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【偽典】関西人とツッコむ! VRMMO ~この辺、“鬼”がよぉ育つ~  作者: あいお明
[第2章]行動範囲(エリア) を 広げよう !
29/45

024. スライムらと、【召喚】の謎

 「いいね」が……欲しかったッ…………ガクッ


メンテナンス中「な○う」



 ◇


 ども、ジンジュです。

 プチスライムの「はっさく」らが仲間になりました。


 てなわけで、彼のステータスとか見たいんやけど。その前に1個、ボーゼに()いとこ。


「この後どっか行く~?」

「いや、特には」


 はい。ほな早速~……


―――――

はっさく Lv.8

 種族:プチスライム(下位粘体族) ♂

 属性:水

 SP:10

 HP:100%

 MP:100%

 状態:正常/友好/待機


 スキル:5

 〈縄 Lv.2〉〈火魔法 Lv.4〉〈生活魔法 Lv.6〉〈採取 Lv.3〉

 〈調合 Lv.2〉

  ※「初期スキル」欄より、あと3つ取得できます

(控え:―)

(種族:5)

 〈水魔法 Lv.5〉〈物理耐性 Lv.2〉〈光合成 Lv.4〉〈消化促進 Lv.3〉

 〈粘動体〉


 称号:2

 〈大物を喰らいし者〉

  人類NPC、および同族NPCからの信頼度が少し上がる。

 〈小鬼の従者〉

  物理攻撃、および土属性の与ダメージが微増する。

(控え:―)

―――――


 とがのと比べて、いきなり色々持っとる。なんかこう、“生き残り”感強いな~……


 いやまあ、西の森にもボスとかおるやろし、その先にも色々おるんやろ。

 全部やないにせよ、強いのと戦わな、ここまで来れんかったはず。



 ……()でとこ。



「……きゅい?」


 あとこのゲーム、全体的にスライムのほうが(かしこ)そうやな~。(ラビット)やら(ウルフ)やらよりも。

 下手(へた)しい俺よりも。


 ……実は俺、「頭ええな!」とは言われるけど、「賢い」て言われたことないんよな~。



 あ、もしかして、お互いに技を教え合うたりするんかな?

 ここのスライム、結構協力し合うみたいやし。昨日の“スラの斜塔(しゃとう)”とかな。



 で、恒例の謎スキル〈粘動体〉。

 たぶん種族特性と個体特性やろうけど、どんな感じ~?


―――――

粘動体(ねんどうたい)

 特殊な粘液でできた身体。水玉ともいう。

 生命力に満ちあふれ、無限の可能性を秘めている。

 だが今は小柄で非力。動きも遅い。


○種族特性

 【水属性】火、風、土とならぶ、4大元素の1つ

 ・被水属性ダメージ:1/2

 ・被土系統ダメージ:4倍

 ・水系統魔法:強化(小)

 【下位粘体族】

 ・打撃耐性:被ダメージ1/2

 ・被風系統、闇系統ダメージ:2倍

 ・水分によるHP回復:被水属性ダメージを上書き

 ・状態異常耐性:【毒】【火傷(やけど)】等、一部の状態異常が軽減される。

 ・聴覚および触覚:少し鋭い

 ・嗅覚:やや(にぶ)


○個体特性

 【体質:虚弱気味】他者からの信頼度が減少

 ・やせ型:知力・器用の成長率が微増、筋力・敏捷の成長率は微減

 【その他】

 ・味覚:やや鋭い

―――――


 ほえ~……こら強い。ほんで面白(おもろ)い。

 けどダラダラ見とる場合やないから、1つだけ。「聴覚および触覚:少し鋭い」てことは、振動に敏感なんかな?

 やとしたら……地面とか空気の揺れ方で敵が分かる、とかあるかも。


 まあ知らんけど。



「お2人さんお2人さん、はっさくにおすすめのスキルとk」

「まず〈鑑定〉」

「あと〈召喚魔法〉やなー」

「即答 !? 」


 ボーゼとえすとに、食い気味に言われました。


「〈鑑定〉は必須として、【召喚(サモン)】あったら移動が楽やで。特にお前」

「そーそー。(ラビット)水玉(スライム)小鬼(ゴブリン)あたりが【召喚】の基本やからなー」

「へぇ~、そうなんか」


 ……ん !?


「……それ俺は()ぶほう? 喚ばれるほう? どっち ?? 」

「まぁそら喚ばれるほうやろな。喚ぶほうは無理そうやから〈従魔法〉なわけやし」

「おいおい他人事(ひとごと)かボーゼー? お前オススメの工人(ドワーフ)でも、大差ないやろー ?? 」

「いや、言うてあっちは人類やし、“キツい”で済むぐらいやからな?」


 細かい話は分からん、から置いといて。とりあえず、従者に【召喚】されるタイプの主人になりそう。



 俺、ギャグキャラやったんか……?



