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【偽典】関西人とツッコむ! VRMMO ~この辺、“鬼”がよぉ育つ~  作者: あいお明
[第2章]行動範囲(エリア) を 広げよう !
43/45

037.

 



 ◇


 はいど~も、ジンジュです。

 地下墓地で敵のゾンビとかハイゾンビとか倒しとるうちに、進化しました。


 ミニゴブリンからゴブリンに、な。


 身長はリアル(人間)の9割ぐらい。ここのゴブリン、結構デカいよな~。

 他所(よそ)やとそんなにデカないらしい。所によっては“人間の赤ちゃんぐらい”とかやねんて……?



 で、この階段()りたら地下墓地の底、なんやて。地下3階。

 準備でけたし、ほな行こか~ !!



 ◆


 ベドルジヒさんが言うには、


「詳しくは道中ご説明いたしますので、(わたくし)についてきていただきたいのですが……」


とのこと。

 そんな彼を先頭に、ボーゼ・俺・えすとと兎ら3匹、スライム6匹、さいでらさんら「ぞんび~ず」6人の順番で進む。



露払(つゆはら)いしましょか?」


てボーゼの提案に、


「ありがとうございます。【影の捕縛(シャドウ・バインド)】使えるのでしたら是非(ぜひ)

「すんません無理です」


てやり取りがあって、こうなった。



 秒で頭を下げるイケメン獣人(ビースター)。自慢の友達です。



 ◇


《「レッサーレベナント」3体と交戦中です》


「【影の捕縛】×3(トリプル)

「お゛っ゛ !? 」

「「お゛あ゛っ゛ !? 」 」


 早速(さっそく)()こてくる、レッサー敵ナント−−敵のレッサーレベナント−−さんら。

 魔法で(しば)られて、地面に転がる敵ナントさんらを、ベドルジヒさんは無視して突き進む。


……て言うても、ゆっくりやけどな。ゾンビ系やし。


「【光の破魔矢(ライト・アロー)】」

「【光の癒し(きゅう・きゅうきゅう)】」

「「お゛お゛お゛お゛お゛ !? 」」

「【火の魔球(ファイア・ボール)】……あ、こんちは~!」

「お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ー゛ッ゛!」


 すれ違いざまに、レッサー敵ナントさんらに魔法をぶつけながら。

 行き()う“レッサーレベナント・ファーベル”さんや“レッサーキョンシー・ポーター”さんらに挨拶(あいさつ)する俺ら。



 ……ん !?



「待てェ! しれっと僵尸(キョンシー)おるゥ~ !? 」

「お゛ー゛ん゛?」


 思わず足止めて、振り返って大声出した。すると向こうも足止めて振り返る。

 もはや病的、ていえる青白い顔に、切れ長の目……以上に目ぇ引くんが、その恰好(かっこ)や。


 いやその前に……しもた、呼び止めてもた!

 まず頭下げよ……。


「失礼しました! 驚いただけです……」

「お゛ー゛ん゛……」


 ガッサガサやけど、やっぱ(・・・)女の人の高い声や。女装家さん(おとこのひと)やないみたい。

 ほんで、用がないて分かったらすぐ走り去った。土嚢(どのう)背負(せお)たまんま。


 ミニスカ長袖(ながそで)チャイナ服? て感じの、真っ黒なドレスを着とってやった。

 頭の上には爆弾おにぎり……やないな。お顔の半分ぐらいありそうな、巨大お団子ヘアーやったわ。


 重そう……


 んで、その結び目ら(へん)から黒い(ひも)――いや(なわ)か?――が延びとった。先に付いとるんは、お(ふだ)1枚。



 ん~……すごい東洋(アジア)感。

 何で「中世ヨーロッパ風の世界」に、そんな人おってなんやろな〜?

 大丈夫 ?? 世界観バッキバキに壊れてない ???


