十話 血塗れで
「体のいい言い訳はそんなところかな」
そんな気にしなくても良さそうなことを気にしつつ、メイド服から戦闘服へ変え、先ほどの銃を『創造』したと同時にその他装備・武器も『創造』していた。
今手に持っている銃とはこれまた違う銃を右脚の太腿にあるホルスターに仕舞い、腰にナイフ、胸当て、膝当て、肘当て、そして大きな銃。
先端―――銃口のすぐ真下に別のナイフを取り付けると剣銃が完成する。
ほとんどが木製でできた剣銃ショットガン。WW1の際に使用された時はあまりの強さに相手国を不快にさせた武器。
M1897トレンチガン。WW1の塹壕戦を制したショットガンである。
「……行こう」
準備は整った。葛葉はこの部屋から、この場から脱出する。きっとリーニヤの魂と共に。
葛葉は近くにあった男の死体を片手に入り口へ近付いていった。そして部屋の外へ向かって男の死体を蹴り飛ばした。
すると部屋の外に蹴り飛ばされた死体は無数の矢によって蜂の巣となってしまった。
それを見た葛葉はすかさず部屋の外に飛び出した、そして手に持っていた銃を構え引き金を引いた。
ドンッ!! という拳銃なんかよりも遥かに大きい銃声が鳴り響く。そしてそれと同時に通路の先にいた敵の殆どが倒れていった。
「矢番え‼︎」
号令よりも早く葛葉は、大仰にM1897トレンチガン構えつつ敵の一団に突っ込んだ。
そしてまず一人目。
「なにやってる‼︎ 剣を抜け‼︎」
トレンチガンの先に取り付けられていた短剣ほどのナイフが男の胸に刺さり銃口が固定される。
慈悲はなく、葛葉はまたしてもトレンチガンの引き金を引いた。威力は拳銃の比にならず、男の身体の半分が消し飛んだ。
男の半身を消し飛ばした葛葉は敵の攻撃を前に一歩たりとも動かずにいた。
後少しで剣先が葛葉に届く寸前だった、葛葉の眼前に落ちてくる丸い何か。それは先ほど男達も見て味わったことのある兵器。
男達の視界をパァっと光が目の前を白くしたかと思えば、次の瞬間には身体が吹き飛んだ、そんな感覚を覚えた。
その光景を見ていた反対側の通路の敵はボソッと呟いた。
「じ、自爆……?」
側から見ればそうだった。だがその考えは黒煙の中から飛び出してくる血塗れの少女によって否定された―――。
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