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八話 大口径こそ正義

大変遅くなりました!

 すると鬼丸が虚空庫から金棒と同等の大きさの物体を取り出し、『八岐大蛇』へ向かって高速で投げつけた。

 グルンッと顔を飛来する物体の方に向けた『八岐大蛇』だったが、飛来する物体を確認し避けるには、確認するのがあまりにも遅かった。

 ドゴッと首に命中した物体が、他の首も巻き込んで『八岐大蛇』を崖へと叩きつけた。


「……今のなに⁉︎」

「ふっふっふー! わしの自慢の力を活かした攻撃じゃ!」


 驚いた葛葉が鬼丸に顔を向けて尋ねてみると、鬼丸がむふーっとドヤ顔で自慢気にそう言ってくるのだった。


「……なら!」


 鬼丸の攻撃に対抗心を燃やして、葛葉はグッと引き金を引いた。今度は連射ではなく、単発で、そして銃へありったけの魔力を込めて。

 『八岐大蛇』との距離が近くなってくると同時に、鬼丸の横にもう一人やってきた。


「―――大丈夫なん? 葛葉ちゃん」


 心配そうに声を掛けてくるのは一だった。片手でミニガンを持って並走する様は、きっとランボーもびっくりだろう。

 葛葉は一の、無い筈の目から心配そうに見つめられている気がするのだった。


「はい、大丈夫です! ……それより一さんの方こそ」


 と葛葉が一の身体をつま先から頭まで見て思ったことを口にする。


「かなりボロボロじゃないですか?」


 土まみれ、血塗れ、髪はボサボサ、服は鬼丸同様にボロボロで、腕や足からは所々から出血していた。

 葛葉の心配をよそに、一は笑いながら大丈夫だと言うのだった。


「話しておるところ悪いがのう、準備するのじゃ!」


 金棒を構える鬼丸が前にでると同時に、『八岐大蛇』がめり込んでいた崖から出てきたのだ。

 少しだけ反応が遅れた葛葉と一だったが、すぐに散開して葛葉はライフルを、一はミニガンを『八岐大蛇』に構えた。そして鬼丸が金棒で攻撃をし終わった直後、銃撃音が鳴り響く。

 射線が交差し逃げ道のない弾幕に、『八岐大蛇』はただこれを受け止め続けるだけだった。


(あかんな……!)

(全く効いておる気がせんのう)


 一が傷一つ付かない『八岐大蛇』の鱗に苦虫を噛んだような顔になり、鬼丸がやれやれと手を振った。

 そんな二人とは違って、葛葉のライフルの攻撃は『八岐大蛇』に有効だった。

 硬い鱗を砕き、鱗の下にある柔らかい肉に大口径が損傷を与えていっていた。

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