機械じかけの猫
日曜日の昼下がり、妻は昼食の片付け、娘は猫と戯れている。
この何気ない時間が私にとって至福の一時である。
しかし、その至福の一時が雑音によって壊された。
音のする方を見ると、これで何度目だろう。
猫型のロボットが奇妙な音と奇妙な動きをしている。
「ハァ…これで何度目だよ。母さん、どうする?」
「もう良いんじゃないかしら?新しいの買いましょうよ」
「なぁ…なんか変な臭いしないか?」
臭いのもとはロボットからだった。
奇妙な動きをしていた猫型ロボットから煙が上がり、やがて止まった。
「ちょうど良かったな。捨ててくるついでに新しいのを買ってこよう」
私は動かなくなったそれをゴミ袋に放り込んだ。
「それじゃあ今度は最新型にしましょう」
「やったー!!」
「それじゃあ、行ってくるよ」
「いってらっしやい」