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ep.41 レッスンのぞき見③ ひとつひとつ、できるようになる

年始一発目のダンスレッスン。


スタジオの空気は、自然と背筋が伸びるような緊張感に包まれていた。

 

講師を務めるのは――ダンスユニット「動物園」のSARUとKABA、二人のプロダンサー。


この日、ふたりが直接来てくれるのは、久しぶりだった。

 

「ハイ、そこ! もう一歩、音を“待って”から踏み出して!」


SARU先生の鋭い声が、空気を裂く。


「ちづるくん、表情は良いのに首が雑! そこ雑にしたら、せっかくの“目線”が活かせない!」


KABA先生がスタジオを縦横無尽に回りながら、次々と指摘を飛ばしていく。

 

千鶴は汗をぬぐいながらも、笑顔を崩さず答えた。


「お、おふたりとも……お久しぶりです!あけおめです!!」


「うんうん、おけおめ、ちづるちゃん。年末年始、サボってないでしょうねぇ?」


「もちろん!オレ、毎朝走って、夜は自主練してました!カノンくんと一緒に!」


「ほう、珍しい組み合わせね。カノンくんは?」


「……。ダンスの基礎確認を、日課にしてました」


KABA先生が満足げに頷いた。


「成長したねぇ、カノンくん! 無表情の中に“気合い”が宿ってる!」


SARU先生が、翔太の肩を軽くポンと叩く。


「翔太ちゃんは?年末年始、何やってた?」


翔太は、真剣な面持ちで答える。


「……鏡の前で、表情の練習をしてました。あと、歩く時もリズムを意識して」


「すごいじゃん翔太ちゃん! そういう積み重ねが、一番大事!」

 

真秀は簡潔に言う。


「動画を見返して、足の運びを修正しました。重心の位置、特に意識して」


SARU先生が目を細める。


「ブレなくなったね。良いよ、真秀ちゃん」

 

辰煌は、いつもの笑顔でキラキラしながら報告する。


「僕は、ダンスパフォーマンスを“見せる”ことを意識して自主練しました!

年末、めっちゃ動画研究してて!」


「そうそう、やっと気づいた? “見せる”がわかると、ステージ変わるのよ!」

 

那音は少し考えてから口を開く。


「……反応速度を上げようと思って。音に体をすぐ反応させる練習をしてました」


SARU先生が嬉しそうに拍手する。


「それ、それ! 音を“掴む”力は、那音くんの武器になる!」

 

雪雄は、皆の様子を静かに見ながら、落ち着いた口調で言った。


「自分は……姿勢と軸の確認を。ララライズ全体の動きも、意識して練習しました」


「雪雄ちゃん、安定感が格段に上がったよ。観客から見ても、安心できる存在になってる」

 

他のメンバーの報告がひと通り終わったあと、ダズが少し照れくさそうに手を上げた。


「えっと……ワタシは、身体づくりを意識してました。

たくさん食べて、ちゃんと寝て、筋トレとストレッチ。あと、基礎のステップを繰り返してました」


KABA先生がにっこり微笑む。


「いいじゃな〜い! 踊れるカラダができてなきゃ、表現なんて入らないのよ〜

動ける“土台”、ちゃんと整ってきてるわ。芯がね、前よりずっと見えるのよ、ダズくん!」


SARU先生も軽く頷いて言った。


「ダズちゃん、リズム取りも良くなってる。ダンス苦手って思わないで、続けてね。

基礎をちゃんとやってる人は、絶対伸びるから」


(……年末年始、みんな、それぞれの形でちゃんと動いてたんだ)

俺は、カメラのファインダー越しに、スタジオの“温度”を感じていた。

 

レッスンの合間。

SARU先生とKABA先生が、ぽつりとこぼす。


「……この子たち、目が変わってきたよね」


「うん。“ステージに立つ目”になってきた。

La♪Ra・RISE!、今年、面白くなるわよ」

 

俺は、その言葉を聞いて、そっと記録ボタンを押した。

 

“見せる”ということ。

それは、ただ動きを揃えることじゃない。

気持ちを、背中を、まなざしを通して――誰かに届けること。

 

それが、ララライズのステージを作っていく。

 

***

 

▼ 颯太のメモ(撮影後に書いたもの)

•千鶴:感情が動けばすぐ身体に出る。でも素直なぶん、見てる人を引き込む。

•カノン:目線やラインの意識が格段に上がった。淡々と、でも確実に進化している。

•翔太:まだ不安はあるけど、“見られる自分”を意識するようになった。

•真秀:動きが洗練されてきた。無駄がない。

•辰煌:見せる力が芽生えた? 本人の中で“かっこいい”の定義が変わりつつある。

•那音:体と音の関係性を理解しはじめてる。

•雪雄:周囲を見る意識と、支える視点がいちばん高い。

•ダズ:誰よりも“自分にできること”を考えていた。地道な基礎練と体づくりが、芯のある動きに繋がってきている。

→ きっと、2026年のステージは、今までとは違うものになる。



*キャラクター原案者*

英賀田 雪雄(あがた ゆきお)  :日花子

根古島 カノン(ねこじま かのん) :日花子

京極 真秀(きょうごく まほろ)   :茶ばんだライス

折原 千鶴(おりはら ちづる)   :夏也 すみ

狭山 那音(さやま なおと)   :ギフカデ

Daz・Garcia(ダズ・ガルシア)  :HUNGRY

赤河 辰煌(あかがわ たつき)   :ウニヲ

佐藤 翔太(さとう しょうた)   :niko

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