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十三話 必殺仕事人!

中途半端でさーせん!

数時間後


ズズズ、ズズズと襲ってきた植物型魔物のモンスターを引き摺りながら葛葉達は街を、ギルドへと続く大通りを歩いていた。周囲の人々はポカーンと口を開けて、少女達がモンスターを引き摺っているという現実離れした光景を、迷惑そうな顔もせず、ただ驚くばかり。


「はぁ、まさかこんな大物が釣れるなんて……」

「ま、まぁ、追加報酬出ますし……」


ギルドが貸し出してるリヤカーでも借りれば良かったと、葛葉は魔物の死骸に振り返り思うのだった。それから暫く歩き、ギルドが見えてきた頃。前方に、何か大きな物を背負った人影が見えてきた。 


「……あれって」


目を細め、葛葉がよ〜く目を凝らし――最早ガンを飛ばしていほどに――前屈みになる。ジーッと見ていると、人影はこちらに気が付いたような仕草をしてから、駆け寄ってくる。葛葉達もギルドへと歩みを再開させ、大通りの開けた場所に到着すると、人影も同じ場所に向かってきていた。そして、その人影が目の前にまでやってくると、葛葉達も、その人影の正体に気付いた。髪を振り乱しボサボサにして、荒い息を上げ肩で呼吸をし膝に手を付ける、千佳だった。


「いや〜こんなに遅くなるなんて……聞いてないよー」

「ま、まぁちょっとしたハプニングがありましてね……」


服の袖で額の汗を拭う千佳に、葛葉は何となく顔を逸らして声を裏返させて、誤魔化す。正直言ってここまで帰るのが遅くなった原因は、第一にコボルトの倒し過ぎと、第二に襲ってきた植物型魔物の死体の持ち帰りだの所為だ。


「……そうだったんだ。怪我は無い……ね、クエストは危ないからね〜」

「まぁ今日もまぁまぁ何となく熟せましたし」

「怪我が無いのが何よりだよ〜。……後、これこれ」


千佳はそう言うと、背中に背負っていた十字架のような形をした毛布に巻かれた物体を、地面に置いた。律と五十鈴はピンと来ていないようだが、葛葉は人影が千佳であることを知ったと同時に察しが付いていた。


「お、おぉー!!」

「……――凄い」


律は驚きの声しか出せず、五十鈴は千佳の取り出した物に感嘆の声しか出せないのだった。葛葉も心の底で、凄い……と思ってしまう。十字架型の盾は、神聖なオーラを放ち、燦々と輝く太陽のように、夕陽だとしても明るい光を反射する。そして細部まで拘ったであろう、微細な細工や取っ手。そしてその他の何よりも、盾自身がデカいのだ。


「ほ、本当に注文通り……」

「ふっふっふっ……私の仕事に抜かりは無いよ」


とVサインと共にドヤ顔で言ってくるが、まさにその通りで、一切の手抜きも無く、最後の最後まで完璧に仕上げられていた。

読んで頂き、ありがとうございます‼︎

本当に中途半端ですいません‼︎

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