表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ライブハウス

掲載日:2024/07/07

 若手バンド「vide」は売れないロックバンド。しかし彼らの楽曲は響く人達には響き、少しずつその人気を確立しているのだった。


 今日も東京のライブハウスでの演奏が終わった後、バンドメンバーの一人、リードボーカルのアキラは、ファンとの交流を深めるために、ライブハウスの外で待っていたファン数人と話すことにした。ファンの一人、れいという少女が、興奮した様子でアキラに話しかけた。


 「アキラさん、本当に感動しました!今日は本当に最高の夜です!」


 アキラは微笑みながら答えた。「ありがとう、れい。みんなの応援があるからこそ、おれたちも全力で演奏できるよ!」


 その後も数人のファンと写真を撮ったり、サインを書いたりしたが、アキラは次第に違和感を覚え始めた。何かがおかしい。ファンたちの視線がどこか無機質で、生気が感じられなかったのだ。しかし、その理由を深く考える暇もなく、スタッフがアキラに次の会場へ向かう時間だと告げた。


 翌日、バンドは地方都市の小さなライブハウスで演奏することになった。アキラは前夜の出来事を振り払うように、全力で歌い続けた。しかし、ふと客席を見ると、そこには見覚えのある顔があった。前日の東京公演で会ったれいがそこに立っていたのだ。


「え、どうして……?」


 アキラは驚きながらも、演奏を続けた。しかし、その夜もれいだけでなく、東京公演で会った他のファンたちの姿で埋め尽くされていた。不思議なことに、彼らは皆、同じ場所に同じ表情で立っている。


 ライブが終わり、アキラは控室でメンバーたちにそのことを話した。だが、他のメンバーは彼の言葉にただ黙っているだけだった。


 次の公演はさらに遠い地方都市で行われた。しかし、そこでも同じファンたちの顔で埋め尽くされていた。アキラは次第に恐怖を感じ始めた。彼らはどうやってこんなに短期間で各地のライブに現れるのか?


 その夜、アキラはもう一度れいに話しかけてみることにした。れいは微笑みながら、まるで何も変わらない様子で答えた。


「私たちは、アキラさんの歌を聴くためならどこへでも行きますよ!ファンの間では全通してる人たちも多いんですよ!」


 ライブツアーは無事に終了し、ギターのヒロトが売れ残ったチケット代を払っていた。アキラは改めてファンの存在に感動した。次も良いライブにしてみせる。おれにはみんながついてるんだ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 沢田○ニさんがその事でファンに物申したと云う ホントかウソかわからない逸話を思い出しました しかしアキラ君純粋過ぎるっ笑 ..チケット代を払い戻す、いつものファンが埋まっている 2度…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