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【偽典】関西人とツッコむ! VRMMO ~この辺、“鬼”がよぉ育つ~  作者: あいお明
[第2章]行動範囲(エリア) を 広げよう !
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033. また進化 ~俺のちゃうで?~

 早い所ではもう7月だそうです、キリバスとか


 ……えぇ~い!(投稿ボタンポチー)



 地下墓地の地下2階。下へ行く階段室への途中です。

 敵のゾンビを倒して、安全地帯(あんち)で休憩中。


 で、とがのが進化できるんやて。回復も安全確保もしたし、早速やってみよか~。



《「とがの」の「ラビット」への進化を始めます》


 通知と同時に、とがのが白く光りだした。

 ラビット、ね。東の街(イース)ら辺で見た、あんな感じに進化するんか~。



 ……せやな。一回り大きなって、耳が伸びた。いかにも兎! て感じの輪郭(りんかく)や。

 で、10秒ほどで光が消えて、(うっす)~い牛柄の()(ウサギ)が、姿を現した。



《「とがの」の進化を完了しました。以下の条件が満たされています》

《「とがの」の職分(ロール)が選べます》

《「とがの」の種族スキル〈小兎(ミニラビット)〉が、〈(ラビット)〉に更新されました》

《「とがの」の種族スキル〈()()き〉が開放されました。SP:2で取得できます》



「ふんす! ふんすッ! ふんふん !! 」

「きゅい !? 」

「ちょお待て、何でそんな興奮しとん?」


 やたら鼻息荒く、その辺をぴょこぴょこ()ね回るとがの。


 いや、はっさくらも(みょう)に盛り上がっとったけどさ……この子は今にも、誰か蹴飛ばしそうなんよな~。

 ちょっとおかしい。大丈夫かこれ?


「ぷう……ぷう……」

「ふんす!」

「んぷうッ !!? 」

「「大丈夫か !? 」」


 居眠りしとる橙色の小兎(ダイスくん)……にわざわざ駆け寄って、(ケツ)を蹴り上げるとがの。


 普通にアカンかったわ……。

 ん~、ダイスくんも心配やけど……とりあえずとがのを落ち着かせるには、どないしたら……


 あ、せや。あれ試すか~……



「【鑑定】~」


 【鑑定】結果は……うん、一昨日(おととい)のレティシアさんと一緒やな。以下略。


「……ふす ?? 」


 で~、【鑑定】()ろた瞬間て、背筋(せすじ)ゾワッとするんよな。

 とがのもそうみたいで、「な、何? 急に…… ??? 」て感じでこっち見てくる。


「あ゛~゛(あせ)った……落ち着いてくれてよかった~……」

「きゅいきゅい……」

「……ふす?」


 ……あぁ待て待て、ダイスくんは?


「ぷう! ぷうぷう !! 」

「【光の癒し(ライト・ヒール)】……はいはい分かった、分かったから落ち着けー」


 地団駄(じだんだ)踏みながら、鼻鳴らしとる。めっちゃ()嫌悪(げんわる)そう……。

 まあ、そんな元気やったら、あとは大丈夫か。


 ほな、とがのに目線合わせて。教育教育教育……


「で~、とがのさん(・・)。今自分が何したか分かっとぉ?」

「ふす……」


 お、自覚あるっぽい。なら話が早い。


「ムシャクシャして、(なーん)も悪ない相手を蹴飛ばいた……て話で()うとぉ?」

「……ふす」


 とがのは気まずそうに(うなず)いた。だいたい合うとるみたいやな。


「ええか? 痛めつけてええんは“味方を危険に(さら)すヤツ”だけやぞ。今の俺とかな。 ……あとその前に、ちゃ~んとダイスくんに謝ってこい。ええな?」

「ふ、ふす」


 とがのは勢いよく頷いて、ダイスくんのほうに駆け出した。



 ……なんか、やっとまともなこと言えた気ぃする。



 ◇


 あ、そうそう。


「ふす、ふすふす!」

「……ぷう」


 とがのに謝られたダイスくん、興味なさそうに欠伸(あくび)しとる。「何を今さら?」てとこなんかな……?



「ぴすぴす……」


 黒い兎(レティシアさん)も遠巻きに様子見とるだけやし。


 とがの、お前も人望……いや()(ぼう)(?)ないタイプか……


「……一緒に頑張ろな~」

「きゅい?」


 あ。

 とがのの耳だけ(・・)、こっち向いとる。



「怖っ……」


とか言うとったら、スライムが2匹寄ってきた。


「「きゅえーい」」

「きゅい~、きゅいきゅい!」


 ポンカンくんとデコポンくんや。

 2匹とも、はっさくと同しくらい大きなっとr……いや気持ちデカいな、はっさくより。


 あと、はっさくの反応的には……


「お、君らも進化したんか~」

「「きゅえきゅえー」」

「おめでと~、大きなったな~」

「きゅえーい」

「きゅえきゅえ」


 陽気で人懐(ひとなつ)っこい子らや。自然とこっちも笑顔になるわ~……



「「きゅえ~い」」

「きゅいきゅい」


 ポンカンくん・デコポンくんは(あまなつさんらのとこ)行った。


「ふすふす」

「きゅい~」

「お帰り~」


 入れ代わりに、とがのが戻ってきた。


「……ちゃんと頭下げたな?」

「ふす!」

了解(りょーかい)、お疲れさ~ん」


 まあ、ダイスくんは許してないやろけど。しゃ~ないな。

 謝罪の(きも)は「許す/許さん」やない。「自分の非を認めて、けじめをつける」こと……やと、俺は思う。



 ……え? 「謝ったんだから許せよ!」??