「はっさく、体育館裏は勘弁してな~」

「きゅい?」

「あるかそんなもん。ゲームやぞ?」


 ボーゼが言い切った。珍しい。いやまあ、あったら怖いけど。

 んで、えすとが口を(ひら)く。


「今さら何怖がっとんねん? “呼び出しィ? ワレ何様どい ?? 引きずって連れてきゃええやろ !! ” とか言うて突っぱねた奴がよー」

「お~怖、誰がそんな(えら)っそ~なことを……」

「「数年前(むかし)のお前じゃい !! 」」


 あ~、そんなん言うたっけ。しかも


問題児(ク・ガキ)が先生気取りけ? 大きなったのぉ !? 」


てオマケつけて。担任の先生の目の前で。

 ……(われ)ながら最悪やな。その辺の不良気取りよりヤバない? 何しとんねん……


 けどあれ小学生(ガキ)の頃やし、ケンカの最中でキレとったからな~…………参考にならん。



 まあ要らん話は置いといて、や。


「あと何かアドバイスある~?」

「どれどれ……お、SPがたんまり。ボスでも倒してったか?」

「……へぇー面白(おもろ)、こんなスキルあるんや。ほなこっち入れとけー」


 …………………

 ……………

 ……



 結果こうなりました。


―――――

 SP:4

――(中略)――

 スキル:7

 〈縄 Lv.2〉〈火魔法 Lv.4〉〈生活魔法 Lv.6〉〈召喚魔法 Lv.1〉

 〈採取 Lv.3〉〈調合 Lv.2〉〈鑑定 Lv.1〉

(控え:3)

 〈危機察知 Lv.1〉〈精神強化 Lv.1〉〈人類共通語 Lv.1〉

(種族:5)

 〈水魔法 Lv.5〉〈物理耐性 Lv.2〉〈光合成 Lv.4〉〈消化促進 Lv.3〉

 〈粘動体〉

―――――


「「ほな、これを踏まえて……」」

「……お前ら(はか)ったな~? 俺らを実験台にしよって」

「「HAHAHA、何を今さら」」

「こ~の野郎~」


 ゆる~い茶番や。ありがとうねぇ。



 閑話休題。



 ◇


 ヒマ(つぶ)しと称して、「柑橘類(かんきつるい)」を外部検索させられました。THE()ミカn……何でもないです。



 なあボーゼ、強制されたら“ヒマ潰し”(ちゃ)うねんけど~?



 いや、たしかに「はっさく」て柑橘類あるけどさ~。

 俺食うたことないし、8月1日のほうの「八朔(はっさく)」のつもりやってん。

 ほな、何でそんな作業させられたんか。


「名前、“あまなつ”と“こなつ”でええか?」

「きゅう!」

「きゅお」


 正解は越後s……“スライムの名付けに使うから”でした。

 ボーゼの名付けを見届けてから、次はえすとが名付けを始めた。


「ほなお前らは“ブンタン”、“ポンカン”、“デコポン”でー」

「きゅきゅ!」

「「きゅえーい」」


 無事終わったみたい。お疲れ~。


 で、無駄話を足しとく。ボーゼの従者は(ラビット)のレティシアさんに、プチスライム2匹。全員(メス)です。

 イケメン関西人はゲーム世界でもモテるそうです。 ……どうでも、ヨシ !!


「異世界で狼獣人(ウルフ・ビースター)に転生した俺、魔物を従えてハーレムを作りま拳骨(げんこつ)ゥ !!? 」


 腹に拳骨(はらパン)を受けて、えすとの詠唱は破棄されました。

 ……そうそう、えすとの(とこ)は全員(オス)らしい。小兎(ミニラビ)のダイスくんと、プチスラ3匹。


「ホモォ……げへぇッ !? 」

「お前ら仲ええな~……」


 即やり返した2人。これがホンマの痛み分け。試合終了(ゲーム・セット)

 ちなみにウチはとがのが雌、はっさくが雄。バランス、ヨシ!



 ところでスライムの性別て何? 彼ら“性別なし”と違うん…… ??



 ◇


 ……とか言うとるうちに、周りの空気が変わっとる。


「「「『きゅきゅ、きゅきゅ、きゅきゅきゅ』」」」

「「「『きゅえきゅえきゅえーい、きゅえきゅえきゅえーい』」」」


 …………………

 ……………

 ……


 ここは「アインツ市・中央広場」。石造りの街の、平和な昼下がり……やったはず。


 ところが、見渡す限りのスライムらが、体を上下左右に伸び(ちぢ)みさせて踊っとる。何か呪文でも(とな)えるかのように、一斉に鳴きながら。

 もちろん、はっさくとかブンタンくんらも混ざっとる。



 ……ん !? 通知来た。何事……?



