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二話



うっすらと目を開けば エメラルドグリーン 緑青色


だんだんとイケメンなお兄さんの姿を結ぶ、



夢じゃない。


それに、ここはどこかと辺りを見渡せば


やはり 子供のように抱えられ、グラウンドのような砂地をお兄さんが蛇足でじゃりじゃりと進んでいるところだった



「そろそろ、迷子センターつくからな、泣くなよ?親御さんにきっとあえるから」



宥めるように声が降ってきて、一本道 木々の向こう側に 白い建物が見えた



「…ぁ、の」


ちがうと口に出そうとして、何がちがうのか考えてみた。


迷子センター、 あえる 、親御さん



つまり 帰れる というホショウがナイ と 伝えなければ



「おろして、ください」



親御さん、という単語が耳について なぜか 泣きそうになりながら地べたに足をつく


遠くから温泉のにおいがして、わたしの顔を覗こうとお兄さんが屈んで、青みがかった緑色の蛇足が身じろくのが見える



「どうした?」



暖かみのある優しい声は、なんだが すべてを包み込むような雰囲気があって



こらえきれなくなった涙を流しながら、私は ぽつりぽつり、細切れに自分に降りかかったことを、話した




話を聞くにつれ、お兄さんの顔がひきつって、頭大丈夫か という表情になった頃



話終えてから、


冷静になり始めた頭が こんな事信じてもらえるはずないとようやく、弾き出して



話したことを、


後悔し始めていた




「んー…、」


何を、話し出そうか

そんな雰囲気を醸し出しながら、言葉を選ぶように滑舌よくお兄さんは私に語りかける


「…それで、どうして欲しいのかな?」


子供の戯言か、頭のおかしい人間か


彼のなかでは、私は、後者に振り分けられたらしい



当たり前だ、私も


いきなり


そんなことを、


言われても信じない



例えば、バイト先で 変なコスプレした女が、異世界から 云々言って居座ったところで、最終的には 警察に ご厄介になるだけじゃないか




、目の前が 真っ暗になった。


なにも、なにも考えられない。



「け、いさつ 呼んで、いーよ」


しゃがみこみ、言葉もなく泣きながら


やっとひり出した言葉は、それしか 無かった。


.




にょろっとした人こと、


シオンは困っていた。




理由は迷子を拾ったからである。





おまけに、まもなく銭湯の始業時間もきてしまうし、

準備もしなきゃいけないし、

コミュニケーションを取り易いように人の形を、それも腰布が無いため半端にとって接していた為、窮屈で仕方なかった。





このままだと長老に給与も減らされそうで暗鬱になりかけていたりもする



だが見てくれが小さい割りに、臭いは大人の女、女性なのだから、その迷子の扱いにも困っていた。



小人族、何てものは見たことがないし、第一印象からして、


茶色の髪に黒い不格好なモコモコした上着と足を晒した服以外は


若い くらいしかない普通の少女だったのだから。




どう見積もっても、12、だが臭いは大人の女、もとい女性なのだから どう扱っていいかも不明だった。









朝、まだ青白い月が七つほど浮かぶ朝焼けの眩しい時間帯


蛇面(へびづら)のまま温水湖のほとりで目覚めたシオンは、冷えきった体を起こし、



難儀しながら朝露に濡れた体をひねり、どぼんと中に落ちることに成功した。


鼻面だけを水面に出し、強ばった体を暖め


ようやくほぐれた蛇足を優雅に身をひねり、よじり、するすると泳いでいく



そんな時だ、


「ぇ゛」


まだ銭湯の営業時間前に人の声を聞いたのは、



視線をやると、恐る恐るピンクの水をたたえる水辺に近づき、屈みこんでスンスンと臭いを嗅ぐ生き物を見つけたのだ。



爪をつけたあと、まじまじ爪を見て、 ちょびっとだけ指先を浸けたりなめたり。



しばらくは遊んでいたようだが、我に返ったのか辺りをキョロキョロと不安げに見回したあと


情けない顔をして、うずくまってしまったのだから。



宿泊客の子が親が寝ていて暇で遊びに出て迷子になったのだろうかと当たりをつけ、仕方なく声をかけるか、とその場から岸に向かう




岸から上がって、上半身だけを変態をしてから子供の方確認すると、ふらふらと湖に身を乗り出していて



危ないので押し止めようとぽんと肩を叩いたら、



「ぅ ひゃぁああ゛ァア!??」


「ッうぉ、??」


心底驚いた顔をして、少女はバッと振り替えってこちらをみたのだった。



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