十三話 食わねば!
月曜日も早めの投稿になると思います!!
バタバタと忙しそうな兵士たちを横目に、葛葉達は大きなテーブルの一角で朝食を摂っていた。
が一人だけ朝食を摂るどころではない人がいた。
「葛葉さん葛葉さん!」
「何〜?」
モグモグと眠気まなことぽやっとした雰囲気を漂わせる葛葉の肩を、ぐわんぐわんと揺らす少し焦っている律。
ぽやっとした声で葛葉は、肩を揺らして声を掛けてくる律に声を掛け返した。
「わ、私達だけこんなにのんびりしてて良いんですか⁉︎」
「ん〜、腹が減っては戦はできぬだよ〜」
「それとこれとでは別では⁉︎」
律の言葉にのらりくらりと返す葛葉。そんな葛葉に痺れを切らした律がグイッと、葛葉の顔を自分の顔に向けた。
「周りの目線が痛いんです!」
「そんなこと言われても〜。今準備してるのは第一防衛陣地の人達でしょ? 私たちに出来ることないし、かえって邪魔になっちゃうよ。それに、多分あの目はお腹空いてるんだよっ!」
律の迫真の顔と圧に、のらりくらりだった葛葉がきちんとした言葉で、ちゃんと根拠を持って応えた。
最後の一言が律にとっては余計だったらしいが。
「―――懸命な判断やで〜」
そんな時だった。葛葉達の座るテーブルの横側からここ数日で聴き慣れた声が掛けられた。
「みぃんな自分の仕事をしとるからなぁ。勝手に手伝ったらかえって迷惑になるんは絶対やで?」
朝からニヒッと嫌味な笑顔をして、葛葉達にそう伝えてくる。
「それにあの目ぇはお腹空いてるーよりも、朝からガッツリ食べてるからやないか?」
「……そうですかね?」
ザラッと並べられた料理、その半分が律と鬼丸のだが。周りから見たら「なんなんだこいつ等」という風に見えてしまっても無理はない。
「作戦会議まであと二時間や。さっさとそれ食べ終わらせて、武器の手入れとかをしとき」
「はい、勿論です!」
去り際そう言い残し、アサヒは去っていった。
そして再び葛葉がモグモグと食べていると、鬼丸が声を掛けてきたのだ。
「なぁなぁ〜、わしはどのくらい暴れれば良いのじゃ〜?」
隣にある鬼丸専用の武器を叩きながら言う鬼丸に、葛葉は少しだけ思案して応えた。
「目一杯」
「ほう……がってん承知の助じゃ」
葛葉の言葉に鬼丸はニヤッと笑って胸を叩くのだった。
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