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三十九話 力 is Power

 (にのまえ)もミハヤも満身創痍、葛葉は戦闘不能。五十鈴や律はまだまだ戦えると吠え、『八岐大蛇』へ攻撃を仕掛けている。


「魔石は一度露出した、場所は分かる。じゃが、『八岐大蛇()』の攻撃を抑えるためには人数が必要じゃしのう〜」


 このまま攻めれない状態が続けば、それはジリ貧でこちら側の負けになる。だが鬼丸は金棒を握りしめて不敵な笑みを浮かべた。


「難しいことは、わしには似合わん‼︎」


 そして隕石のように『八岐大蛇』へと落下した。

 爆風に巻き込まれそうになった律が顔を上げると、目の前には大規模なクレーターが出来上がっていた。


(っ、魔石!)


 鬼丸の攻撃よって再び露出した魔石。律は刀を握り直し駆け出した。魔石を破壊し、ここで終わらせるため。

 魔石との距離が縮まり始め刀を振り上げた。


「葛葉さん、私がっ‼︎」


 そして刀を振り下ろした。魔石に触った葛葉がどうなったのかを律は知っていてだ。

 袈裟に斬り払い確かに魔石に当たったが、律はなんともならないことに目を点にした。

 その時だった。


『―――助けて』


 泣きそうな少女の声が聞こえた気がしたのだ。

 周りを見回しても少女は居ない。成長が止まっただけの少女じゃない少女なら、ポツンと立って居たが。


「助けて……?」


 その悲痛の声が頭の中で何度も何度も再生されてしまう。その声はあまりにもそのままで、打算もなにもない。まさに子供の言葉、のような印象を持った。

 だが律はそれでも許せなかった。許されざることをし続けたのが目の前の化け物だから。


「律っ‼︎」


 突如何も考えずに駆け出した律に気が付いた鬼丸が止めようと手を伸ばすが、それよりも律の足の方が早かった。

 目の前では『八岐大蛇』が迫り来る敵を倒そうと尻尾を律に向け狙いを定めていた。

 そして『八岐大蛇』はまず最初にブレス攻撃をした。炎ではなく高圧縮された水が何もかもを切断しながら律に迫った。

 が律はそれを刀で弾いたり、身体をくねらせ避けたりと、無傷で『八岐大蛇』の目の前までやってきた。

 そんな律を尻尾で薙ぎ払おうと、律に横薙ぎの攻撃が迫った。律はそれを跳躍することで回避した、までは良かった。

 跳躍し空中にいる律は目の前にある物に目を奪われた。なぜなら目の前には(とぐろ)を巻いた尻尾が律に再び狙いを定めていたからだ。

 尻尾はバネのように伸びた。先が細長くなっている尻尾が高速で律に迫った。

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