二十四話 タフネスは脳筋で攻略?
「弱音吐いとる場合があるなら攻撃せい、と言いたがの。確かにタフ過ぎるのう……」
鬼丸ですら薄々そう思い始めていたことに一が仰天した。じゃあなんで頭叩いた⁉︎ と。
するとそんなこんなしている二人の下に葛葉がやってきた。汚れまみれ、扇情的な服の破れ方をした葛葉が。
「鬼丸……!」
駆け寄ってくる葛葉に振り向き鬼丸は昂る欲望を抑え、平常心を保った顔で返事した。平常心を保っているつもりの鬼丸だが、側から見たら獣の顔だ。
「情報交換しよ!」
「む? 情報交換とな? なして?」
と唐突な葛葉の提案に首を傾げ鬼丸は尋ねた。
何を情報交換すれば良いのかと。顎に手を添え首を傾げる鬼丸に、葛葉は『八岐大蛇』の首を指差し理由を語った。
「私達と鬼丸達が戦ってた首の色は違ったでしょ? だから、他の首の特性を知れたら、なんでこんなにも『八岐大蛇』が硬いのかが分かると思うから」
その葛葉の言葉に鬼丸は言葉を詰まらせた。よくよく考えればすぐに思いつくことだった。
だが思いつかなかったのだ。この中でほんの少しでもこの『八岐大蛇』のことを知っているのは鬼丸なのにだ。
「その通りじゃな……。ならば早速するのじゃ!」
「『八岐大蛇』の相手はウチらに任せ。早う話し合って倒さんと!」
「でも」と呟き鬼丸が振り返ると、一がミニガンを構えていた。ドヤッと自信満々な顔で言う一の下に、スタッと影がやってきた。
やってきたのは『八岐大蛇』の足下で戦っていたミハヤだ。
「ここは私たちにお任せを!」
「ほら、早よ行かんと!」
二人は武器を構えてそう言う。だが鬼丸はほんの少しだけ気後れしていた。そんな鬼丸の背中を一がグイグイと押した。
「……鬼丸。二人を信じよ」
「ぬぅ……分かったのじゃ。……すぐ戻るからのう!」
葛葉の胸元まで押された鬼丸は、葛葉に耳元でに言われたからか渋々了承し、二人にそう言い残して、葛葉と共に『八岐大蛇』から離れるのだった―――。
読んで頂きありがとうございます!!
脳筋では攻略しないんですね〜。
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