ep.10 La♪Ra・RISE!(ララライズ)スタートライン
9月19日――
キャラランド所属の新ユニット「La♪Ra・RISE!(ララライズ)」が、ついに全員で初めて顔を合わせた日。
会議室の扉を開けた瞬間、独特の空気が胸に押し寄せた。
緊張と期待、そして少しの戸惑い。
メンバーの8人が、真新しい会議机を囲むように座っている。
――この日こそが「La♪Ra・RISE!(ララライズ)」の誕生日。
そして、俺がマネージャーとして正式に立つ舞台の幕開けでもある。
「改めて、今日ここに集まってくれてありがとう!!」
椿社長の声は、柔らかいのに芯があった。
まだ25歳の若き社長な、彼女の言葉には新しいことに挑戦しようとするエネルギー漲っている。
「この日を迎えるまでに、多くの人の力がありました。
だけどここからは、みなさんが中心です。『La♪Ra・RISE!』は必ず羽ばたけると、私は信じています」
社長が一人ひとりの顔を見つめる。その目に映る期待が重い。
けれど、同時に背中を押されるような温かさもあった。
続いて、スタッフが次々に紹介される。
「チーフマネージャーの雨野です。業界経験は長い方だと思います。厳しいことも言うかもしれませんが、それは成長を願ってのことです。」
いかにも仕事ができるビジネスマンって感じ。。
「マネージャーの猿田です。長くこの仕事をしてきたので、困ったことがあれば、遠慮なく頼ってください。」
言葉は少ないが、場数を踏んだ落ち着きが漂っていて、聞いているだけで安心した。
「La♪Ra・RISE!のメインマネージャー、岡です。近い距離で支えていきますので、気軽に声をかけてくださいね」
柔らかく微笑む姿は、兄のような頼もしさがあった。
「La♪Ra・RISE!のプロデューサーでありであり、キャラランドギルド567にも関わっている、猫太Pだニャ!」
猫の被り物をしているわけでもない。
元マスコットキャラクターのプロデューサーだ、ー声が明るく場を和ませた。
「宣伝担当の猫沢です。 みんなの魅力をたくさんの人に届けていきます!」
猫沢さんは人懐っこい笑顔で手を振り、会議室に柔らかな空気が流れた。
――こうして並ぶと、多くの大人たちが『La♪Ra・RISE!』を支えようとしている。その輪の中に自分も加わるのだと思うと、胸が熱くなった。
心臓がまた一段と早く打ち始める。
「最後に紹介します。『La♪Ra・RISE!』のマネージャー、伊藤颯太です!」
椿社長に名前を呼ばれ、立ち上がる。
視線が一斉に集まる瞬間、喉が渇いた。
練習してきた言葉が、ちゃんと出てくるだろうか。
「翔太、いや翔太くん、千鶴くん、ダズくん、辰煌さんと同じ17歳です」
――声、震えてないか? 大丈夫か、俺。
「僕の夢は、みなさんと同じ。LoHiに出場してリーグに優勝して、頂点に立つことです!それだけじゃなくて……『La♪Ra・RISE!』を、世界で最もファンに愛されるユニットにします!」
言い切った瞬間、胸の奥の熱が爆発しそうだった。
沈黙。
数秒の静けさが永遠に思えた――だが。
「俺たちより夢でかくない?」
千鶴が照れ笑い混じりにツッコミを入れた。場が一気に和む。
「颯太くん、よろしく。僕たちと一緒に夢を実現させましょう!」
雪雄が穏やかに言葉を添える。差し伸べられた手の温もりが伝わるようだった。
「かしこまってるね。いつも通り『翔太』でいいよ」
翔太が笑いかける。緊張が少しずつ溶けていく。
「ワタシタチは、同じチーム!」
ダズの力強い言葉に、背中を押されるような感覚を覚えた。
「夢の実現に、仲間は一人でも多い方がいい」
カノンの淡々とした言葉が、逆に重みを持って響く。
「同じ世代のマネージャーは心強い。よろしく」
那音が真剣な眼差しを向ける。思わず背筋が伸びた。
「サポート、よろしくな!」
辰煌が気さくに笑い、軽く拳を突き出す。
「一緒に夢を実現させようぜ!」
真秀の瞳は真っ直ぐで、未来を照らすようだった。
――あぁ、受け入れてもらえた。
胸がいっぱいになり、自然と笑みがこぼれた。
この瞬間、「La♪Ra・RISE!(ララライズ)」は本当に動き出したんだ。
俺も、いつか“9人目のメンバー”と呼ばれるような存在になりたい。
仲間と同じ夢を見て、同じ景色を掴むために。
*La♪Ra・RISE!キャラクター原案者*
英賀田 雪雄 :日花子
根古島 カノン :日花子
京極 真秀 :茶ばんだライス
折原 千鶴 :夏也 すみ
狭山 那音 :ギフカデ
Daz・Garcia :HUNGRY
赤河 辰煌 :ウニヲ
佐藤 翔太 :niko




