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▶️【偽典】関西人とツッコむ! VRMMO ~この辺、“鬼”がよぉ育つ~  作者: あいお明
 [第3章]ゴブリン・ライフは どこへ 行く...?
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046. むしろ苦手なほうなんやけど……

 感想、ブクマ等ありがとうございます!


 リアクションもつけてくれてええんやで……|ω・)



 ◆


 ジンジュです。

 南の森が気になって、東の街(イース)のすぐ南まで出てきました。



「バウ! バウバウ !! 」

「あ! あれは一昨日(おととい)の……」


……ん !? 後ろから聞き覚えのある声が。


 振り返ったら、茶狼(ブラウンウルフ)4頭を連れた女性2人が、こっちに走ってきよるんが見える。


「悪徳ゴブリンめ! 今度は逃がさないわよ !! 」

「……はい !? 」


 うわァ、一昨日の人らや……



 知らん人にぶつかられて、列に横入りされて。次……これ ???



 あ゛〜゛、 も゛〜゛ッ゛!!!  何 な ん 今 日 !!?



 ◇


……とかって俺の気持ちは無視して、女性2人は(しゃべ)りだす。



「『(そも)、魔物は愛玩動物(ペット)を飼ってはならない』、聖なる書物(しょもつ)にもそう書かれています。まして貴方は(えさ)も与えず、野放(のばな)しにする外道(げどう)!」


 だぁ~気色悪(キショ)い気色悪い気色悪い! きっっしょ(だま)れや !!

 教科書の音読か !? 書き言葉でダラダラ喋んな下手(へた)(くそ)ぉッ !!!



 ()()するわ……オ゛エ゛〜゛ッ゛!



 しかも狼らの目の前で怒鳴(どな)り散らしよって! そいつらの耳(つぶ)す気ぃか?

てか、それ差っ引いてもビビりすぎやろ、そいつら !! 何したらそないなんねん !?



 ()っぽど(・・・)(ひっど)いこと、したみたいやのぉ ??

 ほな俺とお前ら、どっちが外道どい !!?



不届(ふとど)き者には(ばつ)を。僭越(せんえつ)ながら神に代わって、私どもが(さば)k……ちょっと !? うちの子に何を」

「バウウウ……」


 石片付けて、大盾は背負い直して。

 (うな)り声上げながら、俺らを()めつける狼の1頭に(あゆ)み寄る。ゆっくりと、でも自然体で。



 その子の前まで歩いて、しゃがみ込んで。

 左手を下から出して、首周りを()でる。


「よしよし……怖かったか〜?」

「バウ……」



 めっちゃ戸惑(とまど)うとるな。

 まぁそらそうか。不審者(あやしいひと)に急に撫でられたら怖いよな〜。


 分かる。分かるで〜。



 お、でもちょっと表情(かお)(ゆる)んできた? んで寝っ転がって、腹見せてきt……



 いや早ない !?



(うそ)……なんで……?」

「バウバウ」



 驚く飼い主をガン無視して、「お(なか)も撫でて!」と言わんばかりの狼。



 えぇ……面倒(めんど)くさ。何で俺が?



 俺、(イヌ)(きら)いやのに…………



 ◆


 昔、いうても10年ぐらい前やけど。

 現実(リアル)(ウチ)のご近所に、番犬(ばんけん)気取りの猛犬(もうけん)がおってさ。


 1回だけ、散歩中の(ヤツ)出会(でお)てん。友達ん()からの帰りに。


「アゥッ!」



 ほなあのクソ犬、飼い主振り切って飛びかかってきよった。

 即逃げたけど、数秒で追っつかれて。左脚(ひだりあし)()まれてん。


()゛ぁ゛〜゛ッ゛!!? 離せやァ!」

「アゥアゥ! ヴ〜ッ……」



 思わず犬の首どついてもたけどさ、まぁ許されるよな? こっちは病院沙汰(ざた)やったし。

 しかも行った病院で、お医者さんに言われてん。


大動(だいどう)(みゃく)切れてのうてよかったです。あと数mm(ミリ)ズレてたら、救急車でも間に合うたか……」



 はい。


「めっちゃ血ぃ出て痛かった!」


どころの話やない。あの年齢(トシ)で墓入っとった可能性あるとか、嫌すぎる !!



