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僕達は私達の世界で  作者: 山野トリ
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性同一性障害

あ、これ可愛い。

これ綺麗、欲しいな。

あんな短いスカート履くなんて凄い。

街中に来ると色々思うことがある。洋服屋は見るたびマネキンに着せている服を変え、アクセサリーショップのアクセサリーも次から次へと可愛い物に変わる。

「お買い上げありがとうございます。 彼女さんへのプレゼントですか?」

僕はええ、まぁ。と小さく返す。

「素敵ですねぇ~ こちらの商品女性人気が高いんですよ。きっと喜ばれます。 またお越しくださいませ。」

僕は小さめの紙袋を受け取りお店を出る。

いつも通り白いイヤフォンを耳に入れ、大好きな曲を聴く。つい口ずさんでしまう歌詞とメロディー。この曲を聴くと心が落ち着く。

「ただいま」

「お帰りー お昼ご飯は?」

「いらない 食べてきた」

「そう 一応あるからお腹空いたら食べなさいよ」

「わかった」

母とのちょっとした会話を終えると僕は急いで階段を上がり、自室に駆け込む。

「.....やっと買えた」

ベットに静かに座るといない彼女宛に買ったネックレスを袋から取り出す。それを右手の人差し指と中指に挟み持ち上げる。

あぁ、綺麗だ

しばらく見つめ、また袋に戻す。その袋は鍵のついた箱にしまい、誰にも見られぬよう隠す。

そう。今日買ったネックレスは決して彼女にプレゼントする物ではなく自分用だ。女装趣味があるとかそうゆうのじゃない。

僕は誰にも知られずに男を続ける女だ。性別は戸籍上も見た目も完に男。でも、この違和感に気づいた。中学生の頃自分は女だと思った。親に内緒で精神科に行った。

「あなたは性同一性障害です。」

医者にそう言われた。

家に帰ってからパソコンで調べた。一時間くらいずっと画面を見てた。パソコンの電源を落とすと全てが納得できた。

"性同一性障害"

体と心の性別が一致しない精神障害。

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