 いや別にええけどさ〜……



「お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛!! 」


 急にした、レッサー敵ナントさんの声にびっくりして、そっち向く。

 倒れた、と思とった1体が起き上がっとる。俺が【火の魔球】ぶつけた奴やな……


 ほんで、えすとが魔法を()る。


「【光の破魔槍(ライト・ランス)】! おい誰じゃ、残心(ざんしん)()せとったボケぇー !!? 」

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ー゛ッ゛!! 」


 白い光の棒に胸元を(つらぬ)かれて、敵ナントさんは溶けていく。

 その断末(だんまつ)()()むんを待って、返事を一言。


(わたし)だ」

「お前だったのか……ほな仕方(しゃあ)ないなー」

「「「『ええんやそれ…………?』」」」


 ボーゼ、さいでらさんらが首(ひね)っとる。

 ……いや、()うないんですけどね。まあ不慣れなもんで。

 気ぃ散る要素が多すぎた……



「「「お゛〜゛」」」

「皆様、次来ますよ……?」


 んで、“我関(われかん)せず”なレッサー敵ナントさんらと、ベドルジヒさんやった。


《「レッサーレベナント」4体と交戦中です》



 閑話(かんわ)休題(きゅうだい)



 ◇


 十数体のレッサーレベナントを倒し、敵が出て()えへんなった(あた)りで。

 ベドルジヒさんが話しだした。


「実は私、(あるじ)を探しておりまして……」


 彼は生前、ある王国の魔法使いやったらしい。

 “村で1番頭がいいから”と勧誘(スカウト)されて、とんとん(びょう)()に出世したったそうで。

 ほんで(まか)されたんが、(すえ)っ子のお姫様の護衛。


「お恥ずかしいことに、ジンジュ殿(どの)の気配が主のものとよく似ておりまして。先程はお(さわ)がせいたしました」

「いえいえ、お気遣(きづか)いなく……」



 ん〜、おっちゃん丁寧(ていねい)すぎる。やりにく〜い!

 死後とはいえ偉いさんやで? 俺みたいな庶民(しょみん)のクソガキ、呼び捨てされても「しゃ〜ないな……」としか思わんのに。


 やのに“さん”付けやない、“殿”付けや。困るわ〜……。


「すんません、せめて“さん”付けでお願いします……」


とも言いにくいし。


 気まず〜 !!



 ……まあ、そんなん置いといて、や。


「何でや? 何で俺こんな、女子に間違われるんや…… ?? 」

「どんまーい。てかいっそ開き直ってさ、女装でもしてみたらー?」

「よ〜えすと、一遍(いっぺん)()んでみる〜?」

「アリやなー、だが断る」

「チッ……」


 ここ、ゲームん中やから……機械にまで性別間違われたん、初めて。

 流石にそらないやろ、て思とったのにな〜。


 あ〜……この心のモヤモヤ、どないした(もん)やろ…………?



「で、お姫様を探してる、というのはどういうことで?」


 ボーゼが()く。容赦(ようしゃ)ないな〜……。


「主はこの先の個室で眠っておられた(・・・・・・・・・・)のですが、ある日から急にお見えにならず……」


 ベドルジヒさんの答えに、「ぞんび〜ず」の皆さんがざわつく。


「例の隠し部屋か?」

「かもね〜」

「もしかして、お(じょう)がお()しにならはったんて……」

「あー、あるかもっすね……」


 んで、しばらく大人しかった「ひゃくまんべ」さん−−今ここで唯一の人間族(ヒューマン)−−が動いた。

 (ふところ)から紙1枚出して、ベドルジヒさんに見せよる。


「ベドルジヒさん、この顔ピンと来ませんか?」

「「「警察のポスターか!」」」


 ボーゼ、さいでら、トリベノ(敬称略)の3人が即ツッコむ。

 街中(まちなか)でたま〜に見るよな、「この顔にピンと来たら!」て貼り紙(ポスター)



 え? 「そんなの見たことない」?

 さよか、治安ええみたいで何より……



「いえ、特には……」

「そうですか。実はですね……」

「…………う、(うっそ)だぁ !? そ、そんなことが……許されていいんだぁ !? 」


 ちょと待てぇい!

 ベドルジヒさん、キャラ(くず)れすぎ〜 !! 何聞いたったん……?



 お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m

 次回更新は9/20(土)頃の予定です。


※街中のポスターについて

 治安悪すぎて貼られてない可能性もあります。



 私は何の補足してるんだろ……?



【追記】一部加筆/修正しました

(2025/09/09)



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