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九話 理不尽は無限に

エセ関西弁なので、自分が思う関西弁です。……本場の人に殺されそう。

 ――極東東部連合日の本、前線基地――


「衛生兵はどうした!?」

「あっちで別の治療をしてる」


ドタバタと何十人もの負傷者が寝かせられている広場で、ギルド職員と思われる人物達が忙しそうに走り回っていた。そんな中、白い長髪の少女が一人、殺気だった目で廊下を歩いていた。そして暫くして、とある部屋に辿り着いた。


「……なんやこれっ」


少女はその部屋の中を一瞥し、少女は吐き捨てるように呟いた。部屋には足場の踏み場も無い程に、死体袋が敷き詰められており死臭が充満し、血が床や壁にこべり着いていた。


「……邪竜一匹に、Lv.4等がこんなんやられるんか」


そう、この部屋に安置されている多くの死体のLv.は4から5。冒険者でもそうそう辿り着けない領域に立っている者達だ。……邪竜八岐大蛇。古の眠りから目覚め、また世界を混沌に陥れようとする邪竜。最近に目覚めた邪竜スターゲイザーよりは遥かに弱いが、それでも推定Lvは10。単純な数では緋月やリリアルには勝るが、結局は知性の欠片も無い魔物だ。緋月と葉加瀬の二人で討伐は可能だろう。


「あん二人が、ここに来れたなら楽に殺れんやけどなぁ」


だがギルド長の緋月には誓約があり、その誓約の効果範囲のみ行動可能なのだ。緋月の行動範囲は、始まりの街から直径百キロ程の範囲のみ。無駄にでかい王国では小さ過ぎると言えるだろう。というか、まず誓約の代償として土地を選ぶこと自体おかしいのだ、大体のギルド長は自分の大切な物や自分自身。だが、緋月は土地を誓約の代償にしたのだ。


「葉加瀬さん一人来ても意味はあらんし。あん人等は二人で一つっちゅうもんやしなぁ」


葉加瀬の策略と緋月の脳筋頭&パワーマシマシの攻撃力が合わさると、一国を滅ぼせると言われている。元々はあの二人は『英雄の仲間』だったのだから当たり前なのだろう。


「こん見てると、ほんまに【英雄】おらんと倒せんのやろなぁ〜」


Lv.4や5が束になって掛かっても、この体たらく。邪竜や魔王、世界が滅びかねない敵を退けれるのは、この世界で最も敬われ尊敬され希望の象徴と言える、【英雄】のみなのだ。だが、その【英雄】でも勝てない存在もあるにはあるのだ。


「こないな相手が……あん娘の敵なんかいな。ほんと、こん世界はあん娘に理不尽やなぁ」


少女、一は一息置いて微笑し「いや」と自分の言葉を否定して、


「あん娘にやなくて【英雄】やろな」


と口角を少し上げてそう言うのだった。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

はい、気付いたら総合評価300超えていました。

気付くのが遅くなってしまいましたが、ありがとうございます‼︎

これからも期待に応え、面白い作品を投稿できるように、誠心誠意頑張りたいと思います。

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