表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/743

十四話 物は大切に

本当に序盤に持つ武器じゃないですよね。

ドヤ顔がイラッと来るが、この仕事っぷりだ、怒りを抑えるのが筋ってもんだろう。しかもこんな時間が掛かる武具を、半日も掛からず作った点も高い。


「かなり硬度の高い鉱石と、魔物の鱗を使ったよ。ここらの魔物じゃ傷一つ付けれないだろうね」

「序盤ならではですねー」


よくゲームでもあるわ。と序盤によくゲット出来る、圧倒的序盤キャラにこれはオーバーキルだろって装備だなこの盾の性能に、葛葉は空笑いしか出ないのだ。


「そして、魔力を込めることで、刃が出て来るから。敵と戦う時とかに、魔力を流し込めば直ぐに使えるように出来るよ」


千佳は話しながら、純白の盾を手に取り掲げると同時に、盾から刃が出てきた。今、千佳はこの盾に魔力を流し込んだのだろう。

この世界の武器や防具は魔力を使ったりする物が多いらしい。防具は楽に身を守れるし、武器は場に応じて形を変え魔物との戦いに余裕を与えてくれる。それに、魔力を使うと言っても少量なのだ。証拠に、魔力量数が極めて少ない葛葉でも、防具に魔力を流しっぱなしでも問題なく、魔物と戦えているのだから。


「……見るに、君の魔力の量はかなり多いからね。魔法なんかを覚えれば、この盾を使いながら攻撃も出来るだろうね」

「す、凄いです……」

「本当に攻守共に最強の盾を作るなんて……」


若干引くわーと思いつつも、唯一無二の本当に最強の盾だ。序盤だけだが。これでパーティーの役割極めが楽になる。

スピード特化の葛葉、オールランダーの律、鬼族の五十鈴。前衛に五十鈴を置き、中衛に葛葉。必要となれば葛葉は前衛に出る。そして律を後ろに置けば、前衛への支援と共に後ろからの奇襲も防げると言う、バランスの取れたパーティーになれるのだ。


「じゃ、私はこれで」


盾を五十鈴に渡すと、千佳はそそくさと盾を包んでいた毛布をグルグルにし虚空庫へしまうと、手を振りながら陽が沈む方へ歩いて行ってしまった。盾は淡く、夕日に照らされる。五十鈴は慈しむように盾を指でなぞるのだった。

読んで頂き、ありがとうございます!

流石に防具とか武器とか強すぎですかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