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十一話 洗濯と選択は

展開が早いかもしれません……。後々、補完します!

「―――ん……」

「ちょっと手伝って下さいよー」


 芝生の上に座り込み、晴々とした空を眺めていた葛葉に、物干し竿に洗濯したい服を干しているメイドが声をかけて来た。

 葛葉は素直に立ち上がって洗濯籠から衣服又はシーツを取り出しての干し竿に掛けていく。


「あ、早い早い〜!」


 シュバババと片付けていく葛葉に、パチパチと手を叩きながら喜ぶメイド。

 赤褐色の頭髪をしたこの屋敷で働く一般メイド、リーニヤだ。


「流石英雄だぁ〜!」


 リーニヤはそう喜びながらもきちんと洗濯物は干していく。


「お二人とも、そちらは順調ですか?」


 そんな二人の元に歩いて来たのは眼鏡を掛けた黒髪っ娘一般メイド、キリヤだ。

 順調そうな二人を見てうんうんと頷いた。

 あのクロエの話を聞いてから早くも十日経っていた、そして一週間前に新しい仕事ということで洗濯を担当することになったのだ。

 そこでこの二人と一緒になったのだ。

 護衛依頼についてから半月が過ぎた。だが何も起こらないこの状況に、葛葉は気を抜いてしまっていた。


「あっそれとって〜」


 リーニヤが籠の中にある衣服を指で刺した時だった。


「―――っ」


 洗濯物の皺を広げていた葛葉がいの一番に異変を感じ取った。そしてその異変は目に見える形となって現れた。

 空を覆うようにそれは地面へと降りてきていた。


「……なんでしょうか?」


 異変に気が付いた二人もそれに目を奪われた。

 そして全員が認識した、構築される魔力に。


「結界魔法……っ‼︎」


 その声と共に結界は完成された。


「し、しかも超広域結界ですよ⁉︎」


 一般人でも認識できる膨大な魔力に当てられ葛葉はクラっと眩暈を起こした。


「一体……何が……」


 葛葉は結界を睨め付けそう口にするのだった。


 ―――二十分前―――


 コンコンと扉をノックして中に入った。

 すると、そこには大量の本と大量のモンスターや草花といった何かの素材が落ちていた。

 足の踏み場もないほどに。


「……まさか、こんなこと隠してたなんてね。アイシュリング」

「バレたか」


 屋敷一階、厨房室の反対側に位置する部屋。よくよく見ればアイシュリングの周りには、大量の本や血の文字・紋章の描かれた羊皮紙が転がっていた。

 素材のみならず、失敗作をいくつも転がしていたのだ。


「……悪魔召喚の儀式。わかってるのかな? 悪魔を呼ぶって言うことの意味を……」

「あぁ。当然」

「じゃあ、今すぐにそれをやめろ」


 緋月はこれ以上ない殺意を持ってアイシュリングの動きを止めようとしたが、狂人に殺意を向けたところでなんの意味もない。


「万感の思い、万人の命、我が大切な物を捧げたもう」

「―――ッ‼︎ 国が滅びるぞッ‼︎」


 珍しく緋月は余裕が無さそうに叫んだ。

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