、俺と相対する形となった。

 俺から簡単に自己紹介する。

「俺は異世界人で名前は神谷晴人カミヤハルトだ。晴人とみんなから呼ばれているから、そう呼んでくれ」

 俺の正面にいる魔王が、

「私はライナスリーク。いちよう魔王だ」

 俺は、事情は知っている。だからいちようというのも納得している。続いて左隣の金髪の好青年が、

「私は、縁あって魔王に仕えているジャックというものです」

 軽く頭を下げる。それに倣い俺も軽く頭を下げた。

「私も魔王の人柄に惹かれ、今は一緒に行動している」

 と、白髪で小柄だが、体格のがっしりしている壮年の男性に見える男が言った。手を出され、握手を求められたので、俺も手を出し軽く握手した。

 俺は自己紹介を終えると、すぐに魔王に事情を話してくれるように言った。事情は大方知っているのだが、直接魔王の口から聞きたかったのだ。

 魔王が話し始めようとすると突然ドアが開き、マリンが入ってきて、何故かそっと俺の横の椅子に座った。少し、頬を赤らめている。慌ててきたのだろうか、それにしては呼吸が乱れてないのが不思議だ……。


 将軍キリリアが魔王マクラ様がいる王の間へ入ると、副官であるマーラと何やら話をしていた。

 キリリアが入ると、マクラ様は話を中断して、視線をキリリアへと向けた。

 キリリアは魔王に簡易的な挨拶をして、数時間前の情報を報告した。

「うむ、すると神殺しの力によって、その天使は、世界をも滅ぼす力を得たというのか。それは凄いのう」

 魔王は、それは凄い情報だと、腕を組み、感心したようだ。その様子を見て、キリリアは自分のもたらした情報で、魔王がいつになく嬉しそうにしている姿に、したり、と心の中で、ガッツポーズを決めた。

「して、どうすればその力、手に入るのじゃ」

 魔王のひと言に、自分が、肝心な情報を聞きのがたことに気づき、

「チュ……、チュウすれば、力が手に入るようなこと言ってたような……」

 キリリア苦し紛れに、適当なことを言ったのだが、

「それは本当か。簡単なことではないか。そんな事で、力を得られるのか」

「しかし魔王様、どうやってキッスをしますか?」

 副官のマーラが、魔王に質問した。

「それはな、わしの女の魅力で、ちょろいもんだろう」

 それを聞いて、

「それなら、サキュバスである私がやりましょうか」

 マーラが、魔王に助言すると、それを受けて、キリリアが、

「たわけが、お前みたいな魅力のない女に、神殺しがなびくか。なんだその胸の2つのコブは。みっともない。私と魔王様を観よ。このスラリとした惚れ惚れする体を。神殺しとはいえ、この姿を見れはイチコロだ」

「し、失礼したしました」

 マーラは、顔を赤くして、頭を深く下げた。

 残念なことに、魔王もキリリアも自分の幼児体形が、女性の魅力的な体形だと思っている。中には、それを好む男性もいるようだが、晴人はノーマルで、一部に属するような男性ではなかった。もし、この役目をサキュバスであるマーラにやってもらったらどうだったろうか。マーラなら100人の男性がいたら100人が恋に落ちても不思議ではないほどに、女性の色気があり、魅力的な女性であった。それに気がつかない、魔王とキリリアはいわば残念系の魔族であった。


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