 (やかま)しわ、甘ったれ。首(あろ)て出直せ。



 ◇


 ほな〈兎〉スキルこと、種族特性をチェ~ック。

 説明見よう!


―――――

(ラビット)

 草原に現れる、小ぶりな兎。大人だがこのサイズ。

 器用ですばしっこい。魔法は使えない。


○種族特性

 【夏毛/冬毛】高い保温性を誇る

 ・暑さや濡れにやや弱い

 【その他】

 ・視覚:視野は広いがド近眼

 ・聴覚:鋭い

 ・嗅覚:やや鋭い

○個体特性

 ・特になし

―――――



「ん~……どっか変わったか~ ?? 」

「ふす……?」

「きゅい~?」


 特に変わってない、っぽい?


 ……いや。「大人でも(・・)このサイズ」が、「大人だが(・・)……」になっとる。細かいけど。

 まあでも、そんなもんか。



 ◇


 はい次、「職分(ロール)選べ」やて。


《以下から「とがの」の職分を選んでください

  ▶️闘士(ファイター)

   (なし)  》



「ふす~ !!? 」

「おいおい、ほぼ一択やんけ……」

「きゅい~……」


 また鼻息荒いとがの。まあ、そら怒るで~……。


「で、一応聞くけど……闘士でええ?」

「ふんす!」


 即、力強く(うなず)くとがのやった。



《職分「闘士」が選ばれています。このまま決定してよろしいですか?》


 はい、お願いしま~す。


《「とがの」の職分を「闘士」に設定しました》



 ◇


 ほな次、〈()()き〉てスキル。


「……()る?」

「ふすふす!」


 意外と(きょう)()津々(しんしん)やな……

 なら早速。


《従者「とがの」が〈引っ掻き〉を取得しました。残りSP(スキル・ポイント):4 》



 で、説明見よう!


―――――

()()き Lv.1/30〉

 相手を【引っ掻く】動作を補助するスキル。

 他の動作にも応用できる……かも?


技一覧

【引っ掻く】

 爪などを用いて、相手に()り傷、または引っ掻き傷を与える。

―――――


 応用? 何に使えと ??

 ……あ、穴掘りとか ???


 分かんね……


「ふすふすふす……」


 ……ん? とがのが地べた掘っとる。

 ホンマに掘れるんや、固そうに見えてんけどn……


「あっ待て !? 何しとん !!? 」

「ふす !? ふすふ、す……?」


 無意識やったらしい。本能くすぐられたんか……?



 ◇


 あ、せや。ついでに見とこ、とがののステータス。


―――――

とがの Lv.10

 種族:ラビット(兎/下位兎族) ♀

 属性:―

 職分:闘士

 SP:4

 HP:100%

 MP:―

 状態:正常


 スキル:3

 〈回避 Lv.5〉〈採取 Lv.3〉〈鑑定 Lv.1〉

(控え:8)

 〈闇魔法 Lv.1〉〈生活魔法 Lv.1〉〈下剋上 Lv.3〉〈器用強化 Lv.4〉

 〈体力強化 Lv.4〉〈筋力強化 Lv.3〉〈敏捷強化 Lv.4〉〈人類共通語 Lv.1〉

(種族:5)

 〈噛みつき Lv.4〉〈引っ掻き Lv.1〉〈蹴り Lv.8〉〈危機察知 Lv.3〉

 〈兎〉


 称号:4

 〈鬼の従者〉

  物理攻撃、および土属性攻撃の与ダメージが微増する。

 〈大物を喰らいし者(ジャイアント・キラー)

  人類NPC、および同族NPCからの信頼度が微増する。

 〈食べ物の恨みを抱く者(フー・ファイター)

  空腹時の与ダメージが微増する。

 〈人間不信〉

  人類NPCからの信頼度が微減する。

―――――


 お~、成長しとるな~……

 でも引き続き、「MP:―」。やからまだ、魔法使えんみたいやな……。



 ◇


 話変わるけど。

 今の俺らん中で、兎2羽(とがのとダイス)、スライム6匹、あと俺がほぼ(おんな)しレベルで固まっとる。

 で、進化まだなんがダイス、こなつ、俺……てとこ。


 (すえ)っ子っぽい顔ぶれで、最弱決定戦?

