ep.14 キャラランドギルド567の目的地
10月1日、
La♪Ra・RISE!(ララライズ)の初レッスンをその日の夜に控えた秋の朝。
静かな会議室に、椿社長と雨野チーフマネージャー、猫太P、そして俺――伊藤颯太が集まった。
このミーティングは猫太Pの呼びかけで開かれた。
「時間をつくってくれてありがたいニャ」
猫太Pは、いつもの柔らかな口調でそう切り出す。
「今日この後、La♪Ra・RISE!メンバーは初レッスンがあるニャ。
彼らはLoHiへの出場&優勝を目指して、必ずLoHi参入バトルでも勝ち進んでくれると思うし、今日から始まるレッスンも全力で取り組んでくれると思うニャ。
彼らには、LoHiに出場して優勝するという大きくて明確な目標があるニャ。」
猫太Pの言葉に、僕も思わずうなずく。
La♪Ra・RISE!のメンバーたちは、目標に向かって一直線に進もうとしている。
その姿は、見ている僕たちスタッフにも勇気を与えてくれる。
だが、猫太Pは続ける。
「でも、もう1つ、私猫太が担当するキャラランドギルド567には、明確な目標がないニャ。彼らにも明確な目標をもってほしいと思っているニャ」
キャラランドギルド567――。
もともとは、オーディション応募者たちが、アイドルを目指し続けるための交流の場として生まれたギルド。
オーディション中も、終了後も、ギルド567があって応募者同士の交流は生まれた。でも、それだけで本当にいいのだろうか?
猫太Pの問いかけに、僕の頭の中もグルグルと考えが巡る。
「確かに、ギルド567の活動でも共有の目標を持った方が、もっと面白いことができるのかもしれない……」
椿社長が静かに口を開く。
「猫太Pのご意見も一理ありますね。少し考えさせてくださ……」
だが、猫太Pはすかさず言葉を重ねる。
「ぜひお願いするニャ、キャラランドギルド567メンバーに、目指したいと思える、分かりやすい目標を……」
そして、猫太Pは俺の方を向いて、にっこりと笑った。
「あ、あともう一つ。La♪Ra・RISE!でサブのマネージャーとして修行を積んでいる颯太にもミーティングに同席してもらったのは、キャラランドギルド567のプロデューサーでもある私猫太のアシスタントとしても動いてほしいニャ!!」
「いいよニャ??颯太!!!」
「えっ、俺がギルド567のプロデューサーのアシスタント!?」
突然のことで一瞬、頭が真っ白になる。でも、プロデューサー業の経験を積むには、これ以上ないチャンスかもしれない。
俺は戸惑いながらも、猫太Pの強引な提案に頷いていた。
新しい役割への不安を胸に、俺はアシスタント『プロデューサー』としてギルド567の未来を思い描き始めていた――。
*キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




