二十九話 再集結
葛葉は再び冠をのせた。ステータスの超々爆上、葛葉は砂埃の中『八岐大蛇』を見つけナイフで攻撃する。
二連撃が四連撃、六連撃と、攻撃の手が増えていく。そんな連撃によって出来た傷跡が爆破していった。
(て、手がなくなりそう……っ‼︎)
連撃を途切れないようにしつつ傷口に手榴弾を突っ込んでいく、そんな作業をしている手は感覚がなくなりそうになっていた。
そんな手を必死に動かして攻撃の手を緩めない。
「で、ここで鬼丸っ‼︎」
ピタッと手を止めくるりと右回りすると、葛葉の背後から鬼の形相の鬼丸が飛び掛かってきた。
金棒が振り下ろされ再び爆発音と衝撃はがやってくる。ドンッと来る衝撃に葛葉がよろけるがすぐに体勢を整えた。
消し飛んだ首の傷口に『創造』した手榴弾を突っ込んだ。葛葉のできる最大の攻撃だ。
もうそろそろ、鱗の下がグチャグチャになって居ないとおかしいほどの量の手榴弾を突っ込んだのだから、倒れて欲しいと葛葉が願ったが。
「まだ……か」
砂埃を消し飛ばした『八岐大蛇』がギロッと葛葉を睥睨した。その後ろに跳躍してきた人影があった。
「―――頭下げとき‼︎ 『無慈悲なる弾雨―――ッ‼︎』」
高速回転による圧倒的な弾幕によって、弾が出ているのではなくビームが出ているのではと錯覚してしまう。
一点集中の弾幕は一瞬にして『八岐大蛇』の首を穿いた。
「一さんッ‼︎」
戦闘に復帰した一の攻撃に葛葉は顔を明るくした。『八岐大蛇』が攻撃を辞めさせようと動こうとして止まった。
プシッと皮膚から突如血を吹き出して。
「……これって」
「―――鋼鉄糸『鳥籠』」
何処からともなく声が聞こえ、その声の方へ顔を向けるとそこには火傷まみれのスミノが、辛そうに技を使って居た。
「スミノさん……っ‼︎」
苦痛に耐え、葛葉達の元までやってきたスミノに葛葉は涙が溢れた。
「その首頂戴する! 『斬撃一閃・兜割り―――ッ‼︎』」
その掛け声と同時に『八岐大蛇』の首が刎ねられた。
ドスンッと落ちた首から上は地面を揺らし、大きく小さな音を立てた。
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