ep.39 新年の決意
元日の朝。
街はまだ、少しだけ静かだった。
(……ちょっとだけ、寄ってみようかな)
初詣に行く前、なんとなく足が向いて、
俺は事務所の前に立っていた。
鍵は開いていた。
中に入ると、暖房の残り香みたいな空気がある。
「……あれ?」
奥から声がした。
「颯太くん?
今日、来てたの?」
椿社長だった。
コートを着たまま、
書類棚の前に立っている。
「はい。初詣の前に、ちょっとだけ……」
「私も同じ」
そう言って、苦笑する。
「年末の会見のあと、
頭の中がそのままになっちゃって。一回、区切りつけたくてさ」
(……社長も、俺と同じだ)
仕事というより、気持ちの整理。
そのとき――
入口のドアが開いた。
「お、やっぱり誰かいると思った」
京極真秀だった。
マフラーを外しながら、後ろを振り返る。
「初詣行く前にさ。
なんとなく、寄ってみた」
その後ろから、
ララライズのメンバーが次々入ってくる。
「正月って、逆に落ち着かないよな」
千鶴が言う。
「分かる」
那音が頷く。
「なんかそわそわするよな。何か決意とか立てなくちゃって!」
「あけましておめでとうございます」
カノンが短く言った。
ダズは笑いながら、
紙カップを手に取る。
「みんな、今年もよろしくね」
辰煌は、窓の外を見て言った。
「今年の抱負どうしようかな…沢山あるな」
雪雄さんは、少し考えてから。
「僕は、ララライズの活動は勿論ですが、
皆さんの良さを、ちゃんと支えられる人でいたいです」
翔太も、静かに言葉を置く。
「……ぼくは、
自分の声を、もっと信じたいです」
それぞれの抱負が、
重ならず、ぶつからず、
そのまま場に置かれていく。
気づけば、岡さんと猫沢さん、
猫太さんも顔を出していた。
「初詣前に寄ったら、、、思ったより揃ってたね」
「ほんとだニャ」
椿社長は、その光景を見渡して、小さく笑った。
「……なんか、いい年になりそう」
それから、少しだけ間を置いて。
「ね。せっかくだし――
みんなで初詣、行かない?」
誰かが「行こう」と言った。
それだけで、話は決まった。
事務所の電気を落とし、扉を閉める。
新しい年の空気の中へ、自然に足を踏み出す。
(……この人たちと、この一年を進むんだ)
今年も、きっと色々ある。
それでも――
一緒なら、ちゃんと進める。
――――――――――
■絵馬に書かれた新年の決意
境内の一角に、ずらりと並んだ絵馬が揺れていた。
俺は、一枚ずつ、ゆっくり目を通していく。
雪雄さんの言葉は、やっぱり前だけじゃなくて「隣」も見ている。
カノンは短くて、でも迷いがない。
真秀はやっぱり向上心に裏打ちされたプロ意識。
千鶴は、見ただけで元気が出る。
那音くんのお願いに、思わず小さく笑ってしまって、
ダズの英語には、なんだか安心してしまう。
辰煌は相変わらず全力で、
……俺は、翔太の絵馬を見て、静かに息を整えた。
「自分と自分の歌を信じ続ける、か」
簡単な事じゃないけど、
翔太はそれをやると決めたんだな。
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La♪Ra・RISE!メンバーの絵馬
英賀田雪雄「誰かのヒーローでいる前に、まず隣の背中をそっと支えられる存在でありますように」
根古島カノン「音で、ちゃんと証明する」
京極真秀「立ち止まらない。でも、背伸びもしすぎない」
折原千鶴 「とにかく全力!楽しい一年にするっ!」
狭山那音「俺の不運が減りますように」
Daz・Garcia「Good rhythm, good year!みんな健康!」
赤河辰煌「全部、本気で」
佐藤翔太「自分を、自分の歌を、信じ続ける」
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少し後ろに下がると、
キャラランドのスタッフたちの絵馬が目に入る。
キャラランドスタッフの絵馬
稗田椿「La♪Ra・RISE!を押し上げる。そのために、事務所も成長する」
岡 歩「段取り八分。今年も、静かに支える」
猫沢ゆう「ガレットちんが今日も元気でみんなが笑ってくれますように」
転生猫太P「全員ケガなし!トラブル最小!おやつは多めニャ!!」
そして、俺も祈る。
「La♪Ra・RISE!を日本一のアイドルユニットにする!」
――――――――――
それぞれの一歩を大切に2026年も前へ進んでいきます。
本年も、キャラランドならびに
La♪Ra・RISE!をよろしくお願いいたします。
キャラランド事務所
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*La♪Ra・RISE!キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




