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▶️【偽典】関西人とツッコむ! VRMMO ~この辺、“鬼”がよぉ育つ~  作者: あいお明
 [第2章]行動範囲(エリア)を 広げよう!
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039. 俺らと、蝶と、変な人



 ◇


「は〜、興味深(おもろ)かった……」

「「第一声それ !? 」」


 ジンジュです。地下墓地の入口付近まで戻ってきました。

 ()らした感想が率直すぎて、友達2人にツッコまれた(とこ)です。



仕方(しゃあ)ない。変な敵とか進化とか床抜けたとか、色々あり過ぎてな〜。肝試(きもだめ)しとか吹っ飛んでまうわ、アッハハハ……!」

「せやった、コイツ大分(だいぶ)()謹慎(きんしん)なんやった」

「笑い方うっざー」

「そら勘弁(かんべん)してぇな〜……」


 まあ、俺の話はええねん。問題は……



「ぴすぴす……?」

「……チュピ」

「「きゅえーい……」」


 兎2羽(とがのとレティシア)鼠1匹(ダイス)スライム6匹(ブンタン・はっさくら)。合わせて9匹が、俺らの足元でへたり込んどる。



 ま〜、無理もない。不慣れな所に、無理矢理連れてったからな。


「で〜、この子らどないしよ?」

「「さぁな……?」」



 ゆっくり休ませたらな……やけど、まだや。今から始まりの街(アインツ)戻って、冒険者組合(シーカーズ・ユニオン)に報告せなアカンからな。


「これをやっておかないと湯婆(ゆばあ)b……無賃(タダ)働きになってしまうんです〜」

「誰に何言うとんのー?」



 ほんで、最寄りの転移地点(ワープ・ポイント)は、行きしなに通った安全地帯(あんち)

 女神像が2体あって、なんかバンドが


「アー」


とか(うと)とった、あそこや。


 バカ正直に、街まで小1時間歩かんでもええ。けどあそこまでは戻らなアカンよな〜。

 え〜っと、何分かかったっけ……?



……とか思とったら、さいでらさんがボーゼに()きよってや。


「ボーゼくん、この後は〜?」

「街戻ろかな、て思てます。でも先に昼飯ですかね?」

「そっか〜、ほな一旦解散やね」


 あ〜、もうそんな時間やったか。

 ほな、うちの子ら(とがのとはっさく)に一言……


「こんな所ですまんけど、ちょっと向こう戻らなアカンみたいで。お留守(るす)(ばん)(たの)んでええ?」

「ふんす!」

「きゅいきゅい……」

「ありがとうねぇ。ゆっくり休みや〜」


 言い終わるか終わらんかぐらいのタイミングで、はっさくの体がでろ〜んて(ゆる)んだ。

 寝落ちみたい。お休み〜……


「せやせや、その前に友達(フレンド)登録せぇへん?」

了解(りょーかい)っす」


 ………

 ……

 …



 ◇


「ん〜……腹が、減った」


 はい、現実(リアル)に戻りやした〜。

 さいでらさんら「ぞんび〜ず (プラスアルファ)」の皆さんと友達登録し()うて。それから一旦解散、休憩や。


 体伸ばしながら、思わず時計見た。たしかに昼前やな。

 あと何となく、窓の外も見た。最高気温43()予想の今日も、よぉ〜晴れとる。



 うわぁ~……暑そ〜…………



 トイレ行って、弟妹(ていまい)、母と4人で飯食って。

 弟妹に質問されるなど……


昨夜(ゆうべ)のボーゼCh(チャンネル).見たけどさ……兄貴(あにき)何しとんの?」

「そらお前、こっちで出来(でけ)へん愚行(アホ)やろ〜」

「あんな悪目立ちして大丈夫け? 身元割れ(みバレ)とか」

「これで割ってくるヤツおったら、も〜降参やわ。打てる手ぇ全部打っとぉし、学校では一切バラしてないし……」

「「「出たな妖怪“外面(そとづら)ヨシ”……」」」


……うん。学校でゲームの話はしてないし、ゲームで趣味の話もしてない。

 いや、読書はバレとるか。でも音楽はバラしてない。


 虫捕(むしと)りは学校でも()せとるし。

 楽器始めたんとか、あとソリ●ィアで1日(つぶ)した話とかは、友達2人(ボーゼとえすと)にすら言うてない。


 まあ2人の場合は“知っとるけどわざわざ言わん”だけかも、やけどな。



 でもさ、言う必要ないやん? 趣味って(ひと)りでも楽しいもんやし。

 それとも、


「話せる友達がいないなんて趣味じゃない!」


とか思とる?



