ep.21 もう1つのグループを目指して
会議室に入った瞬間、空気が少し違っていた。
猫太さんが珍しく真剣な顔で、資料をテーブルに並べている。
横には岡マネージャー。
俺はその隣に座った。
「……やっと見つけたニャ。ギルメンのみんなが、もう一度目指せる“目標”を。」
猫太さん(猫太P)の声には、いつもより少し熱があった。
俺と岡さんは思わず顔を見合わせる。
「目標……ですか?」
そう尋ねると、猫太さんは大きくうなずいた。
「うん。“もうひとつのグループ”を作るニャ。
La♪Ra・RISE!(ララライズ)とは別に、ギルドメンバーだけのアイドルユニットを結成したいんだニャ。」
「……ちょっと待ってください。」岡さんが眉を上げた。
「椿社長の了承は?」
「まだニャ。だから、今日の話はここだけニャ。
でも、ギルメンの中には、まだ夢を諦めてない子がたくさんいるニャ。
その気持ちを“形”にしてあげたいんだニャ。」
――“もうひとつのグループ”。
La♪Ra・RISE!だって、まだデビューもLoHi参戦も決まっていないのに・・・。
……でも、猫太さんらしいな。
「もし実現するなら、どうやってまとめるつもりです?」
岡さんが腕を組む。
「全国バラバラのメンバーを一度に集めるのは難しいニャ。
でも、オンラインでのレッスンや地方ごとの集まりなら、少しずつでも動けるニャ。
まずは椿さんに相談して、ギルメンもキャラランドで歌やダンスのレッスンを受けられるようにしたいと思ってるニャ。」
「……本気なんですね。」
そう言うと、猫太さんは目を細めて笑った。
「もちろんニャ。La♪Ra・RISE!のデビューもLoHi出場も最優先ニャ。
でも、“ギルド567”の原石たちを、原石のままにしたくないんだニャ。
」
岡さんは小さく息をついて笑った。
「……椿社長に話す前に、準備だけは整えておきましょう。スケジュールも、候補生の方針も。」
「助かるニャ。」
その言葉を聞きながら、俺は心の中でつぶやいた。
――夢って、ほんと伝染するんだな。
なんだか、また新しい物語が始まりそうな気がする。
でも、まずは自分たちのステージをしっかり立ち上げなきゃ。
夕方の光が、会議室のガラスをオレンジ色に染めていた。
猫太さんの尻尾が、窓辺の光をゆらりと切り取る。
その光景を見て、俺はそっとペンを握った。
――この話、椿社長はなんて言うかな・・・。
*キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