……やから俺、犬嫌〜い。



 あと俺、(ネコ)も嫌〜い。

 (おんな)(ころ)、近所に(ずる)(がしこ)野良(のら)猫もおってな。


 ()な夜な(?)家の庭に来ては、ウ●コして()めよったんよな〜……。



 これがホンマの、(くそ)()れェ !!(物理)



……はぁ。犬派とか猫派とか、平和で(うらや)ましいわぁ〜。



 ◇


 飼い主とか敵味方とか、全部ガン無視して。「お(なか)も撫でて!」と言わんばかりの、目の前の狼。

 面倒くさ〜。でも無視して噛まれても嫌やし……てわけで。


 撫でたるか〜。



「クゥ、クゥ〜ン……」


 撫でよったら、また甘ったれた声出しよったぞ〜 ??

 オ゛エ゛〜゛ッ゛……



「バウ?」

「バウバウ」


 なんか他の3頭も寄って来たし。



「きゅいきゅい? きゅい〜」


 あ、はっさくが1頭撫でよる。狼の顔が(ゆる)んでって、寝っ転がって、腹見せよr……


「クゥ〜ン……」



 やから早いて〜 !!



「何この人……真顔で撫で続けてるの怖……。そういう絡繰人形(ロボット)ですの?」

「なぜ? なぜです、私たちは触らせてももらえないのに……媚薬(びやく)でも使ってるのかしら」


 お〜お〜(ひど)い言い(ぐさ)やの〜、お2人さ〜ん。

 飼い主やろ、しっかせぇや!



……あれ? ちょお待て!


 とがのは今、何を?



「ふす〜……」


 ひぃ~や !!?

 ひ、左隣(ひだりどなり)におる !! いつの間に !??


 撫でられ待ちなんか、耳下げて。両の後ろ足で立ったまんま、こっちをじ〜っ……と見とる。


 じ〜っ……と、な。



「あの、お取り込み中すみません! この子たちとの(せっ)し方、教えていただけませんか !? 」

「ほぇ?」


 ちょ、飼い主=サンまで話しかけてった !?



 俺は一体、どないしたらええんや〜 !!?



 ◆


 狼との接し方を教えろ……やて?

 それアレ ?? 犬も猫も嫌いな俺が、必死で覚えた「ご機嫌(きげん)の取り方」を、無料(タダ)で教えろ……ってか ???



 いや、別にええけど。んな(いのち)()けで覚えたことないし。



 てか、逆に困るねん。教えたく(とう)ても教えられんからさ〜。

 何でや? 何でこんな上手(うま)いこといくんや ??


 狼撫でるん、初めてやのに !!! 何でや !!?



……もしかして、種族補正 !? ゴブリンが器用やからか !??



 (かん) (べん) し て ぇ な 〜 !!!



 ◇


……て、今めっちゃ言いたい。

 言いたいけど、言えるわけない。やからこうなる。


「僕ど素人(しろうと)ですけど、それでもよろしければ……」

「「ありがとうございます!」」



 えぇ~……何やったん? さっきまでの態度。



……とか思とったら、目の前の狼が一言。



「クゥ~、キャウン!」


 もっと撫でて! とでも言わんばかりに目ぇ輝かせて、甘えてくる。

 何で?


……あ、手ぇ止めとった! それでか〜。



 う゛え゛ェ゛〜゛ッ゛!!



 狼てさ、何て言うか……もっとこう誇り高い生き(もん)やと思とってん。


 なのにさぁ、何でこんな甘えてくんの? 悲しいじゃん。

 甘えられたら、お前のこと尊敬できないよ。



 もう撫でるしかなくなっちゃったよ……



「クゥ〜ン……」


 また撫でたったら、目の前の子が満足げな声を上げよる。

 そのまんま、飼い主さんらに話しかけた。



「お2人さん知ってます? 狼って耳がいいんで、怒鳴りつけたらダメらしいですよ」

「「本当(ホント)ですか !!? 」」

「しーっ」


 ()いた右手の人差し指を立てて、口元へ。「静かにしろ」のポーズや。



……で〜、 や っ ぱ そ こ か ら か 〜 !!



 いや、そんな気ぃしたけどさ……動物好きやったら常識やろ ?? え、(ちゃ)うの ???



