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八話 影

読もうと思っていただき、ありがとうございます!

少ないですがこれで一章は完です! 次は二章になります!

 ――???――

 

 曇天の下、夜の不帰の森にて白髪の美少女が一人、迷い無く草木を掻き分け進む。


「なんや、行かへんの?」

『……全く、お前も諦めが悪いな』


そして一人の白髪の少女が、黒いマントを着てフードを深く被っている人物に声をかける。返ってきたのは機械みたいな声だった。


「いつもは、こん世界に来させる前にやっとったやないの。それが、どうしてしんのか、分からへんのやが?」

『……この世界を壊すのは勿体無くてね』

「……なんや、そないなこと言えんのかい。まぁ、私はあんさんが何もしないっても、遠慮はしないで――ッ‼︎」


少女は手に持っていた槍をフードの人物に向けて投擲する。槍は一切ブレることなくフードの人物に直撃する、と思われた瞬間。遥空から降ってきた鉄塊によって、槍は弾かれる。そして甲高い音が森に響く。


『追いつけない程度にはしとけ』

「分かりました」


空から降ってきたのは鉄塊では無く、金棒だった。金棒の横に居る少女は、フードの人物に会釈をし金棒の柄を握り締め、巨木にも似た金棒を軽々と扱う。

空気が歪み、白髪の少女はくらっと足下がふらつく。


「今回は本気やないか」


汗が頬を伝う。

目の前の少女は額に二本の角が生えており、纏う雰囲気は鬼そのもの。いや、鬼なのだからそうだろう。


「そっちが本気なんなやったら。こっちも本気で行くでッ‼︎」


少女が手を突き出すと同時、毎秒二千発の暴力が目の前の少女に襲い掛かるが、その悉くが金棒によって弾かれる。


「チッ、こないな火力やぞ」


毎秒二千発なんて現実的じゃない。かの有名なM134であっても、毎分二千〜四千発だ。それが毎秒なんて馬鹿すぎる。が、魔法なんて公式チートがあるこの世界ではなんて事ない。


「……ッ! 隠れられた」


自分の攻撃で舞った土煙に鬼の少女に隠れられてしまった。


「どっからや、どっからくる?」


辺りを見回し、あの少女がどこからいつに仕掛けて来るか警戒する。


「……——ッ‼︎ 上かっ‼︎」


顔を空に向けると同時、金棒が凄まじい速度で白髪の少女に落ちて来る。それを少女は後ろに飛び間一髪で難を逃れる。

だが、金棒は降ってきただけで肝心の鬼の少女が居ない。そう気付いた時には遅かった。茂みから少女が飛び出し、鞘から刀を引き抜いて白髪の少女を遠慮なく斬る。

少女は両腕両足を切断され、鮮血が地面を彩る。ドサドサと、切断された四肢が地面に落ち、血をドボドボと流す。少女は仰向けに倒れ、文字通り手も足もでない状態となってしまった。


「これ程やっても死なないなんて、可哀想ですね」


鬼の少女は皮肉を残し、刀に付着した血を振り落とし刀を鞘に納める。金棒を軽々と持ち上げ、夜の森の中に消えていった。

それから数十分。完全に治癒した四肢の具合を測りながら白髪の少女は立ち上がり、鬼の少女が消えてった方向に顔を向ける。


「部下にやられるんやったら、そりゃ勝てへんよなぁ。んまぁ諦めへんが……必ず、あなたは私が救って見せますから」


少女は——元の口調——でそう言い残しその場を後にした。

読んでいただき、ありがとうございます!

続きも早く投稿できるようにしたいと思います!

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