第5章 勇者に会いに行こう
第5章 勇者に会いに行こう
(マリン聞こえるか)マリンの脳に突然サウス様の声が響いてきた。
(はい、サウス様。聞こえます)マリンも思念を飛ばす。
(勇者召喚が行われた場所が分かった。カマレロだ。そこから近いだろう。様子を見て来てくれないだろうか)
俺たちは、マリンさんの希望で、カマレロに寄り道することにした。カマレロにはキャンピングカーの入場が出来なかったので、入国門前の広場に止めて、みんなで歩いて入国した。小さな国と聞いていたが、建物が密集していて、人口密度は高そうだ。賑わいでいえば、ローエンに引けを取らないほど活気がある。お店は、さすがに金の町と言うだけあって、金細工の品物を置いている店が多く見られ、それらを見ながら街を散策して周った。十分楽しんだ後、お腹が空いたので、食事にしようということになった。
俺は異世界の食べ物は初めてなのでちょっと興味津々。地元で評判の店を町の人に聞き中へ入る。出来るだけいろんなものを食べたいので、店員さんにお任せで、色々持ってきてもらった。出された料理は、具の少ないスープや 魚の香草焼き、煮込んだシチュウみたいなも、小動物の姿焼きなどグロテスクなものまであったが、食べて見ると、今まで味わったことのない新鮮な味覚を楽しむことができ、意外と美味かった。
満足満足、腹がいっぱいになったことだし、街の散策も十分楽しんだ。今日はキャンピングカーに帰って休むことにしますか。
次の日、マリンさんがこの国に俺と同じ異世界人がいるそうなので、会いに行ってみまよう、と言い出して、みんなで行って見ることにした。で、アポ無しで王宮へ行ったものだから、当然、門前払いされた。まあ、当たり前だよね。それなのに、マリンさんは「ちっとぐらい会わせてくれてもいいのに、このケチンボ、おたんこなす」と、ブツブツ言いながら、プンプン怒っていた。
そこへ、王宮へ訪れた一人の老人が、事情を聞いてきて、事情を話すと、待ってなさいと、門番に話してくれるて入城の許可が出た。
ルルさんがその老人を、失礼なほどあからさまにジッと見て、そして「あー!」と、叫び、老人の前に出た。
老人が驚いて様子を伺っていると、ルルさんが「旅の賢者様」と、帽子を取って、頭を下げた。
老人が「はて?どなたかな」と、思い出せずに聞いてきた。
「四年前、村に訪れ、私に魔法の才能があると言ったこと、覚えていませんでしょうか」ルルさんは、当時のことを思い出して興奮している。
「ああ…、そんな事、あったような、なかったような?」(ワシはどこに行っても、子供達を喜ばせようと、適当な事、言うからな。はて、どこの子供だろう。適当に相づち打っておこうか)
「おうおう、覚えているとも。確か、バルラック帝国の近くの小さな村じゃったかな」
「やあだー、賢者様ったら。ご冗談を。ローエンの東、エルフの森の近くの名も無い小さな村ですよ」ルルさんは手を口に当て、ご冗談を、と賢者様の腕を軽く叩いた。
賢者様は、額に汗かきながら「そうじゃった。最近、年でのう、ボケたかな」と、ガハハと笑い、額の汗を手で拭いた。
(いやー、危なかった。しかし、よくまあ、あんな遠い所から来たもんだな。迂闊に、適当な事言うものではないな)賢者様は心の中で誓ったのである……。