 (みょう)やな、俺長男やのに……



……とか思とったら、ボーゼが声かけてきた。


「そろそろ出るぞ」

「あ、了解(りょーかーい)


 たしか先頭、交代やったな。スライムらに。


「きゅ、きゅきゅ?」

「出て左なー、まっすぐ行ったら戻ってまうから」


 リーダー格のブンタンくんが、えすとに()いとった。


「きゅきゅ、きゅ!」

「きゅい!」


 で、はっさくが呼ばれとる。


「きゅいきゅい~」

「行ってら~、気ぃつけてな」

「ふんす、ふすふす!」

「きゅい~」


 ほなまた、大盾と伐採(ばっさい)()持って……



「ほな行くコ !? 」

「「「『()ーッ !! 』」」」


 ボーゼの合図で出発する。俺は一番後ろ。



 ◇


 向かい合う2柱の女(シトリーさん)神の彫刻(とイースのひと)に、軽~く一礼してから部屋を出る。

 んで、目の前のT字路(じろ)を左へ。


「道なりに行ったら行き止まり、て。どんな構造やねん……」

「さあな。ダンジョンでも(こさ)える気やったんかー?」

「ツッコむなツッコむな、所詮(しょせん)ゲームやぞ?」


 ボソッと(つぶや)いたら、前のえすととボーゼに拾われた。

 さては緊張感が足らんな?


 ま、動けたらええか。



「きゅきゅ、きゅ!」

「「きゅえ、きゅえーい」」

「……ん゛~。」


 お? また前に「ハイゾンビ・ファーベル」さんがおってやな。

 皆さん順番に、挨拶(あいさつ)しよってや。


 ほな元気よく行きましょ~。


「「「お邪魔しま~す!」」」

「ん゛。」



 “邪魔すんねやったら帰って~”て言われんと済むんが、ありがたくもあり。

 ちょっと(さび)しくもあり……



 お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m

 地下墓地編、もうちょっとだけ続くんじゃ……



 次回更新は7/7(月)、短い番外編の予定です。

 本編は7/20(日)頃になりそうです。ゆるゆるお待ちあれ……



【追記】

・サブタイトルを変更しました

(2025/07/15)

・一部修正しました

(2025/07/15)



――【おまけ】――

 レイドPT(パーティー)「やったね! 墓荒らし……なむなむ」の現状


 【PT「お城と……横顔新○線や~」メンバー】

○リーダー

ボーゼ Lv.25

 ウルフ・ビースター(狼獣人/獣人族) 男

 HP:100% MP:100%

 従者:1名が所属

レティシア Lv.15

 ラビット(兎/下位兎族) ♀

 HP:100%   MP:―


(サブ)リーダー

えすとっきゅー Lv.24

 エルフ(森人族) 男

 HP:100% MP:100%

 従者:1名が所属

ダイス Lv.9

 ミニラビット(小兎/下位兎族) ♂

 HP:100%   MP:―


○その他のメンバー

ジンジュ Lv.9

 ミニゴブリン (幼鬼/下位鬼族) 男

 HP:100% MP:100%

 従者:1名が所属

とがの Lv.10

 ラビット(兎/下位兎族) ♀

 HP:100%   MP:―


以上6名/定員7


 【PT「きゅきゅきゅーきゅ・きゅーきゅきゅ」メンバー】

○リーダー

ブンタン Lv.10

 スライム(下位粘体族) ♂

 HP:100%   MP:100%

  ※異人「えすとっきゅー」の従者


○副リーダー

あまなつ Lv.10

 スライム(下位粘体族) ♀

 HP:100%   MP:100%

  ※異人「ボーゼ」の従者


○その他のメンバー

はっさく Lv.10

 スライム(下位粘体族) ♂

 HP:100%   MP:100%

  ※異人「ジンジュ」の従者


ポンカン Lv.10

 スライム(下位粘体族) ♂

 HP:100%   MP:100%

  ※異人「えすとっきゅー」の従者


デコポン Lv.10

 スライム(下位粘体族) ♂

 HP:100%   MP:100%

  ※異人「えすとっきゅー」の従者


こなつ Lv.9

 プチスライム(下位粘体族) ♀

 HP:100%   MP:100%

  ※異人「ボーゼ」の従者


以上6名/定員7


 【PT「ざ・ぞんび~ず +α」メンバー】

○リーダー

さいでら Lv.23

 レッサーレベナント(屍人族/下位不死者) 女

 HP:100% MP:―


○副リーダー

あだしの Lv.22

 レッサーレベナント(屍人族/下位不死者) 女

 HP:100% MP:―


○その他のメンバー

ひゃくまんべ Lv.25

 ヒューマン(人間族) 男

 HP:100% MP:100%


トリベノ Lv.22

 レッサーレベナント(屍人族/下位不死者) 男

 HP:100% MP:―


カーラ Lv.8

 ハイゾンビ(屍人族/下位不死者) 女

 HP:100% MP:―


ハルト Lv.7

 ハイゾンビ(屍人族/下位不死者) 男

 HP:100% MP:―


以上6名/定員7


○その他のメンバー

(該当なし)


計18名/定員25



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