 ホンマか〜。ほな


「撫でる時、いきなり頭はやめとき。手は下からやで〜」


とかって話も、せなアカンねやろなぁ〜……



 あ゛〜゛!! (だっっる)゛う゛〜゛ッ゛!!!



 ………

 ……

 …



 ◇


「「ありがとうございました !! 」」

「どういたしまして〜」


 狼4頭の飼い主さんらと別れて。彼女らが見えんなったとこで、その場にへたり込む。



「あ〜、やっと終わった……」



 なんかもう、(チカ)れた。(おも)に口と左腕が。

 それに気も使(つこ)たし、腹も減った。



 あと、知らん異人さん4〜5人の一団が寄って来て、勝手にカメラ回しだしたし。


「止めて下さい、狼らが嫌がってるんで」


て何回言うても、聞いてくれへんかった。



 キレたとがのが飛びかかるん、止めなアカンかったし。

 飼い主さんらが通報して、ぶるダイさんが来るまで、ギャッハギャハうるさかったわ〜……。



 あ〜あ、俺知〜らね。

 顔覚えたからな? とがのが。


 もう何されても知らん。知らんで〜、ホンマ……



 あ、南の森? 行くで。

 行くけど、1回休ませて。今この調子(コンディション)で行く(とこ)やない……。



「ふす……」

「きゅいきゅい……」

「あ、ありがと〜」


 とがのとはっさくが、俺を撫でとる。強い子らや、俺と(ちご)てな。

 少なくともとがのは、逆に撫でられたいほうやのに……。


 あ、はっさくは分からん。ゴメン。



 ところで。ゲーム的には、俺は一応“従魔使い(テイマー)”てことになるらしい。

 やから傍目(はため)には、「使い魔に(えさ)もやらないクズ」に見えとるようで。


 でも逆なんよな。とがのもはっさくも、自力で生きてける強い子らで。

 やのに何でか、俺の面倒見てくれとる……て感じ。



 いつか理由、教えてくれるんかな〜?


……まあ黙っとこ。こっちから聞くんは()ずいし。



……え?


「どっちみちクズじゃん、お前!」?


 知ってた。雑魚(ザコ)ですんません。



……あ~、アカンアカン! (がら)やないのにしんみりしすぎた。ギャグで中和せな !!



 人間(ヒューマン)森人(エルフ)獣人(ビースター)……が()()う、イース市の郊外(こうがい)は。



 う~ん、国際都市。



……やめとこ。怒られるわこれ。



 ◇


 とりあえず、軽く飯。

 いっつも通り、収納袋からレーズン味の携帯食料(レーション)を取り出す。


 あと、とがのが食う「ウィードの葉」(アインツ平原産)も。


「とがのは草でええとして〜……はっさくは?」

「きゅいきゅい……きゅい!」



 袋まさぐって出してきたんは……氷?



「何それ〜? どこで(ひろ)たん……」

「きゅいきゅきゅい、きゅきゅい〜」


 スライム6匹で(うら)路地(ろじ)入って、ゴミ捨て場で拾たんやて。



 あ〜……言われてみたら、ほんのり魚臭い。それ食うんや……



とか思とったら、とがのが出した草の半分ぐらいを突き返してきた。



「ふす」

「ゑ? ええの……?」

「ふすふす」


 彼女は軽〜く2回(うなず)いた。で、残り半分を大事に抱えたまま、その辺の草を食いだした。



「味覚変わったんかな〜?」

「きゅいきゅい」



……まぁええわ。俺らも()よ食お


「頂きま〜す」

「きゅきゅきゅ〜い」



 食レポとか、別にええな?



 ………

 ……

 …



 ◇


……ご馳走(っそ)さんでした。


「ほな行こか〜、森」

「ふんす!」



 歩きだして、すぐの所で。

 野良(のら)の兎らが、透明な壁にぶつかっては弾かれとる。


 街を(まも)る結界らしい。



 で、とがのが体伸ばしてから、(ちぢ)こまる。


「ふんす!」

「ぶひゅあ !? 」


……いや突進したわ。()めの動きやったんかい〜!