 それホンマに趣味か……?



 いや、思うんは勝手やけどな。

 全部共有しようとか、それはそれでしんどいやろ?


 あと、他所(よそ)(さま)は他所様や。そんな都合よく“話せる人”おってでもないから。


「あなたとは違うんです」


やで?



 あ、妖怪呼ばわりは放置で。もう


「私人間ですねん!」


てツッコむんも()きた……



 ◇


 VRの三方(さんぽう)よし(雑)とか、やることやって、ファンフリに再ログイン。



《異人「ボーゼ」がレイドPT「やったね!墓荒らし……なむなむ」を解消しました》



 今さら通知来た……



 で、先に来とったえすとが一言。


「お帰りー」

「ただいま〜……ボーゼは?」

「まだー」

「さよか〜」


 ふ〜ん、(めずら)しな〜。


「ま〜たネットニュースでも見とんか〜?」

「かもなー、知らんけど」



 いっつも通り“呼ぶより(そし)れ”を実行しといたら、すぐ本人が来た。


「待たせたな」

「おーっす」

「お疲れ〜、何かあった?」

「関東またゲリラ雷雨やとよ。今日は面白(おもろ)いもん見れるかもな」

「「さよかー」」



 何かまた、(ろく)でもない笑顔しとるわコイツ。あんま期待せんとこ……


「ほな行くコ?」

「「あ〜い」」



 地下墓地の建物出て、なんとなく振り返って、一礼。

 で、斜め前の(しげ)みに突っ込んで、獣道(けものみち)を戻る。


「さ〜て、と……帰って報告するまでが、ホンマのクエストっ(ちゅ)うもんですよ〜」

「「謎の上から目線(うえめせ)やめい!」」



 地下でウダウダしとるうちに、日は高〜く昇っとった。

 行きしなは夜明け前やったから、(おんな)し道でも全然(ちゃ)う。木洩(こも)れ日の、まぁ〜明るいこと。


 でも、俺ら以外誰もおれへん。

 虫1匹出て()えへん。たま〜に南風がそよ〜……て吹いて、草木がわさわさ()れとるだけ。



「せや。森ん中て、何やかや(すず)しいんやな〜……」

「そーそー、一応こっちも夏やからな?」

「あ〜、季節あるんやこのゲーム」


 えすとと2人、(しゃべ)りながらボーゼを気にする。

 さっきから(みょう)に静かでさ……あっ()め息。



「敵出えへんか。おもろな」

「「お前マジか」」

「いや、()(だか)がさ」

「「勘弁(かんべん)してぇな……」」


 いや、何となくそんな気ぃした。気ぃしたけど、戦闘狂すぎる。



とか言うとったら、風に乗って(チョウ)が1匹、飛んできた。

 特徴的な黄色い(はね)と、翅から伸びる突起(とっき)。キアゲハかな?


 いやでも、あらゆる長さがリアルの2倍に見える。体積は2の3乗で……8倍?



「きゅい! きゅいきゅい……」


 んで、それ見たはっさくが、立ち止まって触手を伸ばす。俺の腰の収納袋を(あさ)って、「スライムグミ」を十数(つぶ)取り出した。



 ちょと待てぇい !?

 何それ? てかいつの間に、そんなん集めたん ???



 後で(よう)確認(チェック)やな……



 で、はっさくは触手引っ込めて、頭の上に出し直した。

 触手が木の枝みたいな形に変わって、先端に花が……蜜柑(ミカン)かこれ?


 そこに蝶が止まって、口元のぐるぐるを伸ばして……



「スライムて(みつ)出すんや……?」

「ツッコむとこそっち !? HPゴリゴリ減っとぉで ?? ()っといてええんかアr……あ! それでスライムグミなんか !! (かしこ)い !!! 」

「急に自己完結すな」


 えすとにツッコまれとったはずが……何でツッコんどんねん俺は?

