表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狐のおつかい  作者: 黒月水羽
3章 後ろの少女
60/194

プロローグ

 小さな足音が聞こえた。

 子供の、軽い足音だ。

 走っているのか、一定のリズムで地面を蹴る音がする。


「……っ!」


 足音に続いて、声が聞こえた。

 泣いているような、叫んでいるような。

 よく聞こえないのに、何かを訴えかけてくるような、悲痛な声。


 その音が聞こえてくるたびに、私は心臓をわしづかみされたような気持ちになる。

 忘れるな。逃げるな。そう足音と声が、私を責めているようで、自分の心臓の音が体中に響き渡る。


 私は唇をかみしめて、耳をふさぐ。

 頭を振って、意識から足音も、声も遠ざけた。


「気のせい。気のせい。聞こえない」


 そう、小声で何度も、何度もつぶやくけれど、足音も声も消えてはくれない。

 

 歩調は歩きから、だんだん速足になって、最後は必死に走っていた。

 自分の荒い息と、鳴り響く心臓の音がうるさいのに、それでも声と足音は追いかけてくる。


 私は走りながら、耳をふさいで頭を振った。


「聞こえない。聞こえない!」


 そう、何度も必死につぶやいたけれど、足音も声もいつまでも消えてはくれなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