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五話 鬼化

三人合わせてLv.2の中間くらいです。

「それもそうだが、あのおさげの小娘も中々だと思うが?」

「あぁ〜りっちゃんね〜。ボクもそう思うんだけど……自分に自信がないのか、それともただ本当に気付いてないのか、本領発揮できてないんだよね〜」


葛葉達一行が、森で必死に戦ってる中、緋月と玄武は葛葉達を話題に上げながら将棋をし続ける。葛葉の話が終われば、次は律のようだった。


「刀捌きは見たことはないが……あの澄んだ魂じゃ、きっと中々の刀使いじゃろうなぁ」

「実際のところはボクも知らないんだよね〜」


二人は穏やかに和やかに、話しながら将棋の駒を動かす。が、その裏では巧妙な心理戦が繰り広げられていた。緋月の築いた陣形に、玄武は表情にこそ出さないが眉間に皺を寄せる。今のところは玄武の劣勢だ。


「そうだ、君のお孫ちゃんもかなりの者だよねー」

「そうであろうな……ワシの孫なのじゃからな」




「――っ! はぁぁぁ――ッ‼︎」


一角獣の競り合い、果たして勝者は一角獣であった。五十鈴は盾ごと弾かれ、盛大に大勢を崩してしまった。その一瞬を一角獣は見逃さず、自前の立派な角で串刺しにせんとする。が、鬼の咆哮がそれを許さなかった。五十鈴の額に生えた一本の角が周囲の魔力を喰らい、万能感とも言える感覚に五十鈴は有り得ないスピードで、大勢を戻した。凄まじい衝突音が響き、次にパキンと言う何かが割れる音がした。


「はぁ〜……はは、ははは――っ‼︎」


五十鈴の笑い声が森に響き、葛葉と律の防衛線を掻い潜り、五十鈴の下までやって来ていた魔物達が怯える。だが、魔物達が本能に従い、目の前の鬼を食い殺そうと襲い掛かった。案の定、魔物達は鬼によって三枚におろされたり、胴を切り裂かれたり、首を刎ねられたりと、目を覆いたくなるような惨劇が一瞬にして繰り広げられた。一角獣も例外では無く、足の一本を切り落とされていた。


「……っ! ……ぐっ、うぅ」


血の海の真ん中で五十鈴は『鬼化』を解く。正気に戻った五十鈴は、たたらを踏みながら頭を押さえ眉間に皺を寄せている。


「はぁ……はぁ……」


『鬼化』は莫大な力と五感を手に入れることが出来る、そして大いなる力には代償があるように、『鬼化』にも代償があるのだ。代償としては魔力を根こそぎ持ってかれたり、五感の一部の機能不全だったりと。今のところ五十鈴は二回行使し、代償は魔力が持ってかれているだけだ。たが、代償で持っていかれるのは完全にランダムであり、そのうち五感を持ってかれる可能性もあるのだ。


(今のままじゃ、『鬼化』に頼ってしまう……)


五十鈴は、自分の不甲斐無さに唇を噛み締め、拳を強く握りしめた。代償がある力を持ってして、やっとこさ自分一人の力で強敵を倒せる程度。それに、鬼化直後のあの時間に、魔物が来ていたらやられていた筈だ。葛葉や律、鬼化時の戦闘狂の自分の判断に助けられただけだ。


「五十鈴〜? 終わった?」

「は、はい。終わりました」

「おぉ〜さっすが〜‼︎」


森の奥から歩いてきた葛葉は、血の海で佇む五十鈴に声を掛けながら辺りに目を向ける。どこか若干引いてるようだが。この惨状を見て引かない方が異常なのだが。


「んじゃ、一角獣の素材採って帰ろっか!」

「はい」


葛葉はそう言うと素材採取用道具袋を取り出し、一角獣の下へと駆け寄っていく。それに続き、五十鈴もまた袋を取り出し、一角獣の下へと駆け寄るのだった――。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

戦闘の時はスラスラと文章を書けるんですがね。

日常って具体的にどいう日常を書けばよろしいのですかね。足りない脳みそを働かせて、書けるようにして見せます!

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