ep.16 動物園~SARU&KABA~
「“動物園”?なにそれ、サファリパーク?」
そんな失礼極まりないセリフを、心の中で叫んだのは俺――伊藤颯太(17)
高校二年生、夢はプロデューサー、現在サブマネージャー(見習い)である。
キャラランドのレッスンスタジオに、突如として現れた2人の人物。
名前はSARUとKABA。
聞けば、ダンスユニット「動物園」のメンバーだとか。
「颯太、まさか『動物園』知らないの?」と岡さんが驚いてきた。
「あのー……どうぶつの、えん……じゃないんですか?」
「それ、字面どおりすぎるから!」
20年前、日本を席巻したダンスブームの火付け役。
小学生だった岡さんも、通学路で踊っていたらしい。
いや、それはもう、時代が違うって話ですよ……と思ったけど、今スタジオにいるこの2人のオーラ、マジでただ者じゃない。
「猫太Pの人脈ってどうなってんの……?」
正直、尊敬と謎しかない。
「はじめまして、SARUです」
「KABAです」
2人は穏やかに挨拶をしながら、スタジオの空間を見まわしていた。
SURUさんは早速、僕たちに問いかけた。
「この中で、ダンス経験者は?」
すると、那音、雪雄、真秀、辰煌が手を上げる。
SARUは手をぱっと広げ、「経験者が4人、未経験者が4人……」と軽く数えた。
そして、厳しい表情を一瞬だけ見せてから、にこりと笑った。
「ほとんどゼロからのスタートね。
みんなを半年間で、ステージに立てるようにする。これから半年間、覚悟して!」
その言葉は、まるで宣告だった。
ララライズのメンバーはそれぞれの顔を見合わせた。
目が泳ぐ者、頬が赤くなる者、手をぎゅっと握る者。
僕も、心臓がバクバクした。
(え、半年で踊れるようになるって……本気で言ってる?)
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SARUさんとKABAさんのレッスン指導は、とにかく“変わっていた”。
変わり過ぎていて笑いを堪えるのに必死だったけど、
何より、メンバーたちの必死な顔が印象的だった。
俺も笑いはすぐに消え、俺の心も熱くなった。
“この子たちが、半年後に踊れるようにする”
SARUさんが最後に言った言葉が、妙に心に残った。
その奇跡を、俺は見届けたい。
「ダンスはね、自分と向き合う時間だよ。
身体の中にある“リズム”を掘り起こす作業。
みんな、半年後には鏡に映る自分が好きになってるはずだから」
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俺はその場で、深くうなずいた。
そして、メモ帳にこう書き加えた。
『SARUさんもKABAさんもメンバーにダンスの本質を叩き込んでくれている。
厳しいけど、メンバーへの愛情が滲み出る。
俺も全力でできることをサポートしていきたい。』
*キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




