ep.13 メンバーの現在地
10月1日、夕方。
キャラランドのレッスンスタジオに、La♪Ra・RISE!(ララライズ)の8人がそろった。
窓の外はもう薄暗く、ライトに照らされたフロアは緊張と期待の入り混じる空気で満ちている。
猫太Pが両手を打ち鳴らす。
「よーし!今日は初レッスンの日ニャン。まずはみんなの“現在地”を確認したいと思うニャン!」
その言葉に、自然と背筋が伸びた。
デビューに向けての最初の一歩。彼らの実力を、ここで確かめることになる。
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雪雄
「ブランクはありますが、劇団に所属していましたので、歌も踊りも演技も経験済みです。特に殺陣やアクションは得意分野です」
――さすが雪雄さん、落ち着いてるな。言葉に妙な説得力がある。
なんていうか、舞台で背中を預けられるヒーローってこういう人のことを言うんだろう。
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カノン
「楽器はだいたい触れます。ピアノとギターは日常的に。
作曲や作詞もやっている。
ただ……歌は得意とは思わないけど、普通に歌えると思う・・・。
ダンスはやったことがない。」
さらっと言うけど……いや、それ普通にすごくない!?
しかもあの冷静さ。孤高の音楽家って言葉がぴったりで、俺まで背筋が伸びる。
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真秀
「歌もラップも、ダンスも基本的なことは経験済み。
ラップと作詞が得意だ。
ダンスは、もっと上手くなれると思ってる。」
サラッと「もっと上手くなれる」って言い切れるの、普通にカッコいい。
俺だったら緊張して、そんな余裕ある言葉出ないよ……。
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千鶴
「歌もダンスも初めてです! でも大好きなんです! こうしてレッスンできるなんて、本当に幸せで……ありがとうございます!」
あぁ、千鶴くんの真っ直ぐさは反則だ。
経験ゼロでも、そのキラキラで周りを巻き込んでいく。こういう人がいるだけで場が明るくなるんだよな。
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那音
「ダンスをやっています。。ダンスは……自分の強みです。
歌は……オーディションで人前で歌ったのが初めてでした」
一見クールそうに見えるけど、その奥にあるダンスへの自信と情熱。
“俺は本気だ”って空気が全身からにじみ出てて、圧倒される。
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Daz
「ワタシはベースが得意。ピアノとチェロもいける。歌もダンスもやれると思う。
La♪Ra・RISE!でも、ロックをやりたいね」
おいおい万能かよ。しかもこの余裕の笑み。その余裕は絶対的な自信から生まれているだろうなぁ
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辰煌
「これまで歌もダンスも演技も、自己流でやってきた。オーディエンスに想いを伝える術は、わかってるつもり」
その信念をもったまっすぐな瞳……刺さるな。
「俺はステージに立つために生まれてきた」って言葉が似合いすぎて、思わず息をのんだ。
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翔太
「ダンスは経験ないです。でも……歌うことは大好きです。足りないところは、これからレッスンでがんばります!」
翔太らしい、真面目な言葉。
でも、その不器用なくらいの真剣さに、俺は何度だって勇気をもらうんだ。
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猫太Pはみんなを見回して、ふにゃりと笑った。
「それぞれに強みがあって、未経験の部分もあるニャン。そこを伸ばし合い、補い合う。それがチームってもんだニャン!」
胸の奥が熱くなる。
チームの形はまだ定まっていない。だけど――みんなの言葉を聞いて、俺には確信が芽生えた。
それぞれが語った“現在地”は、やがて一つの未来へと重なっていくんだって。
*La♪Ra・RISE!キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




