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信号は赤になった。 Part2
信号は赤になった。
横断歩道の手前で立ち止まって瞼を閉じるとさっきの出来事が脳裏に蘇ってくる。歩いている時は何も考えなくて済んだのに、止まってしまうと自分のした事に愕然としてしまう。
どうしてあんな事をしてしまったのか。どうして逃げ出してしまったのだろうか。そう考えている自分とはどこか別の場所で、当たり前の事をしたんだと思ってしまっている自分がいることに気付いた瞬間自分が怖くなる。
どうして…きっと永遠に終わりのない問答を繰り返す。
どうして自分は最愛の人を殺してしまったのだろうか。