 白い1羽を突き飛ばしながら、結界の外へ。

 俺は歩いて、はっさくは跳ねて、彼女を追う。



「ふんす! ふすふす !! ふすふんす !!! 」

「ぴぐぅ」

「うぷぃ !? 」

「ぶふぅ !! 」


 寄ってくる野良兎らを、片っ端から蹴飛ばして進むとがの。

 容赦(ようしゃ)ないなぁ。仮にも同族の、しかも求愛やろうに……


 まぁでも、お(かげ)で俺らは楽できとるからな〜。交戦中とかって通知も()ぇへんし……



「待てとがの! その子は……」

「ふんす!」

「ふきゅ !? ふきゅふきゅ !! 」

「ふんす !!? 」



《「ミニラビット(♀)」1羽と交戦中です》



 あ〜遅かった……。逃げようとしとった子の(ケツ)に、蹴りが入ってもとる。

 ほな当然キレるよな〜、相手の子は……



 (イヌ)も食わない雌兎(オンナ)の戦い! レディ〜……ファィッ !!



「いや面倒くさ……」

「きゅいきゅい」



 さっさと止めよ。その辺の草を一掴(ひとつか)み、引きちぎって。


「【着火(バーン)】」


 火ぃ()ける。(けむ)たい(にお)いが、(あた)りに広がって……



「ぶひゅあ !? 」

「ぴぐぅ」

「うぷぃ !? 」


 周りの兎らが逃げ出した。



「ふきゅ !! 」

「ふすぅ……」


 2羽も気ぃついたらしい。野良の子は逃げだした。

 とがのも森へ駆けだした。


 ほな火ぃ消して……



《戦闘を終了しました》



「これ持っといて。(つか)まっときや〜」

「きゅい、きゅい!」


 燃え残り持たせたはっさくを、(かか)えて追っかける。



 ◇


「ふす! ふす!」


 疾走する、牛柄の兎。

 遅れてそれを追う、()げ臭い小鬼(ゴブリン)


……傍目(はため)には、そない見えとんねやろな〜。



 彩り豊か(カラフル)な野良の兎らが、蜘蛛(くも)の子を散らすように逃げよる。



「……これ、しんどい!」


 まだ森まで400m(メーター)はある。マジか〜……



 仕方(しゃあ)ない、ペース落とそ。あと1分全力で、とか無理や。

……とがのに置いてかれる? そんなん今更やし。



「向こうでじっと待っとってくれたら、それで……」


 えっ通知?



《「ゴーストウルフ・ブラウン(♂)」1頭と交戦中です》

《抵抗に成功しました》

《従者「はっさく」が抵抗に成功しました》

《従者「とがの」が抵抗に失敗しました。状態異常【恐怖】が付与されます》



「だぁ〜ッ早いて〜 !! しかもよりによって……はっさく、【光の魔球(ライト・ボール)】用意しといて」

「きゅい!」



 魔法使えんとがのに、魔法しか効かん幽霊(ゴースト)(ウルフ)が襲いかかる。

……狼とか言うといて、とがのより()っちゃいんは気になるけど。



 能書きは後や、まずは倒したらぁ〜!


「【鑑定(かんてい)】、【火の魔球(ファイア・ボール)】〜!」

「【鑑定(きゅい)】、【光の魔球(きゅいきゅきゅい)】〜」

「ワ゛ォ゛ア゛ア゛!!? 」



 っしゃ、間に合うた! ほなこっち来いや〜 !!



―――――

ゴーストウルフ・ブラウン(♂) Lv.16[交戦中]

(分類)魔物/動物型

 森などに現れる、狼の亡霊。彷徨う亡者(アンデッド)の一種。

 通常のウルフより身軽だが、魔法に弱い。


 HP:43%   MP:85%

―――――



 【鑑定】結果は後で……ん !?



 アイツ(ちゅう)を走らんと、(すべ)ってきよる。

 てかおかしいぞ? 何で赤茶色の毛玉やのうて、薄茶色の石が飛んでk...



「あ~ッ !! バグっとぉ !!? 」



???「犬猫は、()でられるか?」

???「むしろ(この)まぬほうにござる」

???「好まぬ !? 」



 お読みいただき、ありがとうございます!


 次回は2/1(土)頃、番外編の予定です。

 本編更新は2/10(火)頃を予定しております。よろしくお願いします m(_ _)m



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