表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/743

七話 未練なき世界

遅くなり、申し訳ございません!

――翌日――


カチャカチャと食器とフォーク、スプーンやナイフが当たる音が響くギルドのレストラン。そこで葛葉達は朝食を取って居た。

律が美味しそうに運ばれてくる料理を食べ、葛葉と五十鈴は一口一口味って食べている。

律は大食いキャラみたいだ。


「は〜幸へふ……!」

「ちゃんと噛んでる?」


秒で無くなっていく料理に目が釘付けになり、ほぼ飲み干してそうな律に不安が入り混じった声で問う。

五十鈴もどうやらドン引きのようだ。まぁ、朝から大盛りの洋食をパクパク平らげる人物がいたら、そりゃ誰だって引くだろう。

店員も「この人どんだけ食べるのっ!?」て顔してたし。


「食べ物はいくら食べても良いんですよっ!」

「流石にいくらも食っちゃダメでしょ……」


日替わり朝食ランチを食べ終わり、注文し出されたコーヒーを手に取り口に持ち運びながら、律の発言にツッコミを入れる。

朝から元気があるのは良いことだが、少しは周りの視線も気にしてもらいたい。

視線が一点に集まり、周囲の人々の「何だあの子」という目が連れである葛葉や五十鈴にも向いており、かなり恥ずかしい。


「……? 二人ともどうしたんですか?」

「……いや、何でもない」


顔を俯かせ、恥ずかしそうに縮こまる二人の様子に気が付いた律が、はてな顔でそう聞いてくる。

律には自覚が無いのだろう。自覚があったら、二人の様子に合わせて食べるのを辞めるとかあっただろう。でも、平気で食べ始めたのだ。


(ま、まぁ個人の自由だし……周りに一々合わすのなんて疲れるしね)


葛葉はそういう周りと一緒というのが大嫌いの、ひねくれ者だったのだ。特に嫌いな言葉が、一人は皆の為に皆は一人の為に、この言葉を聞くだけで虫酸が走る。

何も端から誰かと関係を持つのが嫌いと言っているわけでは無い。そいう考えを惜しくつけようとする、そんな奴が嫌いなのだ。

人は必ず誰かに助けて貰わねば、産まれないし育たないし生きていけない。助け合いで人は大きくなっていき、現代の科学力や社会を築き上げたのだ。だが、皆と一緒、そんな考えが人を孤立にさせるのだ。


(……本当、この世界に来れてよかった)


実のところ葛葉はあの世界には、もう飽き飽きして居たのだ。退屈な日々。大学に行こうが、楽しくも無い時間を過ごすだけ。家に帰っても別にやる事はなし。唯一の希望は義母と妹の存在だった。

でも、もうあの世界には行けないし、帰れないのだ。どっちみち、いつか自分で命を絶ってたかもしてない。なら最期に、誰かを救えたのなら良かったと、葛葉の死は無駄じゃ無かったとそう思えるのだ——。

読んで頂き、ありがとうございます!

遅くなりましたが、無事毎日投稿が続けれて良かったです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