二話 耐えて耐えて耐えたとしても
結構痛たたな表現があります、お気を悪くしないよう、気を付けてお読み下さい!
―――ベチンッ、バチンッ。そんな音がして、葛葉の身体中に痛々しい裂傷が出来た。
そしてすかさず塩が塗り込まれるが、葛葉は悲鳴をあげない。それを見た男が相方に顎で指示する。
すると相方はブラックジャックで葛葉の頭を、四肢を、胸を何度も殴ったのだ。
「おいおい、どうなってんだこいつ。壊れてるのか?」
「……じゃ、ジャックさん、流石にこれ以上は……」
効果のない拷問に男―――ジャックは呆れてため息を吐き、相方の男は葛葉の姿を見て顔を顰めた。
「……ボロボロで、傷だらけのはずなのに、俺はお前の悲鳴を聞いてねーぞ?」
グイッと葛葉の髪を乱暴に掴み引っ張って顔を見た。すると葛葉はギロリと男を睨んだ。
「どんな精神力してたら、あの拷問に耐えれんだろうな?」
「さ、さぁ?」
男達は悲鳴すら上げない葛葉を逆に恐れ始めていた。
「可愛い顔して、とんでもねー秘密隠してそうだな」
「あの、ジャックさん。もう剥ぐ爪も、折る指も、抜く歯もないですよ……?」
「あぁ、そうだなぁ。それじゃあ意味ねぇなぁ」
「指先砕いたり、針を刺してみたりします?」
男達が恐ろしい会話をしているのを盗み聞きしながら葛葉は息を吐き、ゆっくりと顔を横へ向けた。そこには首を絞められ性行為されているリーニヤが。
リーニヤの身体がピクピクと痙攣を始め、男達が首から手を離すとリーニヤは咳き込みながら息を必死に行った。
そして姿勢を崩したためゴンッと男がリーニヤを何発も殴った。
(……早く、どうにかしないと)
このままでまはリーニヤが死んでしまう。
そう思っても葛葉にはどうすることも出来なかった。男達の数が多過ぎるため、行動しようにもすぐに押さえつけられてしまうだろうからだ。
(それに、いくらスキルで痛覚を消しても、ちょっぴり痛くなる……)
葛葉が今までの拷問を耐えたのもこのおかげだった。が手足の感覚が完全に無くなってしまっていて、口の中も血の味だけになり吐き気がずっとしている。
「あれ、使ってみるか、もしかしたら効果あるかもな」
葛葉が俯き吐き気に耐えていると、男が一本の短剣を持ち出した。
「ど・こ・に・し・よ・う・か・なー?」
葛葉の全身を見て短剣でどこを刺そうか選んでいると、チラッと葛葉の睨んでくる目と男の目が合った。
その瞬間、男は刺す場所を決めた。
「じゃ、歯ぁ食い縛れよ〜?」
スタスタと葛葉の下まで歩いて行き、先ほどと同じように髪の毛を乱暴に掴みグイッと引っ張った。
睨んでくる目に目掛けて、手に持った短剣を逆手に持ち変えて、なんの躊躇いもなしに左目へとぶっ刺した。
「……―――ッ‼︎」
刺されて少しして葛葉は目に焼けるような痛みと、息が出来なくなりそうな痛みに声すら出せずに絶叫した。
「―――――――――――‼︎」
それは筆舌し難い想像を絶する苦痛、激痛。想像できる者はいるのか、目ん玉をナイフで串刺しにされる感覚を。
「ははは、やっとらしい反応したな‼︎」
葛葉が焼けるような目の痛みに直ぐに短剣を引き抜いた。が同時に、自らの眼球をも取り出してしまうのだった。
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