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西暦2080年。
これは、とあるスーパー店員の日常の話。
ここは日本。地球温暖化はさらに進み、標高の低い土地は海に消え、人々の住む地域は徐々に減ってきている。そのせいで、かつて首都だった東京は海に沈んでしまった。
他の国も例外ではなく、人が住める土地がどんどん減っていき、このままてはあと20年ほどで完全に陸はなくなると言われている。
じゃあ人間はどうやって生きるのか?
それは簡単。人類は宇宙へ進出していったのだ。
人々は宇宙船の中でも地球と同じ環境で生きていける技術を生んだんだ。
え?何でさっきからそんなに他人事なのかって?
そりゃあそうさ。ボクは宇宙船ではなく地球にいるからだ。
宇宙船の中で暮らせるのは、大体政治家や何処かの企業のお偉いさんだ。ボクら一般人は地球でひっそりと暮らしている。国や街に政治家などの統治者がいないため、日本限らずどこの国も治安は最悪だった。
生活物資は一般人が生産して宇宙船の人々が殆ど消費するので、地球に住むボクらは常に貧しい。
一応上から賃金が支払われるが、大体の人は満足できる額ではない。
さて、そんな中でボクがしている仕事は……
スーパー店員。