 さておき、えすとの実況(じっきょう)した通りや。



 蝶が蜜? 吸うたら、はっさくのHPが減る。その分スライムグミ食って、回復しとるみたい。

 でも(あわ)てとんのは、えすとと、(ラビット)のとがのぐらい。


 蝶もはっさくも、あと5匹のスライムらも、


「自然の(いとな)みですが、何か?」


みたいな態度や。



「……チュ……チュピ……」

「……ぴすぅ」


 (マウス)のダイスくんは、ご主人様(えすと)の腕の中で熟睡中。

 兎のレティシアさんは、ご主人様(ボーゼ)の背後で大欠伸(あくび)



「…… This(です) is(いず) history(ひすとぅりー)! Right(ぅらい) here(ひあ)! Right now(なう)! ……」


 ほんでボーゼは、ボソボソ英語で(つぶや)きながら、録画しとるみたい。



 怖い……



 ◇


「お、終わった……そこ止まんの〜?」


 蜜吸い終わった蝶は、俺の左肩に飛び移って止まっとる。



「いや、ええ(もん)撮れた! ほな行くコ !! 」

「はいはい、お前そればっかりやなー」

「ぴすぴす……」


 興奮気味のボーゼに言われたまんま、俺らは歩きだした。

 えすとレティシアさんはドン引きしながらやけど。放置で。



「ふす !? ふす !!? 」

「きゅいきゅい〜」


 心配そうに駆け寄るとがのと、平然としとるはっさく。

 すまんけど放置で。かける言葉が見つからん……



 もうちょっとで転移地点、て(あた)りで、蝶は飛んでった。


「元気でな〜」

「きゅいきゅい〜!」

「あ、せや。【鑑定(かんてい)】〜」

「「 出 た な い つ も の 」」



―――――

ザ・スワローテール(♀) Lv.21

(分類)魔物/虫型

 北の大陸で最も一般的な揚羽(アゲハ)(チョウ)。草原や畑でよく見られる。

 身軽で打たれ弱い。花の(みつ)を好む。


 HP:100%   MP:100%

―――――



 結果は後で見よ〜……とか思いながら見送っとったら、後ろの茂みがガサガサ鳴る。

 振り返ったら、茶狼(ブラウンウルフ)2匹、女性2人、茶狼がもう2匹……て順番で出てきた。



「兎とスライム……見つけた! 貴方(あなた)が悪徳ゴブリンね?」

「……はい?」


 知らん人に、知らん悪口言われとる。

 何これ?



「『(そも)、魔物は愛玩動物(ペット)を飼ってはならない』、聖なる書物(しょもつ)にもそう書かれています。まして貴方(あなた)(えさ)も与えず、野放(のばな)しにする外道(げどう)!」

不届(ふとど)き者には(ばつ)を。僭越(せんえつ)ながら神に代わって、私どもが(さば)きを……」


 あの〜……アンタら誰?


 何で交互(こうご)に喋っとってなん ?? どっちか1人で()うない ???

 てか“聖なる書物”て何 !?



 しかもいきなり“裁き”やて !?? 俺らの言い分、聞いてくれへんの !!?



「「お前たち、やっておしま」」



……あれ? 固まった。



「バウ?」

「ガウガウ !? 」


 狼らも困っとるな……いや待て !??

 この人ら、急に青白く光るサイコロ(ポリゴン)に変わりだしたで?


 あ、あぁ……消えた。



 ……ごめん、もう無理。もう限界や。

 ちょっと叫ばしてくれ。



「 は゛ぁ゛〜゛ッ゛!!?  何゛と゛い゛や゛コ゛レ゛ェ゛〜゛ッ゛!! 」



 お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m

 次回更新は10/20(月)頃の予定です。帰るまでがクエスト、帰るまでがクエスト……


 ジンジュくんって、よく分からない子ですね。運がいいのか悪いのか……?



 ※そんな彼に痛い所突かれる系作者()



【追記】

・一部修正しました

(2026/02/01)


・サブタイトルを追加し、大幅に修正しました

(2025/10/23)



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