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十七話 託された戦場

 そんな時だった。ドン! ドン! ドン‼︎ と三連続で遠くから爆発音が響いてきたのだ。

 戦って居た全員が手を止めて爆発音の方に目を向けた。何事じゃ? と鬼丸が片手間で剣聖をあしらう。


「く、クロエお嬢様‼︎ 襲撃です‼︎」


 息を切らした一人のメイドがクロエにそう報告をした。その場の全員が息を呑んだ。


「襲撃……? まさか!」


 緋月がバッと振り返り、悪魔召喚の儀式をしているアイシュリングを睨んだ。


「……全部、アイツの筋書き通りって?」


 タイミングが良過ぎる襲撃者、あからさまな緋月と鬼丸に対する対策。これらが、緋月をそう確信させるに足る証拠だった。


「襲撃者の数は⁉︎」

「さ、三十ほどでしょうか、街道方面から沢山やってきて居ます!」


 報告に来たメイドに詳細な情報を求める緋月に突きつけられたのは、どうしようもない現実。

 この護衛依頼の内容はクロエの護衛。襲撃者からクロエを守らなければいけないが、それをさせないのがアイシュリングだった。

 国か依頼か、緋月が判断を鈍っている時だった。

 ヒューっという飛来音がどこからともなく聞こえてきたのだ。

 そして次の瞬間。


「わっ⁉︎」


 目の前に何かが落ちてきては砂煙が大きく舞い上がり視界を覆った。


「―――全員伏せるのじゃ‼︎」


 と鬼丸のそんな余裕のなさそうな声に、その場の全員が身を屈めたその時だった。バババ、と連続して発せられる大きな音と、頭の上を通っていく物体の音。

 緋月や葛葉パーティー、アヤカ、ヒバナは察しが付いていた。

 かろうじて晴れてきた砂塵の中、緋月はアヤカトヒバナを見つけ目配せした。

 すると二人はクロエと何人かの戦闘メイドを引き連れてこの場を後にした。

 残ったのは鬼丸、緋月、律、五十鈴、数人の戦闘メイドだった。


「りっちゃん、五十鈴っちー、二人は連携してメイドちゃん達と戦って」

「ひ、緋月様……?」


 砂塵の中を最大限警戒しつつ緋月は五十鈴へ指示を出した。

 そして砂塵が晴れたその瞬間だった、中から巨大な何かがこちらへ突っ込んできたのだ。緋月達はバラバラの方向に身を翻してその突進を避けるのだった。


「っ、鬼丸⁉︎」

「……くっ、任せるのじゃ‼︎」


 巨大な何かを受け止めた鬼丸が押し負け、ジリジリと屋敷の中まで後退していくのを見た緋月に鬼丸はたった一言言い残して、姿を消してしまった。


「任せるって……」


 緋月の目の前には二人の銃火器を手に持った男が立って居た。なんだこれ、と空笑いする緋月は戦場の隅々までよく見るのだった。

 勝機を見出すために―――。

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