《従者「はっさく」他が「????」を召喚しました》

《召喚対象は他者の配下です。上位者の許可を得るか、上位者を配……許可されました》


(なぁに)これぇ……?」


とか言うとる場合やなかった。

 噴水の、女神像(シトリーさま)の上に、地面と平行な魔法陣が浮かんどる。そこから空に向かって、黒いウニョウニョが出てきた。

 ウニョウニョと細長かったはずのそれは、徐々にモニョモニョ……ボヨボヨ……ブヨブヨと形を変えながら大きなっとる。


 膨張が止まる頃には高さ2m、幅2.5mぐらいの、巨大な焼き饅頭(まんじゅう)みたいになった。何でか蛍光色の緑(けいこうグリーン)に光る真っ黒け、やけど。


 あと、触手伸ばして何か持っとる。あれは~……ペット用の食器?


「てけり・り~?」


 んで変な鳴き声やの~、禿げタk…… !?

 何これ、気分悪い……。しゃがんで……も、アカンな……


《抵抗に失敗しました。状態異常【気絶】、回復まで約55秒……》

《従者「とがの」が抵抗に失敗しました。状態異常【気絶】、回復まで約5分……》


 本日2度目の【気絶】。しかもとがのまで !? な、何や?

 何が起きとんねや ?? 範囲攻撃 ???


「……ケガとかないな。おら起きろー」


 えすとの声がして、また肩を揺さぶられる。カウントダウンの数字が、一気に減っていく。


「きゅいきゅい~?」

「きゅきゅ? きゅ」

「きゅうきゅう……?」


 はっさくらの声もする。けどボーゼの声がせぇへん。


「……ぷう?」


 ダイスくんは大丈夫か。けどレティシアさんの「ぴすぴす!」も聞こえん。大丈夫やろか……?


「く゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛!! 」

「へあぁ~ッ !? 何なに何 ?? 」


 誰のか分からん悲鳴で、飛び起きた。

 声したほうを見ても、何もない……いや、青白く光るサイコロ(ポリゴン)飛んどるわ。

 誰かやられたっぽい。何やらかしたんや……


「てけ! てけり・り~」


 あ、謎の黒い生き物(クリーチャー)さんが、魔法陣の中に戻りよる。


「「「『きゅきゅ、きゅきゅ~』」」」


 スライムらの、熱烈な見送りを受けながら。てかめっちゃ手ぇ振られとんな。

 ホンマに何者……?


「……おう、お前ら大丈夫か?」

「俺は別状(べっちょ)ない。ジンジュは?」

「へあッ !? 」


 せやった、俺【気絶】したんやったな……


「たぶん大丈夫。痛いとか気分悪いとかはない」

「さよか。はーよかった……いやまだやな。兎起こしたり」

「「あっホンマや……」」


 無事を祝うには早かった。まだ【気絶】しとるレティシアさんととがのを起こしたろ。


「大丈夫か~?」



 ◇


 幸い、20秒ほど揺すったったら、2羽とも目ぇ覚ました。


「ぴすぴす !? 」

「ふす……?」

「「「あぁ……よかった……」」」


 拙者(せっしゃ)特に何もしてないけど、今日もお疲れ~。


「……いやホンマ疲れた。もう出たないわ~、今日は街から」

「「 せ や ろ な 」」


 午前中の、リアルの用事で疲れとったとこにこれや。もうやる気もクソもあれへん。

 とにかく座りたい。静かな所で一休みしたい。てなわけで……


「図書館行かせろください、他に何もなかったら」

「おっけー」


 俺の提案、というよりお願いに、えすとは即賛成した。ありがとうねぇ。

 けどボーゼは一瞬考え込んだな? コイツに本はマズかったか…… !?



「あっスマン、その前に冒険者組合(ユニオン)寄らせて。明日の予定を、な」

「「りょーかーい」」



 お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m

 次回更新は2/20(木)頃の予定です。図書館再び。


 このクソ寒い時に、何で“はっさく”の話してるんでしょうね……

 ※作者の腕が悪いだけです



【追記】一部加筆/修正しました

(2025/06/29)



 ちょっとだけ説明をば……

――Tips:ファンフリの使役系魔法――


〈従魔法〉その場で魔物を仲間にする。

 【長所】

 ・MP消費が少ない(=使える人が多い)

 ・専属契約(=従者と仲良くなりやすい)

 【短所】

 ・移動が面倒

 ・あとエサ代が……


〈召喚魔法〉魔物を呼び出して仲間にする

 【長所】

 ・移動が楽(【転移】が組み込まれているため)

 ・強力な魔物を仲間にしやすい

 【短所】

 ・MP消費が多い

 ・重複(ブッキング)あり


傀儡(くぐつ)魔法〉人形を操る

 【長所】

 ・MP消費が少ない(=使える人は多い)

 ・専属契約(忠誠心? はピカイチ)

 【短所】

 ・まずは人形を作るところから……(使いたい人が少ない)


and more......



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