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五十一話 戦いの中で

少し個人的に見やすくしました!

 身体に刺さる異物感、だがすぐに再生が始まった。異物を押し除け傷はみるみる塞がっていく。


 あと一歩で完治する、その時だった。舞い上がった土煙の中から葛葉が現れたのだ。


 同じく傷だらけのズタボロの姿で。咄嗟に影で防御するが、葛葉の一撃は影達の防御を食い破りナイフの切先が『八岐大蛇』の頬を浅く裂いた。


 血が頬から滴り落ちる。その次の瞬間。

 葛葉へ『八岐大蛇』は攻撃を仕掛けた。尻尾の重い攻撃、葛葉はそれを脇腹にもろに食らった。


 骨が数本折れ何本かひび割れる感覚を感じながらも、葛葉は尻尾を抱えるように持った。


「……っ。はぁ……はぁ……」

『―――っ。……?』


 膠着。一瞬だが激しかった戦いだったが直ぐに膠着してしまった。だがその膠着も一瞬だった。


 葛葉が手を『八岐大蛇』に突き出したのだ。そして光が(魔力の光が)収束する。

 光は形を成して行く。そして光が霧散すると同時に葛葉は引き金を引き絞った。


 ゾワっと嫌な予感が『八岐大蛇』を襲い、目の前で爆発が起きると同時に、飛び退きながら影の束の防御を目の前に展開した。


 耳を劈くような爆発音と同時に影が抉られる。ポッカリと影の束には穴が開き、その先にはまた引き金を絞った葛葉がいた。


 二発目がまた放たれた。空いた穴をさらに広げつつ、『八岐大蛇』へ飛んでくる。


 嫌な予感が再びして直ぐに身を翻した。だが避けたと思うと同時に右腕が吹っ飛んだ。ポタポタと血が大量に滴り落ち、『八岐大蛇』の行動が鈍る。


 すかさず葛葉は影を突き破って攻撃を仕掛けに来た。ナイフを二振り持った本気の葛葉が。


『王が命じる、我が命を脅かす輩を葬り去れ。其は命を燃やす。我が願いを叶えよ―――。【破滅の願望ロヴィーナデシデーリオ】』


 葛葉のナイフが『八岐大蛇』の首に迫る間際、『八岐大蛇』の身体が淡く光、詠唱が終わると同時に眩く白く発光したのだ。


 葛葉が手を翳すと、その手の骨のシルエットが見えるほどの光だった。そして一瞬で大爆発が起こるのだった―――。




「……助けられなかった子?」

「そうだよ〜。お母さんがとっても後悔してること」


 いつか聞いたことのあった。小学校の頃自分の後悔したことを発表する授業があったのだ。その際に葛葉は母に後悔したことはないかと尋ねたのだ。


「悔やんでも悔やみきれないなぁ」

「お母さんって昔何してたの?」

「ん〜人助けかな……? ……ねぇ、くーちゃん。正義感の強いくーちゃんはさ、誰か助ける時はちゃんと助けるんだよ? 後悔しないようにね。それにくーちゃんならみんな助けれると思うから」


 どうしてそんなことを言ったのか、当時の葛葉には分かるはずのないことを母は言ったのだ。

読んで頂きありがとうございます!!

実のところ、今日は昨日の分も投稿しようと思ったのですが、それはまた今度にしようと思います。

でも必ず昨日の分は投稿致します!

面白いと思って頂けましたら、ブックマークと評価をお願いします!!

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