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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

Necrophia Love

作者: 虧沙吏歓楼

彼女が消え、俺は哭く。


──────────────────────


「まだだよ?まーだ全然先の先!」

「うん、、でももうムリぃ…」

「ほら、力出して!いくよ!」

「うん…、」


──

私、シアラックス。彼はカラクセス。

22歳。士官学校で出会った。今は軍から与えられた任務を遂行中。

──


カラ・「シアラックス?この道、もうどうしようも無いんじゃないか?」

シア・「行けるよ?これ使えばいいんだから…ネ?」

カラ・「お前…嘘だろ…?ホバーボード持ってきたんか!?」

シア・「ソだよォ?」

カラ・「…でもコレ…やべぇんじゃねえの?」

シア・「大丈夫、コーンな所にまで警戒機回さないって!なんなら、そんな余裕があるんだったら、アンタらが大黒ふ頭に行けよ!ってぇ話」

カラ・「もうホント、シアラックスって最高だな」

シア・「カラももっと大胆な男になんなきゃね?」

カラ・「俺は今のまんまでイイんだー」

シア・「ふーん、じゃああの話ナシで」

カラ・「いや!おいちょっと待って!判ったよ!判ったから!もっと俺、お前に釣り合う男になるからさ!」

シア・「アッハハハハハ!うーそ!別にカラクセスならそんなんでもいいよ?てか、嫌だったら、一緒に大黒ふ頭の任務行こう!なんて言ってないし…」

カラ・「そか…うん!だったら、良かったわ…返事は…いや、、ンでさぁ、、あの、、、これ、どうやって起動させんの??」

シア・「はぁ、もううう、やったでしょ?訓練で何度も何度も何度もナンドモ!!!他でも使ったでしょ??」

カラ・「ゴメンって。フリーク長官うるせぇんだよ…だから何にも聞いてなくってさ…自分から起動させた事はねぇ。先輩のやつ見たまんま行動」

シア・「このスイッチを押して、左右にウイングを展開するの。んでぇ、両翼に展開された2つのボタンを一斉に押す…そしたら…」

カラ・「うわー!!スゲェな」

シア・「何回も見たでしょ…この飛行形態」

カラ・「じゃあこれで一気に行こうぜ!」

シア・「うん!」

──

2人はホバーボードに乗る。ホバリング機能も搭載されており、急加速も可能。任務遂行地点へ、ハイスピードで向かう。

──

カラ・「おい…この興産道路マジで長すぎねぇか?こんなん歩きなんて死んでたわ…」

シア・「ぶんどって来て正解だったね」

カラ・「もう最高!風がキモチィィィーー!!!」

シア・「気をつけて!軸がブレると振り下ろされるよ!体幹体幹!カラの得意分野でしょ!」

カラ・「そよぉ、ウチの得意分野やでぇエ」

シア・「その関空のヤツやめて」

カラ・「あれ?なんかレイゼルから聞いた気がする」

シア・「うん…羽田からの輸送機インターセプトの任務の時、大阪拠点のヤツらがウザかったンだよね…なんか、、キモくてさ、不衛生なんだよ、不摂生でもあったし」

カラ・「へぇ、行き届いてるはずだけどな生活物資」

シア・「てか、そんか話どうでもいいから!見てよ!みなとみらい!こんな綺麗!大黒橋だよ!」

カラ・「凄い…何この景色…あのでっかいタワーの上に、雲が乗っかってるみたいだよ…」

シア・「富士山は…見えないね…ざんねん…」

──

障害するものが何も無い、空と橋の柱だけの世界。横を見渡すと東京湾に繋がる海。その先にはみなとみらいが見えた。美しかった。

──

シア・「さぁ!大黒ふ頭着いたよ」

カラ・「ジャンクションいつ見ても凄いな…なんでここだけ、戦果を免れたんだか」

シア・「それを今から調べるの。ほんと…なんでこれだけ現存してるの…」

カラ・「“それを今から調べるの。”」

シア・「うっさい」

カラ・「えへぇ、じゃあ始めようぜ、見た感じ、居なさそうだけど」

シア・「シグナル探知機装備」

カラ・「装備」

──

大黒ジャンクションへ垂直上昇。シグナル探知機を当て続ける。

──

シア・「特に反応無いな…」

カラ・「どうやら、ここに《ブルータル》は居なかったみたいだな」

シア・「でもどうして?なんでここだけ、ポツンと人工物が残ってるのよ。ブルータルの住処になった他に何が考えられるのよ」

カラ・「探知機がこうサインしてるしな…ん?」

シア・「どうしたの?、、ちょっと待って…」

カラ・「まずい…!!」

──

ブルータルが後方から奇襲を仕掛けてきた。

この時、2人はホバーボードから降りていて、ジャンクションの道路上にいた。20m以上の高さにあるこのジャンクションに突如として現れた。

私たちは何の抵抗もできなかった。

そして、ブルータルの奇襲によって、カラクセスは食われた。

私の前に残されたのは、噛みちぎられた左腕のみ。

私の視界は血で塗れた。

アスファルトの匂いから、切り替わるように血腥くなる。私は呆然と立ち尽くし、哭いた。

カラクセスを貪るブルータル。

ナタ型近接武器マチェットを感情のままに振るう。

振るう。

振るう。

紅く染め上げられた兵装具。

振り払う際に飛び散る血。

ブルータルを殺した。

原型を留めていたカラクセス。

「お願い!お願い!生きて!生きてよ…!!カラクセス!!!」

願いは届かない。分かりきっていた。原型を留めているのは、胴体から上のみ。腹部は切り裂かれ、内蔵が露出。酷い有様だった。

──

「私がいけないんだ…私が、一緒にいこうって言ったばっかりに…任務に連れていかなければ…許さない…許さない…許さない…」

──

私の復讐心をと共に、みなとみらい扇町方面から大量のブルータルが大翼を広げて現れた。

私の慟哭を掻き消すかのように。






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