表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
605/749

九話 戦闘メイド……好こですわぁ

「葛葉様。ここは魔族との戦いになれば激戦となる、重要な街なのです。王都からここへ来る途中には山間部があり、兵を送るにはかなりの時間が掛かります。ですから魔族からすれば絶対に占領したい街ということです」

「だからボクとか葉加瀬がここに居るんだよねー」


 と五十鈴の説明と、緋月の補足も相まって葛葉の疑問は更に深まってしまった。


「あの、それじゃあ公爵家程の貴族をここに置くのはもっと駄目じゃ?」

「うん、普通ならそうなんだけどね」


 その葛葉の疑問に緋月は、うんうんと首を上下に動かして首肯すると、


「この世界の貴族って強いんだよね」

「……強いんですか?」

「そそ。なんせこの国の王族の血統は【始祖の英雄】だからね。アダルバート家も充分強い上に、兵士も多く持ってるからさ」


 と緋月や五十鈴の説明を一通り聞いた葛葉は、納得した顔を見せるが、まだ引っ掛かる点があった。


「なるほど……でも強いなら冒険者を護衛にする必要なんて……」

「ない。ことはないんだよね。……今回アダルバート家の令嬢を狙ってるのは、帝国の暗殺ギルドの暗殺者なんだよ」


 またしても帝国からの厄介ごとなことについて、葛葉はまたかと苦笑を浮かべた。

 とにかくアダルバート家の護衛の件は理解出来たが、まだ理解出来ないことはある。

 それは、


「それで緋月さん。護衛のことは理解したんですけど、それとこの格好は何か意味があるんですか?」


 葛葉達の格好だ。

 護衛にメイド服をわざわざ着させる意味がわからない。そんな表情で緋月に問うてみると、緋月は小刻みに肩を震るわせて笑い始めた。


「……ふっふっふっ」


 そんな緋月に冷たい視線が向けられるが、緋月は高笑いし、普通に真面目な顔で、


「いや、護衛だってバレないように。新しいメイドを雇ったって体で、アダルバート家の護衛依頼を受けたからだね」

「なんですか今の高笑いは⁉︎」


 理にかなったことを言う緋月に、葛葉はもれなくあの無意味な高笑いにツッコミを入れるのだった。

読んで頂きありがとうございます!!

面白いと思って頂けましたら、ブックマークと評価をお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